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平成20年5月掲載

 


企業の情報を全従業員で守れ!

近年、企業内の重要情報が外部に流出する事件が多発しています。このような現状を改善するには、企業での情報管理体制の一層の強化はもちろんのこと、企業を支える従業員一人一人の意識向上が必要です。

 

増える企業内秘密の流出

企業にとって営業秘密は、重要で大切な情報です。しかし、IT化の進展により容易に大量の情報を簡単に持ち出せるようになり、企業の事業活動のグローバル化、雇用の流動化が進んだことから、企業内の重要情報である技術・ノウハウが外部に流出リスクが高まっています。

実際、情報流失は身近に起こっています。経済産業省が平成18年に行った製造業関係企業に対するアンケート調査(回収企業:357件)によると、約35%以上の製造関係企業が過去に技術流出があったと回答(図表1)。流出していることに気付いていないケースも含めると、実際には多くの情報流出が発生していると考えられます。

 

図表1:「貴社において国内または海外で技術流出が発生したことがありますか」

貴社において国内または海外で技術流出が発生したことがありますか

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資料提供:経済産業省

 

情報流出は、「モノ」「ヒト」「技術データ(ワザ)」を通じ発生しています。同上のアンケート調査によると、多くの企業が「モノ」「ヒト」「ワザ」において、技術流出のリスクがあると感じています(図表2)。

技術流出先については、中国が6割以上、次いで韓国が3割、日本の国内ほか企業も3割に上ります。

 

図表2:「貴社の競争力の源泉の外部への流出に関して主にどのようなリスクを感じていますか」

貴社の競争力の源泉の外部への流出に関して主にどのようなリスクを感じていますか

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資料提供:経済産業省

 

さまざまな情報の流出事例

  • 流出事例1 なりすましを通じた情報流出
  • A社を名乗るB氏から商談をもちかけられ、製品情報を提供したところB氏との連絡が途絶えてしまった。

  • 流出事例2 従業員による情報流出
  • C氏は、自宅で仕事をするために、製品の設計情報をUSBメモリにダウンロードして持ち帰ったところ、帰宅途中に紛失してしまった。

  • 流出事例3 退職者による情報流出
  • D氏は、E社を退職するにあたり、これまで担当していた業務に関する資料を記念に持ち帰った。その後、転職先のF社でE社在籍時と同様の仕事に従事することとなったため、E社から持ち帰った資料を活用した。

  • 流出事例4 ファイル交換ソフトを通じた情報流出
  • G氏は業務上で私用パソコンを使用しており、業務上必要となる顧客リストが保存されていた。G氏のパソコンにインストールされていたファイル交換ソフトを通じて、保存されていた顧客リストがネットワーク上に流出した。

 

 

情報を保護する「不正競争防止法」

現在、国では、不正競争防止法、営業秘密管理指針および技術流失防止指針などで、企業の情報管理強化を促しています。

企業の情報を保護する「不正競争防止法」では、企業で秘密に管理している技術・ノウハウ・情報などを「営業秘密」と定義しています(不正競争防止法2条6項)。 「営業秘密」として保護される情報は、1.秘密として管理されていること、2.事業活動に有用な技術上または営業上の情報であること、3.公然として知られていないことの三つの要件すべてがそろったものとなります。

具体的には、技術上の情報である製造方法や実験の結果、営業上の情報である顧客名簿や取引条件の内容、在庫管理状況などです。

万が一不正が起きた場合、秘密情報を盗まれた企業が訴えれば、営業秘密を不正に取得・開示した者に対する差止請求権(第3条)、損害賠償請求権(第4条)、信用回復措置請求権(第14条)などを行使できます。

 

一人一人が取り組む情報管理

技術のノウハウや顧客名簿などの情報は、企業にとってかけがえのない財産です。情報が一度流出してしまった場合、その情報を取り戻すことは困難となります。さらに、社外へ流出した情報は、何人でも同時に活用できるため、その損害はとても大きなものとなる恐れがあります。

多くの企業では情報の外部への流出を防止する取り組みを行っていますが、情報管理は特に企業を支える従業員一人一人の意識向上と取り組みが重要です。自分は大丈夫と安心するのは危険です。企業内で作成された営業秘密管理上の不正を防ぐための管理方針(基本方針、基準、規定)などを確認し、気付かないうちに情報流出の被害者・加害者にならないよう、情報の取り扱いについて注意する必要があります。

企業の秘密にかかわる業務についたときも、業務上知りえたことは口外せず、業務目的以外に使用しないよう十分に注意してください。個人情報の漏えいにも注意が必要です。

また、会社の秘密情報を社外に開示する場合は、取引先や関係者とよく話し合い、秘密保持契約を結ぶなど、予期せぬ漏えいの防止に備えましょう。他社の企業秘密についても、漏えいしたり、他社から許された目的以外に使用したりしないようにしましょう。

もちろん、退職後も会社の秘密情報や社外から入手した秘密情報を漏らしたり使用したりしてはいけません。

一般的に、情報流出の約90%は公開情報または関係者による発言などを収集・分析することにより、取得できるともいわれています。そのため、企業において秘密とされていない情報の扱いについても注意をすることが必要です。

 

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