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平成20年8月掲載

 

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大規模テロから身を守るために〜いざというときのための対処法と国民保護訓練参加の勧め〜

北朝鮮による弾道ミサイル発射事案、国際テロ組織の活動など、わたしたちの平和や安全を脅かす重大な問題が発生しています。

国では、武力攻撃や大規模テロから国民の皆さんを守るために国民保護法を制定し、国や地方公共団体などの責務や対処法を定めています。一方で、私たちは武力攻撃やテロに関する正しい知識をもつとともに、いざというときに自分自身の安全を守ることができる方策を身につけておきたいものです。

 

いつ、どこで起こるかわからない大規模テロ

2001年9月11日の米国同時多発テロは、世界中の人々を恐怖と悲しみのどん底に陥れました。その後も、ロンドンやスペインで同時多発爆破事件が発生するなど、痛ましいテロ事件が後を絶ちません。国内に目を向けても、オウム真理教が起こしたサリン散布事件などは、いまだ私たちの記憶に新しいところです。

だれもが平穏な暮らしが続くことを願っていますが、このような大規模テロは、いつ、どこで発生するかわかりません。そのためにも、想定される大規模テロではどのようなところがねらわれるのか、大規模テロにはどのような手段があるのかなどを、あらかじめ想定しておくことがとても大切です。

 

大規模テロを想定した備えが必要

大規模テロの対象になる施設としては、(1)原子力事業所や石油コンビナート、危険物を積んだ船舶、(2)野球場などの集客施設やターミナル駅など多数の人が集まる施設・輸送機関などが想定されます。

一方、攻撃の手段としては、(1)多数の人を殺傷する特性をもつ兵器や生物剤・化学剤などの大量散布、(2)航空機などの交通機関を用いた自爆テロなどを想定しておかなければなりません。

このような大規模テロが発生したり、その危険性が迫ったりしたときに、国民の生命や身体、財産を保護するために、国や地方公共団体の責務のほか、避難・救援・緊急対処事態における災害への対処等の措置が国民保護法に規定されています。

しかし、こうした事態が、いつ、どこで、どのように発生するかを事前に予測することは極めて困難です。しかも、こうした事態に遭遇した人たちが冷静に行動できずに混乱を招くと、それが引きがねとなってパニック状態となり、救助などの対応が遅れてさらに新たな危険が生じ、被害を拡大させることになります。

そのような事態にならないためには、行政機関からの伝達事項やテレビ、ラジオの情報をよく聞き、どのように行動すればよいかを正しく判断することが重要です。そして、地域や職場あるいは外出先の周囲の人々と協力しながら、冷静に行動することが危険を回避するためには不可欠です。

こうした事態に遭遇した場合にどのように対応したらよいのか、その際に必要なものは何かなどについて、日ごろから家庭や職場で話し合い、備えておくことが大切です。

 

警報が発令されたら 〜正しい情報収集と適切な行動を〜

武力攻撃やテロなどが迫ったり、発生したりした地域には、市区町村から原則として防災行政無線のサイレンによって注意を呼びかけることになっています。さらに、テレビ、ラジオなどの放送のほか、消防や広報の車両などを通して、どのようなことが、どこで発生したか、あるいは発生するおそれがあるのか、さらには、みなさんにどのような行動をとってほしいのかといった警報の内容をお伝えします。

 

1.警報が発令された際に心がける行動

(1)屋内にいる場合
  • ドアや窓を全部閉める
  • ガス、水道、換気扇を止める
  • ドア、壁、窓ガラスから離れて座る
(2)屋外にいる場合
  • 近くの頑丈な建物や地下街の中に避難する
  • 車の運転中は、緊急通行車両の妨害とならないように、できる限り道路以外の場所に車両を止める。やむを得ず道路に置いて避難するときは、道路の左側端にキーを付けたまま駐車する
ラジオの情報に耳を傾ける

2.落ち着いて情報の収集を

  • 警報をはじめ、テレビやラジオなどからの各種情報に耳を傾け、情報収集に努める
ラジオの情報に耳を傾ける

3.避難の指示が出たときの注意点

行政機関からの避難の指示には、「屋内への避難」「近隣の避難所施設への避難」「市区町村や都道府県の区域を越えた遠方への避難」などが考えられます。みなさんの安全を守るため、状況に応じて適切な指示が出されますので、指示に従って落ち着いて行動しましょう。

また、自宅を離れる場合には、以下のことに留意しましょう。

  • 元栓をしめ、コンセントを抜く。冷蔵庫のコンセントは挿したままにしておく。
  • 頑丈な靴、長ズボン、長袖シャツ、帽子などを着用し、非常持ち出し品を持参する
  • パスポートや運転免許証など、身分を証明できるものを携行する
  • 家の戸締まりをする
  • 近所の人に声をかける
  • 避難の経路や手段などについては、行政機関の指示に従い適切に避難する

 

国民保護訓練に参加しましょう

国民保護法に基づいて、国や地方公共団体などでは、国民保護に関する避難や救援などの訓練を実施しています。特に関係機関と地域住民が一体となった実動訓練に参加いただければ、武力攻撃やテロに遭った際の避難などについて、より理解を深めることができます。

