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Highlighting JAPAN

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特集復興する日本で出会った人々

復興する日本で出会った人々(仮訳)

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東北の秋田県秋田市郊外にある国際教養大学(AIU)は、緑豊かなキャンパスだ。木々に囲まれたベンチで一人、本を読む学生もいれば、広々とした芝生で寝ころびながら友人と語り合う学生もいる。やや大きめのベンチでは、20名程の学生が集まって授業も行われている。

AIUは2004年の設立以来、積極的に留学生を受けている。

「AIUの学生であることは、素晴らしいですよ。というのも、私は今や、世界中の友人を持つことができたからです」と、4月にアメリカのコロラド大学からきた留学生、Benjamin Bowersさんは言う。「日本で出来る限り多くの人と会いたいです」

Bowersさんは来日以来、既に3回、AIUの学生とともにボランティアとして、3月11日に発生した東日本大震災で深刻な被害を受けた宮城県気仙沼市、岩手県宮古市などの被災地を訪れ、道路の側溝や家屋の中のドロや瓦礫の除去を行った。

「大変な作業でした」とBowersさんは言う。「私が掃除をした家の夫婦からは、家を去るときに、英語で“ありがとう”と言われ、何度もお辞儀をされました。役立つことが出来て、本当に嬉しかったです」

日本の学校は通常、4月から新しい学期が始まる。東日本大震災は、その直前に発生したため、来日を予定していた留学生やその家族の多くは、不安を感じた。秋田県は東日本大震災による直接的な被害はなかったが、AIUは留学生の不安を解消するために、HPやメールなどを通じた情報発信、留学生からの問い合わせへ対応を行っている。

「福島第一原子力発電所からの放射能を皆、心配していました。しかし、AIUのウェブサイトは、毎日の放射線量が発表されている他のサイトへのリンクが載っていました」と、同じく4月にコロラド大学からきた留学生、Candace Graueさんは言う。「こうした情報を両親に見せることで、私が日本に来ることについて、両親を説得することができました」

Graueさんは、来日以来、学校内外のイベントへ積極的に参加し、多くの日本人と交流を深めている。秋田の中学校で、英語も教えている。

「英語を教えることは本当に面白いです。数年の間、日本で英語を教えるかもしれません」とGraueさんは言う。「私はボーイフレンドとここに来ましたが、私たちが結婚したときは、ハネムーンで日本を訪れることを既に決めています!」

東日本大震災の直後には、日本や被災地近くを離れた留学生も、それぞれの学校に戻ってきている。文部科学省によれば、5月20日時点、全国の大学135校を調査したところ、96%の留学生が通学圏内にいることが分かった。

今月号の特集記事は、東日本大震災の後も日本国内に暮らす、または新しく訪れた外国人の声とともに、日常生活を取り戻す日本の姿を紹介する。

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