Home > Highlighting JAPAN > Highlighting JAPAN 2010年7月号 > 相撲界で活躍する外国人力士(仮訳)

Highlighting JAPAN

前へ次へ

特集人的交流の推進に向けて

相撲界で活躍する外国人力士(仮訳)

English

午前8時、東京都大田区の閑静な住宅にある相撲部屋「尾上部屋」では朝稽古が始まっていた。8人の力士が、掛け声に合わせて、四股とよばれる左右の足を交互に高く上げる稽古を行っている。力士の足音、荒い息が稽古場に響く。

師匠の尾上親方は、弟子達の動きをじっと見つめている。

力士の中に一人、青い眼の白人の力士がいる。ヨーロッパのバルト海に面するエストニア出身の把瑠都(本名、ガイド・ホーベルソン)だ。

把瑠都は2004年、エストニアでの相撲大会を見学していた日本人の相撲関係者にスカウトされ19歳の時に来日、大相撲の力士になった。そして、今年3月、相撲界で横綱に次ぐ地位である大関まで昇進した。

「絶対負けないという強い気持ちがあったらからこそ、大関になれたと思います」と把瑠都は言う。「もちろん、一人の力だけではありません。師匠やおかみさん、たくさんの人に助けてもらったおかげです」

基本的に力士は結婚するまで相撲部屋で共同生活を行う。そうした力士にとって、部屋の師匠は「父親」であり、師匠の妻は「母親」のような存在だ。

「来日した把瑠都と初めて食事をした時、ナイフとフォークを勧めたのに、一生懸命、箸を使って食べようとしていた姿が今でも印象に残っています」と尾上部屋のおかみ、濱洲いづみさんは言う。「そうやって日本の生活に慣れようとする気持ちのあるしっかりした人だなと思いました」

濱洲さんは、エストニアの文化や歴史を尋ねるなど、積極的に把瑠都とのコミュニケーションに務めた。それと同時に、相撲取りとしてのマナーや習慣、日常における生活態度といったことを厳しく教えた。

「ただ単に相撲が強いだけで人ではなく、人間的に立派な人にとなってほしいのです」と濱洲さんは言う。「将来は、エストニアが必要とする人になってくれればとても嬉しいです」

前へ次へ