平成20年度に住民の参加が可能な国と地方公共団体共同の実動訓練を予定しているのは、長野、鳥取、岡山の3県です。実施予定時期はいずれも11月ですので、県内にお住まいの方はぜひご参加ください。

 

消防による化学剤被災者の一次除染訓練(鳥取県/県立武道館)

消防による化学剤被災者の一次除染訓練(鳥取県/県立武道館)

 

爆破テロでがれきの下敷きになった人を救助する医療訓練(DMAT)(千葉県/海浜幕張駅構内)

爆破テロでがれきの下敷きになった人を救助する医療訓練(DMAT)(千葉県/海浜幕張駅構内)

 

日ごろからの備え

地震などの災害に備えて、避難先に持ち出す「非常持ち出し品」と、数日間を自足するための備蓄品を日ごろから準備しておくことが必要とされています。これらの備えは、武力攻撃やテロなどが発生し、避難しなければならないときも大いに役立ちます。また、災害に遭遇したときの連絡方法や集合場所などの家族の安否確認方法を確認しておきましょう。

 

国民保護法とは

武力攻撃事態等において武力攻撃から国民の生命・身体・財産を保護するため、国や地方公共団体等の責務、住民の避難に関する措置、避難住民等の救援に関する措置、武力攻撃災害への対処に関する措置及びその他の国民保護措置等に関し必要な事項を定めています。武力攻撃事態等に備えてあらかじめ政府が定める国民の保護に関する基本指針、地方公共団体が作成する国民保護計画及び同計画を審議する国民保護協議会並びに指定公共機関及び指定地方公共機関が作成する国民保護業務計画などについても、この法律において規定しています。

法律の正式名称は、「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」。平成16年6月14日に成立し、同年9月17日に施行されました。

 

攻撃の手段として化学剤、生物剤、核物質が用いられた場合の留意点

武力攻撃やテロなどの手段として化学剤、生物剤、核物質が用いられた場合には、被害に対する特別な対応が必要になります。またテレビやラジオなどを通じて情報収集に努めるとともに、行政機関からの指示にしたがって行動することが重要です。

1.化学剤が用いられた場合の留意点

化学剤は神経剤、びらん剤、血液剤、窒息剤などに分類されます。一般に地形や気象などの影響を受けて、風下方向に拡散し、空気より重いサリンなどの神経剤は下をはうように広がります。人から人への感染こそありませんが、比較的早く目の充血、咳き込み、かゆみなどの症状が現われます。

  • 口と鼻をハンカチで覆いながら、その場を直ちに離れ、外気から密閉性の高い屋内の部屋または風上の高台などに避難しましょう。
  • 屋内では、窓を閉め、目張りによって室内を密閉し、できるだけ窓のない中央の部屋か、上の階へ移動しましょう。
  • 汚染された服、時計、コンタクトレンズなどは速やかに処分する必要があります。その際、衣服の汚染された部分が皮膚に触れないよう、十分注意してください。また汚染された衣服などはビニール袋などに密閉し、その後、水と石けんで全身をよく洗います。

2.生物剤が用いられた場合の留意点

生物剤は、人や動物を殺傷することなどを目的とした細菌やウイルスなどの微生物、または細菌や動植物が作り出す毒素のことを言います。これらは人に知られることなく散布することが可能であり、それらに触れたり、口に入れたり、吸引することで人体に悪影響を及ぼします。また、発症するまでの潜伏期間があると、感染した人がそれに気づかず移動して、被害を広域化してしまう可能性もあります。

  • 口と鼻をハンカチで覆いながら、その場を直ちに離れ、外気から密閉性の高い屋内の部屋または感染の恐れのない安全な地域に避難しましょう。
  • 屋内では、窓を閉め、目張りによって室内を密閉し、できるだけ窓のない中央の部屋に移動しましょう。
  • 屋外から屋内に戻ってきた場合は、速やかに衣類を脱いで、ビニール袋や容器に入れて密封してください。その後、水と石けんで全身をよく洗います。
  • 米国で発生した炭そ菌事件のように不審な郵便物が送られてきた場合には、郵便物を振ったり、匂いをかいだり、中身を開けたりせずに可能であればビニール袋で包み、すぐに警察などに通報しましょう。

3.核物質が用いられた場合の留意点

核物質を用いた攻撃としては、核兵器のほか、放射性物質を散布することにより放射能汚染を引き起こすことを意図した爆弾(ダーティボム)が用いられることが考えられます。ダーティボムによる被害は、爆薬による被害と放射能による被害をもたらします。

  • 爆発が起こった地点からできる限り速やかに離れましょう。
  • 爆発において特有の特徴がなく、放射性物質の存在が判明するまでに時間がかかることなどから、たとえ外傷がない場合でも、行政機関の指示などにしたがい医師の診断を受けましょう。

※身の回りで急な爆発や火災、攻撃などが発生した場合の緊急対処法、怪我などに対する応急措置などより詳しい情報は、内閣官房国民保護ポータルサイトに掲載されたパンフレットをご覧ください。

 

 

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