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平成20年2月掲載

 


後を絶たない「ネット上のいじめ問題」を防ぎ、子どもを守り育てる

学校裏サイトや携帯メールを利用したネット上のいじめが社会的な問題になっています。このような状況を踏まえ、国では、「子どもを守り育てる体制づくりのための有識者会議」を開催し、「ネット上のいじめ」対策のため、さまざまな取り組みを行っています。

 

広がるインターネットを利用したいじめ

インターネットや携帯電話の利用が急速に普及する中、ネット上のいじめにより、大人の知らないところで誹謗(ひぼう)中傷を受けるといった深刻な被害に遭う子どもが増え、社会問題になっています。

特に、各学校の公式サイトとは別に立ち上げられた「学校裏サイト」やプロフィール掲示板(プロフ)やブログなどのサイト上では、ターゲットとなる相手を誹謗中傷した書き込みや画像が掲示されたり、覚えのないうわさが立てられたりする、いわゆる「ネット上のいじめ」の被害が後を絶ちません。

平成18年度に、国公私立小・中・高・特殊教育諸学校を対象に行った「児童生徒の問題行動など生徒指導上の諸問題に関する調査」において、「ネット上のいじめ」に関する調査が初めて行われました。その結果、いじめの認知件数は、124,898件。そのうち、「パソコンや携帯電話などで、誹謗中傷や嫌なことをされる」のは、全体で4,883件報告されました。「ネット上のいじめ」は、子どもの年齢が上がるにつれ、被害者が増える傾向にあり、今後もその被害が深刻化する恐れがあります。

 

ネット上のいじめ問題に対する呼びかけを提案

国では、「ネットいじめ」問題への効果的な対応策を検討するため、池坊文部科学副大臣のもと、平成19年9月から「子どもを守り育てる体制つくりのための有識者会議」を再開しました。

「ネット上のいじめ」の実態や、携帯電話やインターネットの活用の実態などについて、各方面の専門家が審議・研究を行っています。

「子どもを守り育てる体制づくりのための有識者会議」では、ネット上のいじめ問題の解決に向けて、保護者などに対し、子どもを守り育てる体制づくりのため、四つの提案として「呼びかけ」を行うことになりました。

 

「ネット上のいじめ問題」に対する四つの呼びかけ

1.「利用の実態」に目を向けよう
  • 知ってますか? 〜子どもが利用できる携帯電話・ネットの中身を〜
  • 教えましたか? 〜携帯電話・ネットの危険性を〜

保護者は、携帯電話やインターネットに対し、情報収集に便利な道具であるという認識にとどまっている傾向があります。その結果、携帯電話やコンピュータなどを子どもに簡単に買い与え、さらにその利用の実態も十分に把握できていないのが実情ではないでしょうか。「ネット上のいじめ問題」に適切に対応するためにも、まず保護者として、子どもたちの携帯電話・インターネットの利用実態を把握していく必要があります。

 

2.「情報モラル」についてしっかり学ぼう
  • 約束しましたか? 〜携帯電話・ネットではしてはならないことを〜
  • 親子で学びましたか? 〜「情報モラル」について〜

学校・家庭・地域を含む社会全体で、「情報モラル教育」を推進し、子どもたちが今後のネット社会を自律的に「生きる力」をはぐくんでいく必要があります。家庭では、携帯電話やインターネットを利用する際のルールづくりなどを通じて、「情報モラル」について親子で一緒に学びましょう。また、子どもが使用する携帯電話には、契約時に、有害サイト閲覧を禁止する「フィルタリング機能」や「サブアドレス拒否機能」の設定をしましょう。

 

3.「チェック体制」を強化しよう
  • 聞いてみましたか? 〜お子さんが「ネット上のいじめ」で悩んでいないかを〜
  • 学校と連携して実践していますか? 〜携帯電話・ネットの間違った利用をチェックする活動を〜

特定の子どもに対する誹謗中傷が集中的に行われ、その被害も短期間で極めて深刻になるのが「ネット上のいじめ」の特徴です。早期発見、早期対応が重要ですが、いじめの実態を発見しにくいのが「ネット上のいじめ」の特徴でもあります。そのため、プロバイダなどによる自主的な取り組みの強化を求めていくとともに、学校・家庭・地域社会と関係機関などが十分連携してネット上の書き込みなどのチェック体制を強化していく必要があります。

例えば、石川県の野々市町では、小中学生に携帯電話を持たせない運動を町全体で取り組んでいます。また、PTAや地域の関係団体の協力を得ながら、日ごろから「ネット上のパトロール」を行っています。こうしたことも背景となり、平成15年に比べ、平成18年は、中学生による不良行為が低下しました。

 

4.「いじめられた子ども」を守り通そう
  • 学校と相談していますか? 〜携帯電話・ネットによるいじめにあったときにしなければいけないことを〜

万が一、インターネット上の掲示板など特定の子どもに対する誹謗中傷が書き込まれていることを発見した場合には、その後、短期間に被害が大きくなることも想定されるため、場合によっては警察などとも連携を図り、プロバイダなどへの書き込みの削除要請などの面で迅速な対応が求められます。このようなケースでは、被害に遭った子どもが書き込みに気付いてない場合も考えられるので、そうした点にも十分留意します。学校と家庭が十分連携しつつ、学校の内外において子どもに対する支援体制を整備・充実させるなど、被害に遭った子どもを大人が最後までしっかりと守り通す必要があります。

 

全国の小学生にネット上のモラルやマナーに関する冊子を配布

国では、ほかにも、さまざまな取り組みを行っています。

平成18年度には、全国の小学校6年生約120万人に『ちょっと待って、ケータイ』を配布しました。これは、携帯電話やインターネットで起きた事件例やその対処方法や、子どもに携帯電話を適切に使うためのモラルやマナー、利用のルールなどについてなどが書かれたリーフレットです。

また、ネット上のいじめだけに限らず、いじめ全般の悩みを相談できる『24時間いじめ相談ダイヤル』という窓口を設置しています。

さらに、平成18年4月から全国各地で、e-ネットキャラバン(e-ネット安心講座通信業界キャラバン)が、実施されています。これは、インターネットに触れる機会が増えている児童生徒を保護、教育する立場にある保護者や教職員などへ、インターネットの安全・安心利用に向けた啓発を行う講座です。

国や学校はもちろんのこと、保護者や地域が連携して子どもたちをいじめ問題から守り、社会全体でこの問題の解決に向けて取り組む必要があります。まず、子どもたちにとって最も身近な存在である保護者が、子どもたちの行動を把握し、インターネットに関する正しい知識や危険性をしっかりと自分自身も認識したうえで、子どもに理解させることが大切です。

 

「お役立ち記事」では、国の行政施策の中から暮らしにかかわりの深いテーマ、暮らしに役立つ情報をピックアップし、分かりやすくまとめて提供しています。


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