Home > Highlighting JAPAN > Highlighting JAPAN 2010年7月号 > 新たな在留管理制度(仮訳)
2009年7月、出入国管理法を改正する法律が国会で成立し、公布された。改正入管法のポイントをジャパンジャーナルの澤地治が、法務大臣の私的懇談会「出入国管理政策懇談会」の下にある「在留管理専門部会」の部会長として、改正法の土台となる提案書の作成に関わっていた多賀谷一照千葉大学教授に聞く。
いずれの国においても、外国人の出入国や在留を管理する法律や制度が存在する。日本では、主に出入国管理法(以下、入管法)と外国人登録法(以下、外登法)という二つの法律に基づき、外国人出入国・在留管理が行われてきた。2009年7月、この入管法及び外登法が大幅に改正され、順次施行が始まっている。
労働者としての法的保護
研修・技能実習制度の見直しは、2010年7月から施行されている。研修・技能実習制度は、日本の技術や知識を開発途上国の人々に伝え、それぞれの国の経済発展を担う人材を育てることを目的とした制度だ。「これまでは、研修生・技能実習生は、あくまで学ぶことが来日の主目的とされていたため、『研修』という資格で在留していました。この資格の場合、雇用契約に基づいて働かせなければならないという定めがありません」と多賀谷教授は言う。実際、一部の受け入れ機関では単純労働に従事するにとどまり、技能や知識の習得につながらないケースも見受けられた。「そうした弊害を無くすために、今回の改正法では、実務研修を伴う研修や技能実習を行う人には『技能実習』という在留資格を与えることになりました。これにより受け入れ機関は、入国当初から労働基準法や最低賃金法を守る義務が生じます」
留学生の利便性向上に向けて
また、同じく2010年7月から在留資格「留学」と「就学」の一本化がなされた。これまで高校や日本語学校で学ぶほとんどの外国人学生には「就学」、大学で学ぶ外国人学生には「留学」という在留資格を与えていたが、今回この2つを「留学」に一本化することにより、進学の際の在留資格変更手続きの負担が無くなった。
また2012年7月からは「留学」の場合の在留期限の上限が、現在の2年3ヶ月から延長される。これにより留学生は学校在学中に、在留期間延長の手続きが不要になる。なお、昨年4月から、在留状況に問題がなく,就職活動を継続するに当たって大学等の推薦がある場合には,留学生の卒業後の就職活動期間について最長180日から1年に延長されるなどの措置もすでに行われている。政府は2020年までに留学生30万人の受け入れを目指す「留学生30万人計画」を掲げているが、このように留学生の利便を向上させる法的な整備も進みつつある。
在留管理の一元化
今回の改正の大きな変更点が2012年7月に導入される新たな在留管理制度だ。現在、日本に中長期滞在する外国人が入国した場合、入国時の情報は入管法に基づいて国の機関である入国管理官署が、入国後の情報は外登法に基づいて市町村が管理している。しかし近年、居住地の転居なども増え、市町村が外国人の情報を把握することが困難になってきた。また、日本人と外国人の結婚も増加しているが、日本人は住民基本台帳法(以下、住基法)に基づく登録システム、外国人は外登法に基づく登録システムという、異なる制度で登録されているため、国際結婚した世帯を一つの世帯として把握できない。その結果、国民健康保険など一つの世帯ごとに行われる行政サービスの提供に支障が生じてきた。
新たな在留管理制度では、外国人登録法が廃止され国が在留情報を一元的に管理することになる。市町村は、外国人の今日中情報の届け出を受けて、これを国に通知する。
あわせて、住民基本台帳法も改正され、日本人同様に外国人も住民基本台帳に登録されることになった。これにより、行政サービスを受けるための事務手続きが簡素化され、国民健康保険や児童手当など、在留外国人が日本人と遜色ない行政サービスを受けられる体制確立が期待されている。
「日本はこれから、より多くの外国人を受け入れるという方針です。適法に入国した外国人を放っておくのではなく、住民として integrate するために今回、入管法は改正されたのです」と多賀谷教授は言う。
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