「光化学オキシダント注意報」が発令されたときの対処法
さまざまな気象条件と、紫外線と大気中の物質との化学反応が原因で「光化学オキシダント」という物質の濃度が高くなると、空に白くモヤがかかったようになる「光化学スモッグ」が発生し、目がチカチカするなどの症状が出ることがあります。光化学オキシダント注意報が発令されたときの対処法を紹介します。
気象条件、紫外線、大気中の物質の化学反応で光化学スモッグが発生
塗料や接着剤などに溶剤として含まれている揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)と、自動車や工場からの排気ガスに含まれる窒素酸化物が太陽からの紫外線を受けて化学反応を起こすと、「光化学オキシダント」という新たな物質が発生します。特に気温が高く、風が弱く、日差しの強い日は大気中の光化学オキシダントの濃度が高くなり、大気中に白くモヤがかかったようになります。この現象を「光化学スモッグ」といいます(写真参照)。
光化学スモッグの様子

資料提供:環境省
大気中のオキシダント濃度の1時間値が0.12ppm以上となり、気象条件からその状態が続くと認められるときには、都道府県から「光化学オキシダント注意報」が発令され、「光化学スモッグ」が発生しやすい状況にあることを知らせます。
平成19年の「光化学オキシダント注意報」の発令状況は、発令都道府県数が28都府県(18年は25都府県)、発令延べ日数が全国で220日(18年は177日)でした。この中には、これまで発令のなかった新潟県と大分県での発令が含まれています。また、光化学大気汚染によると思われる全国での被害届人数は、14県で合計1,910人(18年は8都県289人)でした(図参照)。
〔図〕注意報等発令延日数及び被害届人数の推移(昭和45年〜平成19年)
資料提供:環境省
注意報が発令されたら、屋外での激しい運動は避ける
大気中の光化学オキシダントの濃度が高まり、光化学オキシダント注意報が発令されると、次のような症状が出る場合があります。
- 目がチカチカする、目が痛い、涙が出る
- のどが痛い、せきが出る、息苦しい
- 吐き気がする、頭痛がする など
こうした症状が出たときは、まず目を洗ったり、うがいを十分したりして、屋外での激しい運動は避け、屋内で休みをとりましょう。屋内でも、なるべく窓またはカーテンを閉めて過ごしてください。症状が回復しないときは、早めに医師の診察を受けましょう。
「光化学オキシダント注意報」が発令された場合、地方自治体では教育委員会、有線放送、広報車等を通じて住民にお知らせします。また、「光化学オキシダント注意報」の情報をテレホンサービスやインターネットで提供をしていますので、長い時間屋外で活動をしたり、イベントに参加したりするときは、これらの情報に留意しましょう。
注意報が発令されたときには、地方自治体では大気汚染物質を排出している工場・事業場に排出量の削減を実施するように要請したり、幹線道路などでは電光掲示板などで自動車の使用の自粛をお願いしたりして、光化学オキシダントの発生を減らすよう努めています。
全国の大気汚染の状況をリアルタイムで提供する「そらまめ君」
大気汚染防止法に基づき、地方自治体では常に大気汚染の監視を行っています。全国の大気汚染測定局では、24時間自動で1時間ごとの大気汚染の状況を測定しています。環境省はそのデータを収集し、「そらまめ君」(環境省大気汚染物質広域監視システム)によって情報提供をしています。空をマメに監視しているということで、「そらまめ君」と名づけられたこのシステムでは、パソコンと携帯電話のサイトで、光化学オキシダントの濃度や注意報の発令状況などをリアルタイムで提供しています。
揮発性有機化合物(VOC)排出規制の取組
国は、これまでも窒素酸化物と硫黄酸化物の排出規制を行ってきました。平成18年度からは、さらに国によるVOCの排出規制の取組、事業者の自主的な取組を続け、塗装を行う工場、印刷所、接着剤や洗浄剤を使用する工場などの固定発生源からのVOCの排出総量を、平成22年度までに平成12年度の3割程度削減することを目標としています。
平成18年度からの国の規制に先駆けて、すでに自主的な取組を行い、VOCを減らしている工場や事業所もあります。法律による規制と、事業者の自主的な取組との組み合わせにより、最も効率的な問題解決を図る手法を「ベスト・ミックス」といい、これらの手法を用いて大気環境を良くする取組を行っています。規制対象となった民間の工場や事業所は地方自治体への届け出が義務付けられ、新たな施設や構造の変更などにも届け出が必要となりました。届け出された施設が排出基準に適合していないと判断された場合は、地方自治体から改善を勧告されることもあります。国は、地方自治体と協力して、事業者の排出状況を把握しながら規制を守っていきます。
国や地方自治体では、「光化学オキシダント注意報」が発令されない「きれいな空」が続くよう努めています。夏場の晴れた風のない日中は、特に「光化学スモッグ」が発生しやすくなるので、外出されるときは天気予報のほかに「光化学オキシダント注意報」にもご注意ください。
「お役立ち記事」では、国の行政施策の中から暮らしにかかわりの深いテーマ、暮らしに役立つ情報をピックアップし、分かりやすくまとめて提供しています。

