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平成19年7月掲載

 


バス事故の約3割が車内で起きている

3,833件――これは、平成17年に全国で起きたバスの交通事故発生件数です。このうち約3割に当たる1,231件が、車内での事故でした。7月は「バス車内事故防止キャンペーン月間」です。バスの車内事故の特徴と、事故を防ぐポイントを紹介します。

 

「発進」のときの車内事故は「急停止」の倍以上

平成17年のバスの車内事故は1,231件。このうち乗合バス(路線バス)での車内事故が1,147件でした。事故原因のトップに「急停止」を考える方が 多いと思いますが、実際は「発進」での車内事故が最も多いのが現状です。乗合バスの事故件数のうち435件が「発進」によるもので、全体の37.9%を占 めています。「急停止」による事故が188件(16.4%)ですから、「発進」による車内事故は「急停止」の倍以上となっています。

 

バスの車内事故発生件数(行動類型別) 平成13〜17年

画像をクリックすると別ウィンドウで拡大画像を表示します

資料提供:国土交通省

 

事故は、乗客が椅子(いす)に座る前や、つり革や手すりにつかまる前にバスが発進したために床に転倒したり、手すりなどに体をぶつけたりするケースが少な くありません。また、一度は椅子に座ったけれど、バスが赤信号を待つために一時停止している間などに降車口に近い椅子に移動しようとして立ち上がったとき に、バスが「発進」して転倒し、けがをすることもあります。

 

車内事故に遭った方の過半数が65歳以上の高齢者

車内事故に遭った負傷者を年齢層別でみると、70〜74歳が224人と最も多くなっています。また、65歳以上が771人(55.5%)と高齢者が 過半数を占めています。さらに、重傷事故に限定すると、バス車内事故の重傷者154人のうち、65歳以上が119人で、全体の77.3%でした。

事故に遭ったときに負傷したり、重傷を負ったりする体の部位は、頭、首、腰、腕、足が多いのが特徴です。車内でぶつかった部分は、そのほとんどが床や乗降 ステップだと考えられています。停留所からバスが発進するときに体を支えられずに床などに転倒してけがをしているケースが目立ちます。また、バスが停留所 から本線に合流するために、方向指示器を出して待機している間に、高齢者が席を移動し、その間にバスが発進して移動中の高齢者が転倒するという事故もみら れます。

高齢者は降車に時間がかかるため、周囲に迷惑をかけてはいけないと思い、バス停に到着するよりも数秒早く立ち上がり、バランスを崩して倒れたり、手すりにぶつかったりするケースもあります。

 

車内事故を減らすには、思いやりの心をもつことが必要

バスの車内事故を減らすためには、車内の乗客・乗員全員が、ゆとりをもって車を乗り降りできる思いやりの心をもつことが必要です。このほか、運転手 は乗客が席に着いてからバスを発進させたり、乗客はバスが完全に停車してから席を立ち降車口に向かいバスを降りたりすることを徹底することで、車内事故は 減少させることができると考えられます。

また、バスの運転手が急ブレーキや急ハンドルをしなくてすむように、本線を走っているほかの運転手はバスに対して無理な追い越しや割り込みをやめるなど、バス走行優先のルールの確立が必要です。

最後に、バスの車内事故を防ぐポイントをお知らせします。

 

バスの車内事故を防ぐポイント

(乗客)

  • バスに乗ったら発進前に椅子に座ったり、つり革や手すりにつかまったりする。
  • 走行中は席を立たない。バスが完全に停止してから降車口に向かう。

(運転手)

  • 運転手は、乗客が椅子に座るか、つり革や手すりにつかまらないうちにバスを発進させない。目視やバックミラーなどで、車内の様子を確認する。
  • 発進や停止をするときは、必ず乗客に注意を促すアナウンスをする。

7月は「バス車内事故防止キャンペーン月間」です。ゆとりをもった乗り降りと、ゆとりをもった運転が重点テーマです。

キャンペーン期間中は、バス事業者はポスターやステッカーを座席などの背面に貼(は)ったり、運転手がアナウンスをしたりすることで車内事故を 防ぐことに努めます。こうした動きが定着すれば、年間1,231件も発生するバスの車内事故も大きく減ると予想されます。皆様のご協力をお願いいたしま す。

 

「バス車内事故防止キャンペーン月間」のポスター

資料提供:社団法人日本バス協会

 

バスの車内事故の調査を行い
事故要因を分析して具体的な安全対策を提言

国は、平成11年度から「自動車運送事業に係る交通事故要因分析検討会」を開催しています。これは、バス、タクシー、トラックなどの事業用自動車の 事故について、その発生状況、運転者の状況、運行管理の状況、車両の状況などの情報を集め、事故要因を分析し、事故防止対策を検討するためです。

平成18年度は、これまで実施してきた「過去数年間の事業用自動車の事故の発生傾向の分析」、「事故事例の詳細調査」に加えて、「バスの車内事故を防止するための調査」を行いました。

今後も引き続き、事故要因を分析し、事業用自動車の事故を減らすための具体的な安全対策を提言するなど、公共交通の輸送に対する安全確保に努めていきます。

 

「お役立ち記事」では、国の行政施策の中から暮らしにかかわりの深いテーマ、暮らしに役立つ情報をピックアップし、分かりやすくまとめて提供しています。


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