事例で学ぶ「共助」の取組

もしもの時には、普段から備え続けることがとても大切です。ここでは色々な団体で行われている取組を、災害の種類別にご紹介しています。

地震

加古川グリーンシティ防災会 〈兵庫県加古川市〉

加古川グリーンシティは約2,000人が住む大きな団地です。希薄になりがちなコミュニケーションを補うために、子どもからお年寄りまで幅広い年代の方々が楽しく参加できるよう、防災活動に工夫をこらしています。住民全員で構成された「防災会」は管理組合の一組織になっており、住民全員で構成されているため、防災活動への意識を高めるのに役立っています。特に、住民の中で誰が災害時に役に立つ特技や技能(看護師、建築士、重機を扱えるなど)を持っているのかを記載した「ちからこ部」(旧名チャンピオンマップ)を作成しています。
http://www.greencity.sakura.ne.jp/greencity_bousaikai/

防災隣組 〈東京都〉

東京都は、大都市ならではの共助の仕組みとして、地域において意欲的な防災活動を行う団体を「東京防災隣組」として認定する制度を導入しており、その活動を広く紹介することで、都内の各地域のさらなる取組を促し、新たな防災活動の広がりを目指しています。東京防災隣組に認定された各団体は、地域ごとの特性に応じて、きめ細やかな安否確認、木密地域や大規模集合住宅における防災対策、若い世代の参加を促す取組など、さまざまな活動を行っています。
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/tonarigumi/index.html

災害時住民支え合いマップ 〈長野県白馬村〉

白馬村では、避難に助けが必要な高齢者など要援護者の自宅などを掲載した「災害時住民支え合いマップ」を作り、あらかじめ地域住民の間で共有することで災害に備えています。その上で、いざというときに誰がどの人の安否を確認し、助けるかということまできちんと決められています。このような平時からの備えが、平成26年に長野北部地震が起こった際に死亡者0という素晴らしい結果を生みました。これは、住民の連帯感が強く、みんなが顔見知りであったこと、積極的に倒壊した家屋の初期救助に取り組んだことに加え、「災害時住民支え合いマップ」があったことで出動した救助隊員が要援護者などの情報をいち早く把握することができ、迅速に救助活動ができたからです。

よこすか海辺ニュータウンソフィアステイシア自主防災会 〈神奈川県横須賀市〉

神奈川県横須賀市東部の臨海地帯にある309戸の高層マンション「よこすか海辺ニュータウンソフィアステイシア」では、平成17年に自主防災会を設立し、年次計画に基づく防災資機材の整備に加え、居住者台帳による災害時要援護者の情報把握や多くの住民が参加する防災訓練、防災読本「ソフィアステイシア危機管理マニュアル」による防災講習会を毎年実施しています。このほかにも、居住者の中から災害時に役立つ専門知識や実務経験を持った人材(自衛官、消防士、看護師、介護士など)の発掘をしています。将来的には「よこすか海辺ニュータウン地区」全体を対象にした地区防災計画への発展を目指しています。

三木地区 〈石川県加賀市〉

大聖寺川下流域沿いの7町からなる加賀市三木地区は石川県の最南端、福井県境に位置しています。昭和23年には北陸地震で震度6を記録しており、地震の記憶を風化させないために自主防災組織を設け「命の道」マップの作成や防災訓練など主体的な取り組みを進めてきました。また、地域内でも県境の吉崎地区では津波被害も想定されており、一時避難所に福井県の小学校を指定しています。石川県側と福井県側の両地区が一緒に記載された防災マップの作成など、県をまたいだ地区防災計画を立てています。
http://www.city.kaga.ishikawa.jp/folder/03life_3.html

上大河平(うえおこびら)地区 〈宮崎県えびの市〉

市の北東部に位置する上大河平地区は、市内でも特に、少子高齢化が進んでいる地域です。市の中心部から十数キロ離れていることもあり、自助、共助の活動が重要であるという認識から毎年の防災訓練はもとより、災害時要支援者の情報更新及び地区で保有している防災資機材(小型消防ポンプ、発電機、投光器など)の点検を兼ねた取扱・操作要領を地区の行事等を活用して誰もが使えるようにしたり、住民のほとんどが顔見知りの強みで隣近所との密なコミュニケーションを活かした防災活動を実施しています。高齢者の割合が高く、一人暮らしも多い中山間地域での取組のモデルとなることを目指しています。

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津波・高潮

興津(おきつ)小学校 〈高知県四万十町〉

太平洋に面する高知県四万十町興津地区は、東海・東南海地震発生時の津波危険地区で、土砂災害などによって内陸部との唯一のアクセスが絶たれ、孤立する可能性が大きいことが指摘されています。興津小学校では、防災の先進地域の「遊ぼうさい(防災)」という取組を取り入れ、災害を単に怖がるだけでなく、防災学習を通して知識をつけることはもちろん、地域の人との関係を築き、地震・津波に対しての地域防災力を高めています。具体的には、防災倉庫の非常食を自分たちで食べてみる、防災学習会を関係機関と連携して行い地域の方に参加していただく、避難訓練への参加協力を地域に呼びかける、また炊き出し訓練をPTA、警察、消防、地域住民と一緒に計画し実施するなど、学校と地域が一体となった取組を行っています。
http://www.kochinet.ed.jp/okitsu-e/

