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Highlighting JAPAN

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連載 47の物語

鳥取

山陰の美しい海岸線を旅する(仮訳)




海風が吹き始めると、海岸線から立ち上がる広大な砂山の表面に新しい模様が形成される。だが、ここはハワイでもオーストラリアでも中東でもない。この微妙に形の変わる光景は西日本の鳥取県にあるのだ。東西に16キロメートルにわたって広がる海岸砂丘群は鳥取砂丘と呼ばれるこの国で最大のものである。あなたが砂上の散歩に飽き足らないのであれば、ラクダに乗ったり、サンドボードを使って転がりながら滑り降りたり、パラグライダーでこの景色の上を滑空したりするアクティビティが用意されている。

砂丘周辺の天候は予測が難しいこともあるが、近くにある「砂の美術館」はどんな天候でも訪れる価値がある。世界中から来た芸術家が協力し、堂々たる彫刻を砂と水だけを使って二週間で集中的に作り上げる。この美術館はテーマを毎年変えており、見学者に対して常に新しい印象を与え続けている。

鳥取の東部を離れる前に、近くの浦富海岸で小さな遊覧船に40分程乗って、強風が作り上げた日本海の美しい景色を見てみよう。船は松林に囲まれた白い砂浜を巡り、風は小さな多島海に浮かぶ島々の間の澄んだきらめく海域を吹き渡る。

鳥取の中央部に向かうと、すべての漫画ファンの訪問先として欠かせない「青山剛昌ふるさと館」が北栄町にある。青山氏は名探偵コナン (Case Closedとしても知られている)シリーズの漫画作者である。彼の出身地にあるこの美術館の訪問者は彼の作品を知り、また探偵の仕事で使われるトリックを学ぶことも可能な体験型展示に参加することができる。作者自身がこの美術館に現れることもあるが、これはファンにとっては大きな楽しみである。

熱狂的な漫画ファンが夢中になる場所がもうひとつ鳥取の西端にある。境港市は、漫画『ゲゲゲの鬼太郎』の作者として良く知られる漫画家水木しげるの出身地である。この人気シリーズには、日本の民話を題材とした恐ろしいというよりはむしろ可愛いと言うべき非常に奇妙な妖怪が登場し、このためあらゆる年代の日本人に愛されている。

水木しげるロードでは様々な妖怪を表現した銅像が150以上も立ち並び、道路標識や街灯、さらにはこの地域のタクシーにまで漫画のキャラクターが使われている。この道路はJR境港駅から始まり、この漫画家の詳しい伝記を展示するとともに日本の神話に登場する怪物を一堂に紹介している水木しげる記念館まで、800メートルにわたって延びている。

境港の大きな漁港は、日本海で獲れる新鮮な海産物を手頃な値段で堪能できる最適の場所だ。冬季には鳥取の漁師たちは、この国で最大の蟹漁網を引く。身の締まった味わい深い松葉蟹を捕るためだ。この蟹の美味しさは日本屈指と評されている。旬の時期には、JR境港駅などにある回転寿司のメニューに松葉蟹を見つけことができるし、鳥取市にある有名な海鮮産物市場「かろいち」では一匹まるごとの松葉蟹も手に入る。

この県の主要な三つの地域を訪問することは車がないと効率よく回れないかも知れないが、とても便利な方法がある。県では年中無休の旅行者向けタクシーサービスを提供しており、海外からの旅行者は鳥取駅で乗車して、3時間以内に到着する目的地であれば好きな場所に千円の料金で行くことができる。

地元の新鮮な食材を賞味し、面白い漫画キャラクターに出会い、砂丘、海岸、温泉、山々など昔のままの様々な自然を訪れることができる素晴らしい旅行体験ができるのだ。 鳥取県の訪問を是非検討するべきである。

 



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