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特集森林の利用と再生

伊勢神宮の式年遷宮(仮訳)

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三重県の伊勢神宮を訪ねた人は、鳥居をくぐり、境内に足を踏み入れた途端、まわりの空気が一変することに気付くはずだ。あたり一帯を覆い尽くす豊かな森が穏やかな空間を生み出しているのだ。

この豊かな森とともに、伊勢神宮では2000年以上にわたって様々な祭事が執り行われてきた。その数多くの祭事のうち、最も重要とされるのが20年に一度の式年遷宮である。神の宿る社殿をはじめ、鳥居や垣根、倉など木造建築物や宝物がまったく同じ形で新たに作り直され、御神体は新しい社殿へと遷される。第1回の式年遷宮が行われたのは約1300年前のことである。途中、戦乱などによる中断や延期はあったものの、ほぼ絶えることなく続けられ、2013年には第62回を迎えることになる。

「式年遷宮の目的は、神様に新しく、みずみずしい社殿の中に鎮まっていただき、社会そのものも若く、力強くあり続けていくことを願うことです。石で堅牢な建物を作るのではなく、朽ちやすい木と草でできた建物を繰り返し作り直す……。繰り返すことにより永遠につづく、ともいえるでしょう」と神宮司廳の広報室次長を務める河合真如氏は言う。

そもそも日本人は稲作を中心とする農耕民族である。春に種を蒔き、秋に刈り取るという生活のサイクルは、自然のサイクルと切り離せないもので、毎年同じ季節に、同じ仕事を繰り返すことで食を確保してきた。そして、こうした生活を維持していく上で、ないがしろにできないのが森の存在である。

「山の森が清らかな川の流れを生みだし、それが田畑を潤してくれる。また、海へと流れ込んだ川の水は、太陽に熱せられて水蒸気となり、再び森に降り注ぐ……。こうした自然の循環を古代の人々は本能的にわかっていたのでしょうね。日本の神社神道は、ある意味、宗教というよりはこの国の生活文化そのものなのですよ」と河合氏は言う。

伊勢神宮には営林部という部門があり、周辺の山々では将来の式年遷宮で必要となるヒノキの木が大切に育てられている。また、古い社殿などを解体することで生じた木材は、伊勢神宮内の鳥居に再利用されたり、全国各地の神社に分配され、神聖な建築資材として使われている。

2011年は、国際森林年を迎える。今月号は、日本の、過去から現在へ、そして、現在から未来へと受け継がれている、森林の再生と再利用という知恵を特集する。

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