磯の浦自治会(磯の浦地区自主防災会) 〈和歌山県和歌山市〉

和歌山市の北西に位置する山と海に囲まれた磯の浦地区は、住宅地が海岸の堤防付近まで広がっていることから、東南海・南海地震が発生した場合には大きな津波被害が予想されます。平成13年に結成された磯の浦自治会内の「磯の浦地区自主防災会」では、自らが実施可能な防災対策として避難路や避難所を整備するなど、地域の防災対策を推進し被害の軽減に向けた活動を行っています。その結果、海抜20mの地点に約300m²の避難場所と全長120mの避難路を整備し、道順が複雑な避難場所へは曲がり角ごとに地元高校生がデザインした案内板を設置しました。津波避難訓練では、自治会班長は逃げ遅れた者の確認、地元の医師や看護師は救護班を編成、さらにはサーフィン連盟や観光協会等による海水浴客の避難誘導を実施するなど、磯の浦地域全体でそれぞれの得意分野で力が発揮できるよう工夫された役割分担を行いました。

いすみ市立太東小学校・太東小学校PTA 〈千葉県いすみ市〉

千葉県南東部に位置するいすみ市は、いすみ市立太東小学校出身者が地域の住民に多くいることから、地域コミュニティの中心的存在として同小学校を位置づけ、防災意識の向上を目指した「親子災害体験訓練」を実施しています。平成21年度は千葉県教育委員会によって“学校と地域の防災教育モデル事業”のモデル校に指定され、小学校が中心となり、県の助成を受け、いすみ市教育委員会、いすみ市、地域住民、その他関係機関と連携して活動を展開しました。

安渡(あんど)地区 〈岩手県大槌町〉

津波常襲地区である安渡地区は、年4回の避難訓練を行うほど住民の防災意識が高かったものの、東日本大震災で多くの犠牲者を出してしまったことから、安渡町内会防災計画づくり検討会を発足。ヒヤリングやアンケートを通して東日本大震災による避難や被害の実態を調査し、「安渡地区津波防災計画」をまとめ、地区防災力の向上を図っています。平成27年3月には岩手県大槌町・消防署・警察署等と協力して合同防災訓練を実施し、訓練後には検証会議を行うなど、防災意識を高める取り組みを行っています。

布土(ふっと)地区 〈愛知県美浜町〉

三河湾に面した布土地区は、狭隘(きょうあい)な海岸地形と海岸段丘に住居があり、地形的に安全な避難経路の確保が困難な地区です。そのため自主防災会を設立し、避難計画、避難訓練、炊き出し訓練などを実施することで有事に備えています。子どもたちの安全を確保する取組を通して、大人の参加を促しているのが特徴です。また、これら自主防災会の活動は日本福祉大学防災研究会がサポートしています。平成26年10月には、地区の住民だけでなく、町役場、消防署、自衛隊も参加した大規模避難訓練を実施しました。

二番丁地区コミュニティ協議会 〈香川県高松市〉

二番丁地区は海岸部に隣接し、戸建てやマンション、商店などが存在する高松市の市街部に位置しています。平成16年の台風16号では高潮被害が発生し、地区の多くが1m程度の浸水被害に見舞われました。元々防災意識の高い地区でもあり、この教訓から、地区内に立地する香川大学も協力し、ワークショップやまち歩きなどに基づいた二番丁地区の防災マップを作成。また、高松市と協働で「二番丁地区コミュニティ継続計画」の作成など、他地区のモデルとなるような防災力の高い街づくりを進めています。
http://takamatsu.genki365.net/gnkt05/mypage/index.php?gid=G0000009

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豪雨・土砂崩れ

NPO法人 江東区の水辺に親しむ会 〈東京都江東区〉

江東区では、河川や水辺に関するまちづくりを目的としたNPO法人 江東区の水辺に親しむ会が主体となり、地域イベント活動に「防災」のテーマを組み込むことで地域の共助によるまちづくりを実施しています。東京を守る堤防を知るための企画、船着場設置の重要性を感じるための乗船体験などのイベントなどの活動を通した「実体験」によって住民への防災意識の浸透を狙った取組を行っています。また、活動を行う上で、観光協会、商店会、大学、マンション協会などの関連団体と連携し、協働による活動を実施することで大きなハード整備などの実現にもつながっています。
http://www.geocities.jp/mizubeland/

法吉地区の「災害時における地域での助け合い」 〈島根県松江市〉

島根県松江市の北部に位置する法吉地区は、地域住民同士のさらなるつながり強化を目的に、平成18年度より地区社会福祉協議会と公民館を中心に地域住民が一体となり、「災害時における要援護者の地域支援体制づくり」に取り組んでいます。災害要援護者を「おねがい会員」支援者を「まかせて会員」として登録する制度をつくり、災害時における安否確認や避難誘導はもとより平常時の見守りも行うなど要援護者への支援を実施しています。「おねがい会員」1人につき「まかせて会員」を複数人選ぶほか、「まかせて会員」向けの活動マニュアル作成や研修会などを実施することにより、支援者側の負担軽減を行っています。地区内の要援護者の動静については、自主防災組織・自治会・民生委員・福祉推進員などの代表が定期的に情報交換を行い、「おねがい会員」の登録更新や「まかせて会員」との調整を行っています。

