学習指導要領が変わります
近年、子どもたちの学力や体力、規範意識など、学校教育を取り巻くさまざまな課題が指摘されています。国では、「生きる力」をはぐくむため、学習指導要領の改訂に取り組んでいます。
「生きる力」の育成を目的とした学習指導要領改訂
学校指導要領は、全国どこの学校で教育を受けても一定の教育水準を確保するために、各教科などの目標や内容などを文部科学省が定めているものです。社会や子どもたちの変化を踏まえ、おおむね10年に1回、改訂されています。
現行の学習指導要綱は、平成10年から11年にかけて改訂されました。子どもたちに「生きる力※」をはぐくむという理念のもと、教育内容の厳選と授業内容の削減、総合的な学習の時間づくりを行い、小・中学校では平成14年度(高等学校は平成15年度)から実施されました。
その後、国際的な学力調査である学習到達度調査(PISA2006)の結果などから、わが国の子どもたちの学力について、「読解力や記述式問題、知識・技能を活用する問題に課題があること」「読解力での成績分布の分散が拡大していること」などの問題が明らかになりました。
また、平成18年12月には、昭和22年に制定された教育基本法(昭和22年法律第25号)が全面改正され、さらに、平成19年6月には学校教育法も改正され、新たに義務教育の目標などが具体的に規定されました。
こうした状況を踏まえ、今回の学習指導要領改訂においては、目指すべき理念について改めて検討が行われました。
「知識基盤社会」ともいわれる社会の変化に対応するための能力が求められる現代では、「生きる力」をはぐくむという理念はますます重要になっています。このため、新しい学習指導要領においても、現行の学習指導要領の理念である「生きる力」をはぐくむという理念は引き継がれることとなりました。
※「生きる力」とは?
近年、大きな社会問題となっている少子・高齢化については、最近の調査結果からもうかがい知ることができます。
- 基礎・基本を確実に身に付け、いかに社会が変化しようと、自ら課題を見つけ、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力
- 自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性
- たくましく生きるための健康や体力
学習指導要領改訂案の基本的考え方
学習指導要領改訂の大きなポイントは、以下のとおりです。
まず、改正教育基本法で示された教育の理念を踏まえています。
また、基礎的・基本的な知識・技能の習得、思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視。さらに、確かな学力を確立するために必要な時間の確保、授業数が増加されます。小学校では、国語・社会・算数・理科・体育の授業時数が10%程度増加され、週当たりのコマ数を低学年で週2コマ、中・高学年で週1コマ増加します。中学校でも、国語・社会・数学・理科・外国語・保健体育の授業時数が実質10%程度増加され、週当たりのコマ数が各学年で週1コマ増加されます。
そして、豊かな心や健やかな体を育てるため、道徳教育や体育などが充実されます。
学習指導要領改訂に向けたこれまでの状況と今後のスケジュール
これまでの改訂の際と同様、教科書の編集・検定・採択には3年程度の時間が必要とされます。そのため、平成23年度から、小学校で新しい学習指導要領に基づく教科書を使って教育が行われることが見込まれます。それまでの間に先行して実施できるものについては、平成20年度に新しい学習指導要領について十分な周知を集中的に図ったうえで、平成21年度からの移行措置期間中に前倒しして実施される予定です。特に今回の改訂では教育内容を増加する教科があるため、「移行措置」期間中に必要に応じ内容を追加して指導する必要があるため、この点については、今後検討されていくこととなっています。
<スケジュール>
平成17年2月 学習指導要領の見直しに着手
平成19年11月7日 中央教育審議会教育課程部会「審議のまとめ」
(11月8日から12月7日 広く国民から意見募集。関係団体からヒアリング)
平成20年1月17日 中央教育審議会「答申」
平成20年2月15日 小・中学校学習指導要領(文部科学省告示)改定案公表
(2月16日から3月16日 広く国民から意見募集)
平成20年3月28日 小・中学校学習指導要領改訂
平成20年4月から 学校現場への周知・教員研修・補助教材の作成
平成21年4月から 幼稚園で全面実施できるものから先行実施(小・中学校)
平成23年4月から 小学校で全面実施(新教育課程教科書使用)
平成24年4月から 中学校で全面実施(新教育課程教科書使用)
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