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平成19年9月掲載

 


救急車の適正利用で、救える命を守ろう

近年、全国で救急車の出場件数が急増しています。救急車を要請した人の約半数は、入院の必要のない軽症者でした。実際、以前に比べ救急車が現場に到着する までの時間が長くなっており、このような状況では一分一秒を争う生命の危険にある傷病者への対応が遅れてしまう恐れがあります。


増える救急車の出場件数

急病や交通事故など医師の治療を受けなければ生命に危険が及び、迅速に搬送する適当な手段がない傷病者を、救急車は24時間いつでも安全に医療機関などへ搬送します。しかし、緊急事態にだれもが利用できる救急車の台数には、限りがあります 。

救急車の出場件数は年々増えています。平成17年中は約528万件で、10年前と比較し61%の増加です。国民の25〜26人に一人が、年に1回救急車を 呼んでいるという計算になります。それに比較し、救急隊の増加は10年間で約8%と、救急車の需要と供給のバランスが崩れているのです(表1参照)。

 

表1:救急隊員数と救急出場件数の推移

資料提供:消防庁

 

通常、119番の出場要請を受けると、現場を管轄する最寄りの救急隊が出場します。一つの管轄で要請が重なった場合には、遠方にある別の救急隊が出場する ことになり、現場への到着が遅れてしまいます。このように出場要請が増えたことに加え、交通渋滞も深刻化しています。その結果、119番を受けてから救急 車が現場に到着するまでの時間は全国平均で6.5分と、10年前に比べ0.5分延びています(表2参照)。

 

資料提供:消防庁

 

救急車で搬送された傷病者の約半数が軽症

しかし、平成17年中のデータでは、救急車で搬送された方の約52%は、入院の必要のない軽症者でした(表3参照)。

 

表3:平成17年救急自動車による傷病程度別搬送人員

資料提供:消防庁

 

東京消防庁により実施された消防に関する世論調査(平成18年)によると、救急車を呼んだ理由として、「自力で歩ける状態でなかった」 (52.0%)、「生命の危険があると思った」(28.8%)を挙げている方が多くを占めます。しかし中には、「夜間・休日で診察時間外だった」 (16.6%)、「どこの病院に行けばよいかわからなかった」(8.1%)、「救急車で病院に行ったほうが優先的に診てくれると思った」(4.1%)と いった救急車を呼ぶ理由として不適切な回答も少なからずありました。

「救急車に乗れば急患扱いで待たずに受診できる」という思い込み、「無料で病院を選んで運んでくれる」といった倫理観の欠如により、救急車を利 用している方がいるのです。このままでは、本当に迅速な救急救命処置、医療機関への搬送が必要な重症患者のもとへ救急車の到着が遅れ、助かる命を救えなく なる可能性があります。

 

救急車を呼ぼうか迷ったときには、よく考えましょう

救急車は、最善を尽くして、現場に迅速に到着しようと努力しています。これだけ多くの出動件数の中には、残念ながら、本当に救急車が必要であったの かと疑問に思う事例もあります。例えば、「風邪をひいたとき」「歯が痛むとき」「突き指をしたとき」「首を寝違えたとき」といった軽い症状の場合には、本 当に救急車を呼ぶ必要があるのかどうか考えてください。

また、緊急性がなく自分で病院に行ける場合や定期的な通院などでは、タクシー代わりに救急車を要請することは控え、一般の交通機関を利用しましょう。

 

札幌市消防局ポスター

(表)
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(裏)
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民間の患者等搬送事業者や病院情報提供サービスを活用しましょう

交通手段がない場合には、民間の患者等搬送事業者(いわゆる「民間救急車」)などを利用する方法があります。患者等搬送事業者は、転院や入退院時な ど緊急性のない患者などに対し、医療機関などへの搬送を有料で行う事業者で、各消防本部が認定しているものです。事業者ごとに利用料金が異なるので、直接 各社にお問い合わせください。

なお、東京都では、サポートCab(キャブ)といって、歩行が可能で緊急性がない患者の通院や受診などをサポートするタクシー事業者もあります。心臓マッ サージや人工呼吸などの救命手当の技能を持つ運転手が乗務しており、車内には人工呼吸用のマスクを備えています

さらに、「夜間・休日で診察時間外のため、どこの病院に診察行けばよいか分からない」場合には、お住まいの都道府県、市町村 などが行っている「病院情報提供サービス」や、市町村の広報紙およびホームページを活用し、受診できる医療機関の情報を得ましょう。最寄りの消防署、消防 分署、消防出張所で行っている「24時間医療機関案内」や、全国の「消防テレホンサービス」も利用してください。

本当に必要なときに、本当に必要な人が救急車を利用できるように、ご協力をお願いします。

 

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