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平成19年6月掲載

 


「熱中症保健指導マニュアル」で予防法を知りましょう

6月に入り、暑い日が多くなってきました。こんなときに気をつけなくてはならないのは熱中症です。熱中症による死亡事故は毎年発生しています。しかし、熱 中症は気をつけていれば十分に防ぐことができます。環境省は、熱中症の予防法、保健指導のあり方などを分かりやすくまとめた「熱中症保健指導マニュアル」 を発行し、注意を呼びかけています。

 

熱中症による死亡事故は毎年発生

暑い日差しの中で、めまいや立ちくらみがしたり、こむら返り(筋肉の硬直)が起こったりした経験はありませんか。もしそのような症状が出たら、まず熱中症を疑ってみましょう。

熱中症は、暑い中で仕事や運動をしている際に、周りの温度に体が対応することができず、体内の温度調節機構のバランスが崩れたり、全身の臓器の機能不全が 起こったりする体の不調です。症状が進むと、意識がもうろうとして、最悪の場合は死に至ることもあります。下記のグラフからも分かるとおり、毎年、熱中症 により亡くなる方がいます。

 

年次男女別熱中症死亡者数(1968年〜2004年)

気温は大阪の最高気温

提供:京都女子大学教授 中井誠一氏 「熱中症保健指導マニュアル」より

資料提供:環境省

 

「ちょっと気もちが悪い」は熱中症の危険信号

熱中症は、最初、めまいや失神、こむら返り、ふいてもふいても汗が出てくるなどの症状として現れます。病状が進むと、頭痛、吐き気がしてきたり、体 がだるくなったりします。しかし、多くの人は、それが熱中症であることに気がつかず、「ちょっと体調が悪い」程度にしか思いません。そのため、ほうってお くうちに症状が進み、突然、意識障害、運動障害など最悪の事態に至ります。

暑い環境の中で、めまいや頭痛や吐き気などがしてきたら、まず自分が熱中症であることを疑いましょう。すぐに休んで、体を冷やし、水分や塩分を補給することが大切です。スポーツドリンクを飲むことも効果的です。

「熱中症保健指導マニュアル」では、その症状を熱中症の重症度に応じて以下の3分類に区分しています。

 

重症度 症状
I度 めまい・失神
「立ちくらみ」という状態で、脳への血流が瞬間的に不十分になったことを示し、“熱失神”と呼ぶこともあります。

筋肉痛・筋肉の硬直

筋肉の「こむら返り」のことで、その部分の痛みを伴います。発汗に伴う塩分(ナトリウムなど)の欠乏により生じます。これを“熱痙攣(けいれん)”と呼ぶこともあります。

大量の発汗
II度 頭痛・気分の不快・吐き気・
嘔吐(おうと)・倦怠(けんたい)感・虚脱感

体がぐったりする、力が入らないなどがあり、従来“熱疲労”といわれていた状態です。
III度 意識障害・痙攣(けいれん)・手足の運動障害
呼びかけや刺激への反応がおかしい、体にガクガクとひきつけがある、まっすぐに走れない・歩けないなど

高体温
体に触ると熱いという感触です。従来 “熱射病”や“重度の日射病”といわれていたものがこれにあたります。

 

熱中症は予防が大切

熱中症は、適切な予防法を知っていれば、十分に防ぐことができます。

私たちの体は、血管を広げて外気に体内の熱を放射したり、汗をかいて蒸発させたりして体温を低下させ、体温の異常な上昇を防ぎます。しかし、外気の気温が高いと体内の熱を放射させることができず、また、湿度が高いと汗が蒸発しないため、熱中症になりやすくなります。

熱中症を予防するためには、何よりも暑さを避け、部屋は風通しを良くし、また水分を十分に補給するなど、日ごろから気をつけること大切です。

 

「熱中症保健指導マニュアル」より  資料提供:環境省

 

「熱中症保健指導マニュアル」では、熱中症を予防するための日常生活での注意事項として、以下のポイントを掲げています。

 

(1)暑さを避けましょう

日陰を選んで歩いたり、帽子をかぶったりするなど暑さを避けるように心がけましょう。

(2)服装にも工夫しましょう

通気性の良い、汗を吸収してくれる素材の服や下着を着るなど、服装にも工夫しましょう。

(3)こまめに水分を補給しましょう

暑い日には、活動レベルにもかかわらずこまめに水分補給に努めましょう。のどが乾く前に水分補給をすることが大切です。また、汗をたくさんかく場合には、塩分の補給が必要です。0.2%程度の食塩水(1Lの水に2gの食塩)が適当です。

(4)急に暑くなる日に注意しましょう

急に暑くなると、人は上手に発汗できずに熱中症を起こしやすくなります。急に暑くなった日は、暑さになれるまでの間に熱中症を起こさないように注意しましょう。

(5)個人の条件を考慮しましょう

熱中症は健康な人でも起こります。前の晩に深酒をした人や朝食を抜いた人は熱中症を起こしやすいので、体調が回復するまではその日の活動を控えましょう。

(6)集団活動の場ではお互いに配慮しましょう

熱中症の予防には、個人の努力とともに、集団で活動する場合にはお互いの配慮や注意も必要です。集団で活動する場合には、暑い場所での作業や運動はなるべく短時間で済ませるよう、お互いに配慮しましょう。

 

気温の変化の大きい梅雨の季節は熱中症に注意

熱中症は、毎年7月、8月に多く発生します。しかし、熱中症に注意しなくてはならないのは、夏の暑い日に限りません。

梅雨の合間や、梅雨明けの蒸し暑い日など、気温が急に上昇した日には、体が暑さに慣れていないため、体温の調節機構のバランスが崩れ、やはり熱中症になりやすくなります。

そのような意味で、梅雨どきの6月は熱中症の要注意シーズンといえます。「熱中症保健指導マニュアル」は環境省ホームページに掲載されています。今のうちから熱中症の予防を心がけ、楽しく安全な夏を迎えましょう。

 

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