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平成20年9月掲載

 


国産材を使って森を育て、二酸化炭素(CO2)を減らそう

今年の夏は、近年になく突風や集中豪雨による被害が多発しました。これらの気象は、地球温暖化と何らかの関係があるのではないかといった見方があります。地球温暖化の大きな要因は、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの増加です。そこで、現在、省エネなどによって二酸化炭素の排出量を減らす取組とともに、二酸化炭素をたっぷり吸収する森づくりが進められています。国産材でつくられた製品を購入することで、森林は整備され、二酸化炭素をたっぷり吸収する“元気な森”に生まれ変わります。

 

森林による吸収で二酸化炭素を1990年比で3.8%減らす

1.二酸化炭素を吸収する森の木々たち

大気が循環するなかで、森林は二酸化炭素の吸収源として大きな役割を果たしています。森林を構成している一本一本の樹木は、大気中の二酸化炭素を吸収して光合成を行うことにより成長し、そして炭素を木材の形で幹や枝などに蓄えているのです。

 

森林(スギ人工林)の二酸化炭素吸収量

森林(スギ人工林)の二酸化炭素吸収量

資料提供:林野庁

 

2.「京都議定書」の数値目標の達成を目指す

1997年に京都で開催された「気候変動枠組条約第3回締約国会議」(COP3)で、「京都議定書」が採択されました。そのなかで、我が国は、第1約束期間(2008〜2012年)に、1990年比で温室効果ガスの総排出量を6%削減することを国際的に約束しました。

さらに、2005年に「京都議定書」が発効したことを受けて、政府は「京都議定書目標達成計画」を策定し、1,300万炭素トンを国内の森林による二酸化炭素吸収量によって確保することを定めました。この1,300万炭素トンは、「京都議定書」の削減目標6%のうちの3分の2にあたる3.8%に相当します。

今後、二酸化炭素の排出量を90年比で6%削減していくためには、省エネなどによる排出抑制とともに、森林による吸収量を確保していくことが必要なのです。

 

1990年比で二酸化炭素の排出量を6%減らす

1990年比で二酸化炭素の排出量を6%減らす

資料提供:林野庁

 

森の循環を形成し“元気な森”を育てる

「京都議定書」で二酸化炭素吸収量の算入対象として認められている森林には、条件が付けられています。1990年以降に新たに造林された森林、または、下刈りや間伐といった適切な森林経営が行われている森林でなければならないという条件です。

我が国の森林の4割は、植林された人工林です。人工林は下刈りや間伐などの手入れをしないと、やせた木ばかりになってしまいます。今、このような手入れが行き届かない森林が増えています。

 

間伐しないと…

間伐しないと…

 

植林時にはまっすぐな木を早く育てるために苗木を多く植えます。しかし、木が生長すると混みすぎて、太陽の光を十分に受けることができません。そこで、適度に木を伐採して本数を減らす間伐を行います。残った木はたくましく育ちます。また、森林内に陽光が差し込むことにより下草が生え、土砂流出の防止などにも役立ちます。

 

間伐されずに日光がさえぎられ荒れた森林   間伐され、いきいきした森林
間伐されずに日光がさえぎられ荒れた森林。

印
間伐され、生き生きした森林。
下草が生えない   地表に日光が入り下草で覆われている

資料提供:林野庁

 

森林の吸収によって二酸化炭素の排出量を1990年比で3.8%削減する目標を達成するためには、植える、育てる(下刈り、間伐等)といった手入れが施された森林の面積を増やしていかなければなりません。しかし、日本の森の現状を見ると、その実現には大変厳しいものがあります。手入れが行き届かない森林が多いからです。

日本の森林が荒廃している原因としては、国産材があまり使われていないことが挙げられます。木材の国内自給率は2割にすぎません。今後、国産材の需要が高まれば、資金が山に還元され、森林の整備につながっていくことが期待されます。

主伐材や間伐材を利用した「市場経済の循環」が実現すれば、「植える→育てる→収穫する→上手に使う」という「森の循環」が形成され、林業の生産活動が活発になります。そうなれば、森は二酸化炭素をたっぷり吸収する“元気な森”に生まれ変わるのです。

 

森の循環

森の循環

資料提供:林野庁

 

国産材が使われている製品を購入しよう

日本の森を“元気な森”にするために、私たちは何をすればよいのでしょうか? 国産材で作られた製品をどんどん生活に取り入れていけばよいのです。木材を使うことで、森が育っていきます。

そこで林野庁では、2005年から、国産材を積極的に利用してもらうことにより、森の手入れを進めようとする「木づかい運動」を展開しています。

木材製品を購入する際のポイントを次に紹介します。

 

1.木材製品を買うときに、国産材が使われているか気をつけてみましょう

家庭で購入できる国産材を使用した製品には、割り箸、すのこ、うちわなどの木材製品、紙製飲料缶(カートカン)などがあります。カートカンは、原料に間伐材などの国産材を30%以上使用しています。

ふだんの生活でこれらの製品を利用すれば、日本の森林の育成に貢献できます。ホームセンターやスーパーなどで国産材を使った製品を探してみてください。

 

家庭で購入できる国産材製品

家庭で購入できる国産材製品

資料提供:林野庁

 

2.マークをチェックしてみましょう

国産材を使った製品であるかどうかを見分けるのは難しいと思います。そこで、役に立つのがマークです。購入する際には、次のマークを一つの目安にしてください。

サンキューグリーンスタイルマーク

サンキューグリーンスタイルマーク
「サンキューグリーンスタイルマーク」は、森林に感謝(サンキュー)しながら、国産材製品を身近に取り入れ、多くの国民の皆さんに、うるおいのある生活を育んでいただく願いを込めた「木づかい運動」のシンボルマークです。
マークには、国産材製品を対象とする表示(Aタイプ)、企業や団体などの組織を対象とする表示(Bタイプ)、普及広報活動を対象とする表示(Cタイプ)がありますが、三タイプとも同じマークです。
企業や団体が「サンキューグリーンスタイルマーク」を使用するには、財団法人日本木材総合情報センターへ登録申請する必要があります。現在、150社以上の企業・団体が登録しています。
なお、マークの「3.9」は「京都議定書目標達成計画」が策定されたときの森林吸収の割り当て比率をデザインしたものです。2007年4月に、基準年の温室効果ガスの総排出量が増加したことを受けて、3.9%から3.8%に変更されましたが、マークでは「3.9」という数字を使用しています。

 

間伐材マーク

間伐材マーク

間伐材の普及・促進を目的としたマークです。間伐材による製品のほか、それを入れる容器や梱包材などに使用することができます。また、認定を受けた製品を紹介するチラシ、パンフレット、ポスター、看板などにも表示することができます。これまでに約150社がマークを取得しています。
「間伐材マーク」の使用については、全国森林組合連合会にお問い合わせください。

 

 

3.住宅を購入する際にも、地域材を希望してみましょう

全国各地で、地域の木材を使って家をつくる取組が行われています。都道府県のなかには、その地域の木材であることを示すマークを設けているところがあります。一生に一度の買い物といわれる家を建てる際には、地域で育った国産材を利用してみてはいかがですか。

 

10月は「木づかい推進月間」です

10月は「木づかい推進月間」。日本の森林の現状や国産材利用の重要性、地球温暖化問題などをテーマにしたセミナーやシンポジウムなどが開催されます。

京都議定書の第一約束期間は始まっています。一人一人が国産材を使った製品を購入していくことが、二酸化炭素をたっぷり吸収できる“元気な森”をつくっていきます。これを機会に、ふだんの生活を見直してみてください。一つ一つの小さな取組が地球を救っていくのです。

 

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