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平成20年10月掲載

 


消費者・生活者一人ひとりの安全・安心を守ります〜消費者庁の来年度の創設を目指して〜

だれもが安全に、安心して暮らせる社会は、すべての国民の願いです。しかしここ数年、食品の不正表示、悪徳商法など消費者の信頼を裏切る事件など国民生活の身近なところで大きな不安をもたらす消費者問題が数多く生じています。

そこで、政府は、消費者行政の一元化を最重要政策課題の一つに掲げ、消費者・生活者の視点に立った行政に大転換するべく、「消費者を主役とする政府の舵取り役」となる消費者庁の来年度からの創設に向けた準備作業を進めています。

 

消費者行政の一元化に向けた取り組みを始めたきっかけは?

これまでの行政の問題点

近年、食品表示の偽装事件、お年寄りを狙った悪徳商法、さらには中国製冷凍餃子の薬物中毒事件や事故米の不正転売などの問題が、国民生活の身近なところで次々に起こっています。

こうした事件の背景には、これまでの行政が生産者側の立場を中心に考えてきたことが大きく影響しています。すなわち、消費者行政はあくまでも産業振興の二次的テーマであり、「消費者保護」は生産者に対する所管省庁の「規制」を通じて行うものとなっていました。

このため、消費者の方々が被害に遭われても、どこの窓口に相談したらよいのか分からなかったり、たらい回しにされたりという問題がありました。また、縦割り行政であるため、消費者の苦情や相談が一か所に集約されず、その結果、情報共有できないまま対応が遅れてしまうこともありました。

 

消費者問題の複雑化

しかしながら、グローバル化、複雑化した社会においては、消費者問題は省庁をまたがって発生しており、従来の縦割り行政では、対処することが難しくなっております。社会が成熟した今、国民が安全安心や豊かな生活を重視するようになり、わが国の行政のあり方は大きな転換を迫られているといえます。

 

これまでの消費者行政の問題点と消費者庁(仮称)の創設を通じた対応の方向

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資料提供:内閣官房

 

消費者行政の一元化に向けた取り組み

平成20年2月、消費者行政の統一化・一元化に向けた取り組みの第一歩として、官邸に総理が主宰する「消費者行政推進会議」が設置されました。6月には、この会議において取りまとめが行われ、それを踏まえ、消費者庁を平成21年度から発足することを主な内容とする「消費者行政推進基本計画」が政府の方針として閣議決定されました。

 

消費者庁発足によりこれまでの行政が変わります!

消費者庁が満たすべき6原則

消費者行政推進基本計画の中では、消費者庁が消費者の視点から政策全般を監視するために、強力な権限を持つことが明らかにされるとともに、六つの原則を満たすべきとされています。

 

(1)消費者にとって便利で分かりやすい

・一元的な消費者窓口の設置と情報収集、発信の一元化

(2)消費者・生活者がメリットを十分実感できる

・消費者行政全般についての司令塔
・消費者の安全安心に係る問題を幅広く所管

(3)迅速な対応

・相談窓口と行政の対応を直結し、トラブルに迅速に対応

(4)専門性の確保

・各府省庁や民間を含む幅広い人材の活用

(5)透明性の確保

・消費者政策委員会(仮称)の設置などにより消費者の声を反映

(6)効率性の確保

・行政の肥大化を招かぬよう、機構・定員・予算を振り替え

 

消費者庁の創設によるメリット

消費者庁の発足により、次のようなメリットがあると考えています。

  1. 消費生活センターの新設・拡充などにより、受付拒否やたらい回しといったことのない、消費者がアクセスしやすい相談窓口を構築します。
  2. 消費者庁が情報を一元的に集約・分析し、情報発信を行うことにより、食の安全や悪徳商法等について、消費者が必要とする情報を迅速に伝えることができます。
  3. 消費者庁では、消費者に身近な問題を取り扱う法律を幅広く所管するとともに、新たに「消費者安全法」を制定します。必要な場合は消費者庁から各省庁に対し措置要求を行うとともに、いわゆるすき間事案に対しても必要な対応を行うことが可能となり、消費者問題全般について政府として漏れのない、責任ある対応をとることができます。
  4. 消費者の声を消費者政策に反映させる仕組みとして、有識者から成る消費者政策委員会を設置することにより、透明性の高い行政の仕組みができることなどの効果が期待できます。

 

経済への影響

また、こうした「消費者行政の一元化」を通じた新たな消費者行政の展開は、消費者に安全安心を提供すると同時に、ルールの透明性や行政行為の予見可能性を高め、産業界も安心して新商品や新サービスを提供できるようになることを通じて、産業活動を活性化させることをも目指すものです。

消費者の利益にかなうことは、企業の成長をもたらし、産業の発展につながるものであり、こうした共存共栄の関係を作り上げていくことが大変重要です。

 

消費者庁創設後の消費者行政のイメージ

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資料提供:内閣官房

 

地方の消費者行政を抜本的に強化します!

