12月10日から改正遺失物法がスタートします
遺失物とは、いわゆる「落とし物」や「忘れ物」のこと。なかには、落とし物を拾ってもらって助かったり、拾って届けたりした方もいるのではないでしょうか。このたび、遺失物法が改正され、平成19年12月10日(月曜日)施行となります。改正のポイントを紹介します。
時代の変化に伴い遺失物を巡る状況も変化
明治32年(1899年)に制定された「遺失物法」は、100年以上続く法律です(昭和33年一部改正)。法律が制定されたころは、交通網もあまり 発達していなくて、人の移動なども限定されていました。このため、遺失物を拾った人は最寄りの警察署、交番・駐在所などに届け、落とした人はその周辺の警 察署などに遺失の届出をしました。
しかし、それから100年以上たった現代は、電車、バス、船、飛行機などさまざまな交通手段があり、全国にそれぞれの交通網が張り巡らされてい ます。近年、落とした場所、拾った場所、届けられた場所が違ったり、都道府県を越えて「移動」する遺失物も多くなったりしてきました。
平成18年中、全国の警察に届けられた拾得物(拾われた遺失物のことをいいます)は約1,222万点で、その数は年々増え続けています(表参照)。
表:拾得物(物品点数)の推移
資料提供:警察庁
遺失物法改正の六つのポイント
平成18年6月に改正遺失物法が公布され、平成19年12月10日(月曜日)から施行されます。六つのポイントを紹介します。
1. 保管期間が3か月になります
これまでは警察に拾得物が届けられた場合、落とし主を探したり、落とし主からの連絡を待ったりする保管期間は6か月でした。改正法が施行されてからは、その期間が3か月になります。
2. 拾得物の情報がインターネットで公表されます
各都道府県内での拾得物の情報が集約され、インターネットで住民に公表されます。このため自分で拾得物を探しやすくなります。また、高額な品物や個人情報を含む貴重な拾得物は、警察において「全国手配」がされます。
3. 個人情報が入った拾得物は所有権を取得できません
携帯電話やカード類などの個人情報が入った拾得物は、個人情報保護等の観点から保管期間の3か月以内に落とし主が見つからない場合でも拾った人に所有権が移りません。
4. 特例施設占有者制度が新設されます
特例施設占有者とは、鉄道、バス、船、航空機などの一定の公共交通機関の施設や都道府県公安委員会から指定を受けた施設の占有者をいいます。こうした事業 者は、施設内で落とし物や忘れ物を取り扱う機会が多く、拾得物を警察署へ届けるのは大変な実情にあります。今回の法改正で、このような施設占有者が、2週 間以内に拾得物に関する事項を警察に届け出たときは、その拾得物を自ら保管できるようになりました。
5. 大量で安い物件は2週間以内に落とし主が見つからない場合は売却できます
拾得物は、これまですべて一律に6か月間保管されていました。今回の法改正で、警察署長と特例施設占有者は、保管に費用や手数がかかる傘や衣類などの大量の安い物件などは、2週間以内に落とし主が見つからない場合に売却等の処分ができることになりました。
6. 動物愛護法による引取りの対象となる犬や猫は遺失物法の対象外となります
動物愛護法の規定による引取り対象となった「所有者の判明しない犬又はねこ」は、遺失物法が適用されないで都道府県等が引き取ることになります。
平成19年12月10日(月曜日)から施行される「改正遺失物法」の六つのポイントを紹介しました。
保管期間が短縮され、インターネットでも探せるようになり、「改正遺失物法」は時代に合った法律に生まれ変わりました。
落とし物や忘れ物をしたり、拾ったりしたら?
落とし物や忘れ物をした方へ
落とし物や忘れ物をしたと思う施設、最寄りの警察署、交番・駐在所に問い合わせましょう。また、警察署、交番・駐在所に行き、遺失の届出をしてください。
今回の法改正で、インターネットで拾得物の情報が公表されるようになりました。心当たりのある方は、各都道府県警察のホームページへアクセスしてください。取り扱われている拾得物に関する情報を見ることができ、落とし物や忘れ物を探すことができるようになりました。
落とし物や忘れ物を拾った方へ
駅構内や鉄道の車内、デパートやストアなどの施設で拾った場合は、その施設に届けましょう。それ以外の道路などで拾った場合は、警察署、交番・駐在所に届けてください。届け先や届けるまでの期限は、落とし物を拾った場所によって違います。
道で拾った場合は1週間以内、路上以外の駅構内やデパート内などの特定施設で拾ったときは24時間以内に届け出る必要があります。届け出れば、 拾った物件の時価の5〜20%を落とし主からお礼として受け取る権利、落とし主が分からない場合は3か月後に拾った物件を受け取る権利が生まれます。
また、「お礼はいりません、拾った物ももらわなくて結構です」という場合は、届け出るときに「権利放棄」をしてください。そうすると、お礼を受け取る権利や拾った物件を受け取る権利がなくなります。
発表!! 平成18年中に東京都で届けられた落とし物や忘れ物のトップ3
平成18年中に、警視庁には約232万件の落とし物や忘れ物の届出がありました。トップ3は、以下のとおりです。
- 第1位 傘 (約43万本)
- 第2位 衣類 (約31万枚)
- 第3位 財布類 (約20万個)
第1位の傘は、拾われた物全体に占める割合の20%を超えています。このほかに多い落とし物は、有価証券類、カード・証明書類などです。一方、遺失届で多いのが証明書類、財布類、携帯電話等です。
資料提供:警視庁
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