郵政民営化が始まりました
平成19年10月1日、日本郵政公社が民営化され、日本郵政グループが誕生しました。郵便局の窓口では、以前と同じように「郵便」「貯金」「保険」のサービスを受けることができます。さらに、今後は、多様で質の高い新たなサービスの提供が期待されます。
さまざまなメリットのある郵政民営化
郵便、郵便貯金、簡易保険のいわゆる郵政3事業は、それぞれ明治4年、明治8年、大正5年の制度創設以来、国の事業として行われ、国民のニーズにこたえつつ、日本の経済や社会の発展を支える社会的基盤として重要な役割を果たしてきました。
しかし、近年では、郵便、郵便貯金、簡易保険のいずれの分野も、必ずしも国の事業でなければ提供できないサービスではなくなってきました。また、日本郵政 公社の業務範囲が郵便、郵便貯金、簡易保険に限られている状況では、環境の変化に柔軟に対応できません。経済活性化という観点からも、郵便局を通じて集め られた膨大な資金を「官」の分野から「民」の分野に流して有効に活用することが求められています。このため、郵政民営化が決定されました。
郵政民営化には、さまざまなメリットがあります。まず、政府や特殊法人などの公的部門に流れていた日本郵政公社の保有する資金が民間部門に流れ ることで、国民の貯蓄を経済の活性化につなげることが可能になります。また、約24万人の日本郵政公社の職員が国家公務員でなくなることにより、小さな政 府の実現に貢献します。さらに、民間企業としての経営の自由度拡大を通じ、事業の創造性や効率性が高まり、これまで以上に、顧客本意の良質で多様なサービ スの提供が柔軟に行われるようになるのです。
段階的に進む民営化
郵政民営化は段階的に進められていきます。
本年10月1日、日本郵政公社が解散し、政府が100%株式を保有する持株会社「日本郵政株式会社」と、その傘下の四つの事業会社(「郵便事業 株式会社」「郵便局株式会社」「株式会社ゆうちょ銀行(郵便貯金銀行)」「株式会社かんぽ生命保険(郵便保険会社)」)が日本郵政公社の業務などを引き継 ぎ、事業を開始しました。この時点では、四つの事業会社のすべての株式を日本郵政株式会社が保有しています。
今後、遅くとも平成29年9月30日までに、日本郵政株式会社が保有する株式会社ゆうちょ銀行と株式会社かんぽ生命保険の株式は完全に処分することが義務付けられています。その結果、両社に対する政府の間接出資がなくなり、完全な民営化が実現することになります。
ただし、それ以降も、郵便事業株式会社および郵便局株式会社の株式については、日本郵政株式会社が100%保有し、政府は、日本郵政株式会社の 株式の3分の1超を保有することとされています。これは、郵便事業株式会社による郵便のユニバーサルサービス(全国一律のサービス)の提供や、郵便局株式 会社による郵便窓口業務の提供といった政策目的に対応する措置です。
民営化までの三つのステップ
資料提供:内閣官房
郵便局の窓口で「郵便」「貯金」「保険」のサービスを提供
私たちがこれまで受けてきた「郵便」「貯金」「保険」などのサービスは、民営化により、どのように変わるのでしょうか。
1.郵便局のサービス
全国の郵便局ネットワークは、基本的に郵便局株式会社に属します。
郵便局株式会社は、郵便事業株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険から業務を受託して、これまでと同様、郵便・貯金・保険の 窓口サービスを郵便局で提供します。それに加えて、郵便局株式会社には、これまで日本郵政公社に課されていた業務の制限がなくなるため、創意工夫により、 多種多様な商品・サービスの提供などが可能となります。
また、郵便局の設置については、利用者の利便性を確保する必要があることから、「あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置」 することが法律で規定され、特に過疎地においては、民営化時に存在する郵便局ネットワークの水準が維持されることになっています。

2.郵便のサービス
郵便事業株式会社については、郵便のユニバーサルサービスの提供義務が課され、これまでと同様、全国一律の郵便サービスが継続されます。国内の通 常郵便(第1種(手紙)、第2種(葉書)、第3種(定期刊行物)、第4種(点字郵便など)郵便をいいます)および国際郵便については、引き続き郵便として 取り扱われます。
他方、今後はゆうパックなどの国内小包には郵便法を適用せず、貨物として取り扱われます。これは、郵便事業株式会社が貨物分野において宅配便業 者などの民間事業者と対等な競争条件で自由な事業展開を行うことを目的としています。さらに、郵便事業株式会社が、郵便の業務などの本来業務に支障を与え ない限りにおいて、政府による認可を受けることにより、国内外の物流をはじめとするさまざまなサービスを提供することが期待できます。
3.貯金・保険のサービス
株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険の金融2社については、銀行法または保険業法が適用され、他の銀行・生命保険会社と同様、的確なリス ク管理やディスクロージャー(情報開示)などを行うことが求められます。また、金融庁は、金融2社に対し、他の銀行・生命保険会社と同じ基準により、健全 経営確保と利用者保護に向けた厳格な検査監督を行います。
こうした枠組みのもとで、民営化後に預け入れられた預金および民営化前に預け入れられた通常郵便貯金や郵便振替口座の預金については、政府保証がなくなります。これらについては、他の銀行などの預金と同様、預金保険制度によって保護されます。

同じく、民営化後に結んだ保険契約についても、政府保証がなくなり、他の生命保険契約と同様、生命保険契約者保護制度により保護されます。
完全民営化への移行期間中、金融2社に対しては、郵便局において貯金・保険のサービスが引き続き提供されるよう、免許の付与に際して、それぞれ、郵便局株式会社と長期・安定的な代理店契約・保険募集委託契約があることが条件とされています。
金融2社の業務範囲は、民営化当初は民営化前の日本郵政公社と同一のものとされており、移行期間中にこの業務範囲を拡大するには、政府による認 可を得る必要があります。政府は、外部の有識者からなる郵政民営化委員会の意見を聴取し、適正な競争関係および金融2社の経営状況を考慮して認可すること となります。
このようにして、金融2社と他の銀行・生命保険会社との間では、対等な競争条件が確保されます。金融2社が自らの創意工夫により多様な金融サービスを提供するとともに、他の銀行・生命保険会社との間で公正かつ自由な競争が促進されることになるのです。
以上のように、郵政民営化により、多様で良質な金融サービスが提供され、国民の利便性が向上することが期待されます。
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