下陰(しもかげ)区自主防災会ネットワーク 〈兵庫県豊岡市〉

兵庫県豊岡市下陰区は、平成16年の大水害被災の経験から「災害時人材ネットワーク登録制度」を立ち上げ、電気・土木工事関連、アマチュア無線をはじめ、炊き出しや掃除などといった、災害時に役立つ特技を登録し、防災訓練時にはその登録者の特技の確認を行っています。また、毎年区民参加の普通救命講習会やDIG(災害図上訓練)、地震・水害を想定した防災訓練を実施することで、災害時に身につけておくべき知識や技能を学び、災害対応におけるノウハウを蓄積しています。子ども達とのコラボレーションや研修会・講習会などを通して、次世代のリーダーを積極的に育成し、まちづくり、防災活動の環境づくりを地区をあげて推進しています。

半田(はんだ)地区 〈福島県桑折町〉

福島市に隣接する桑折町の約半分を占める半田地区は、起こり得る災害に対応するだけでなく、策定後も訓練などを行いながら住民が継続的に改善していけるような仕組みを入れ込んだ地区防災計画の策定を目指しています。また、約3割が高齢者の住民のため、災害時に高齢者や介助の必要な人を守るという内容が盛り込まれているのが特徴です。

長沼地区 〈長野県長野市〉

千曲川と浅川に挟まれた長沼地区は、昭和58年の千曲川大増水を期に、有事の際には万全の防災体制が築けるよう、翌年から毎年、地区の防災訓練を実施しています。平成25年度から防災マップ作成の検討を始め、平成26年度には、長沼地区防災計画策定委員会を設置し、地区防災計画策定と避難ルールブック作成を行ないました。
平成27年度には、避難ルールブックと防災マップを全戸配布し、それに基づいて、地区防災訓練内容の充実を図り、住民の安全確保に積極的に取り組んでいます。

笈ヶ島(おいがしま)地区 〈新潟県燕市〉

笈ヶ島自治会は大河津分水路の下流域に位置し、西に西川、東南に信濃川が流れています。近年は大きな水害はないものの、豪雨時には大河津分水路・信濃川が溢水(いっすい)ぎりぎりの水位まで達しました。また、自治会を国道が分断しているため住民一体となった避難行動に課題もあります。これらを解決するために、自主防災会長が、市主催の防災リーダー養成講座を受講したり、隣接地区の企業施設と避難時利用の協議を開始したり、自治会役員と若手消防団員が一緒にこれまでの大雨時の災害状況を落とし込んだ地図を作成、配布を計画したりするなど、防災意識向上に取り組んでいます。今後は、防災活動に住民や学校、企業が一体となって取り組むことで関係性を築き、地域の活性化を目指していきます。

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豪雪

21世紀スノーバスターズプロジェクト 〈岩手県〉

岩手県では、自分では除雪が困難な高齢者世帯などを訪問して、人力で除雪の支援を行う「スノーバスターズ」が11市町村の15地区で活動しています。(平成27年2月現在)毎年12月から3月まで、主に週末の土日に、中高生や地域住民などが除雪と安否確認を兼ねて巡回しています。
最近は、土日まで除雪を待てない位、まとまった雪が降ったときは、社会福祉協議会が用意した除雪機で迅速に雪を払う「ハイパーバスターズ」も登場し、雪国の安全安心の確保に貢献しています。

谷スノーレンジャー 〈島根県飯南町〉

島根県飯南町谷地区では、ボランティアで除雪支援を行う「スノーレンジャー」を結成しています。地区内の要除雪支援世帯など(主に高齢者世帯)の敷地内の通路や家屋周辺などの除雪支援、緊急時の生活道路の確保を実施しています。除雪活動自体は誰でも利用可能であり、社会福祉協議会の助成金を元手に購入した除雪機の燃料費と維持費の実費分(1時間1500円、以降30分ごとに500円)を支払う仕組みとなっています。

湯原地区雪害防止対策本部 〈宮城県七ヶ宿町〉

宮城県七ヶ宿町湯原地区では、高齢化により自力での除雪が不可能な世帯の増加や平成18年の豪雪による全国での雪に関する事故増加に伴い、自治会、消防団、除雪ボランティア団体で組織された「湯原地区雪害防止対策本部」を設置し、「絶対に地区内から事故を出さない出させない」をスローガンに除雪活動(有償)を実施しています。同本部が地区住民の除雪依頼の窓口として主に作業員の派遣機能などを担い、屋根の雪下ろし、軒下の雪片付け、幹線道路までの除排雪など、重機を使用し効率的な除雪を行い、作業を委託する世帯は1000円/30分(80歳以上世帯は半額)を負担していますが、重機などの燃料費は自治会特別会計等からの拠出した基金から支払われています。

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