Home > Highlighting JAPAN > Highlighting JAPAN 2010年10月号 > 現代における教育(仮訳)
21世紀に入り、大量の人、物、資本、情報が国境を越え移動し、世界的規模の相互依存と社会の国際化が一層進んでいる。そのような中で、日本がどのような教育を進めるのかを、初等中等教育を中心に、ジャパンジャーナルの澤地治が德久治彦文部科学省初等中等教育局担当大臣官房審議官に聞く。
──国際化が進む中、日本でどのような人材教育が必要とお考えでしょうか。
德久治彦大臣官房審議官:21世紀は、新しい知識、情報、技術が社会のあらゆる分野において重要性を増す「知識基盤社会」の時代といわれています。知識基盤社会では、競争も激しく、技術革新も速くなるため、創造性にあふれた人材、あるいは付加価値を生み出す人材が求められるようになります。また、国際化が進むことで、異なる文化と共生できる人材の必要性もさらに高くなります。
このような時代においては、子ども達には、自分とは異なる文化や国籍を持つ人々理解し尊重する能力、自らの考えや意見を自ら発信し、具体的に行動できる能力が欠かせません。
こうした観点に立ち、日本では初等中等教育における学習活動の充実を図ってまいります。2年前に改訂された学習指導要領(文部科学省が学校で教える内容を定めたもの)では、言語活動を充実することとしました。具体的には、例えば、国語、社会、外国語などの授業において、与えられたテーマについてスピーチを行い積極的に自分の意見を言う、あるいは、あるテーマについて賛成・反対に分かれて生徒同士が意見交換する機会を増やすことが盛り込まれています。また、2011年度から小学校で外国語活動が必修となります。外国語を学ぶことで、単に外国人とコミュニケーションがとれるようになるだけではなく、日本とは異なる習慣や生活などを知り、異文化に対する理解も深まります。
──6月に閣議決定された新成長戦略では、人材育成はどのように位置づけられていますか。
新成長戦略では、「強い人材」つまり、将来にわたって付加価値を創出し、持続可能な成長を担う若年層や知的創造性の育成は「成長の原動力」であるとしています。そして、そうした「強い人材」を育成するために、初等中等教育においては、3つの実施事項を挙げています。第一は、教育内容の充実です。課題発見・解決能力、論理的思考力、コミュニケーション能力の育成に力を入れた教育を充実します。第二は、教員の教育力向上です。教員の養成、採用、研修を抜本的に見直します。また、教員や専門・支援スタッフを充実します。第三は学校運営の質の向上です。保護者や地域住民アが学校の運営に参加する、地域に開かれた特色ある学校づくりを行います。
──教育内容の充実のために、具体的にどのようなことが行われるのでしょうか。
外国語教育に加えて、理数教育、情報教育、キャリア教育・職業教育に力を入れます。例えば、情報教育については、情報通信技術を活用し、子ども一人一人の能力や特性に応じた学びを構築し、子ども同士が教え学び合う学びのイノベーションを実現すること、あるいは、単に情報機器が使えるだけではなく、情報を集め、整理し、発信できる能力である「情報リテラシー」を強化していきたいと思います。
また、キャリア教育・職業教育については、子どもが実際の仕事を知る、体験する機会を増やします。小学校では、自分達が住む地域にどのような店があるかを調べ、その店の経営者に話を聞くといった授業や、中学校では、例えば、店で一週間働くといった職業体験をより一層推進します。高校では、インターンシップの導入を後押しします。
──日本の人材育成が、どのような国際貢献につながるとお考えでしょうか。
ビジネスの国際展開や科学技術の研究開発において、国家間の競争が激しさを増す中、日本が国際競争力を維持するためにも、国際社会で通用する人材は不可欠です。ただ、そうした自国の経済発展のみを目指す人材ではなく、国際化が進んだ社会において、地球市民として活躍できる人材の育成が求められています。特に、世界は地球温暖化、国際紛争など国境を越えた様々な問題を抱えています。国際社会の一員として、こうした人類共通の課題の解決に貢献できる人材の育成は日本の責任と言えます。現在、日本が進めている初等中等教育の改革が、将来、国際機関や国際的なNGOで働く日本人、あるいは環境問題を解決できるような科学技術を創造する日本人を数多く輩出することにつながると考えております。
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