地方消費者行政の弱体化

消費者の方々が相談される行政の窓口は、ほとんどの場合、地方自治体が設置している消費生活センターです。従って、消費者行政の充実・強化に当たっては、地方消費者行政の充実に向けた取り組みを行っていくことが欠かせません。しかしながら、地方の消費者行政は、予算が大幅に削減され、総じて弱体化しており、政府としてもしっかり支援していく必要があります。

具体的には、以下の支援策を検討しています。

 

地方消費者行政の充実に向けた支援策

(1)地方の主体的取り組みへの支援

消費生活センターの設置の促進、機能の拡充・強化など地方消費者行政の活性化を図るため、地方公共団体向け交付金の創設

 

(2)国民生活センターを活用した支援

国民生活センターが地方に消費生活相談の専門家を配置して、消費生活センターを定期的に訪問し助言・指導を実施するほか、PIO-NET(※)端末の追加配備、相談員などの研修の充実などによるソフト面、ハード面の支援

消費者行政は地方自治そのものであり、国、地方一体となって、消費者目線に立った行政への転換を進めていく必要があります。

(※)全国消費生活情報ネットワーク・システム(Practical Living Information Online Network System): 国民生活センターと地方消費生活センターをネットワークで結び、消費生活に関する苦情相談情報などの収集を行っているシステムのこと。

 

地方消費者行政の充実に向けた支援策について

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資料提供:内閣官房

 

消費者庁の来年度からの発足を目指します!

消費者庁関連3法案

来年度から消費者庁を発足させるために必要な3つの法案を閣議決定したところであり、その早期成立を目指します。
具体的には、
(1)消費者庁設置法案
(2)消費者庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案
(3)消費者安全法案
の3つの法案です。

 

(1)消費者庁設置法案

本法案は、消費者の利益の擁護および増進などに関する事務を一体的に行わせるため、消費者庁長官をトップとし、内閣府の外局として消費者庁を設置するものです。

また、消費者の声を反映させるため、消費者庁に消費者政策委員会を置き、消費者の利益の擁護および増進に関する基本的な政策などに関する重要事項について調査審議や意見具申などを行います。

 

(2)消費者庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案

本法案は、これまで各省庁が持っていた法律を消費者庁に移すための法案です。具体的には、JAS法、特定商取引法、貸金業法、消費生活用製品安全法など、関係の法律を消費者庁に所管させることにより、消費者の利益の擁護および増進を効果的に図ることができるようにするためのものです。

 

(3)消費者安全法案

本法案は、消費者の消費生活における被害を防止し、その安全を確保することを目的とするものです。その内容は、

  1. 消費者安全の確保に関する基本方針を策定すること
  2. 地方公共団体において消費生活相談などの事務を行う消費生活センターを法律上位置付けること
  3. 消費者庁による情報の集約体制を整備すること
  4. 被害の発生・拡大の防止のための措置として、内閣総理大臣による関係各大臣に対する措置の実施要求や、いわゆるすき間事案について内閣総理大臣自らが行う事業者に対する勧告や命令などの規定を定めること

などです。

 

消費者庁関連3法案の関係について

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資料提供:内閣官房

 

消費者庁の機能を先行的に実施

また、消費者庁設置以前においても、消費者庁の司令塔的機能を先行実施しつつ、消費者が頼れる分かりやすい一元的な相談窓口の構築に向けた取り組みを行うなど、今年度中に前倒しして実施できることを早急に着手します。 この取り組みの一環として9月10日、消費者安全情報総括官制度を創設し、政府全体として、食品、製品、施設などの利用に際して生じた消費者被害に関する情報を収集・分析し、被害拡大防止などに適切に対応するための体制を整備しました。

 

消費者・生活者が主役となる社会を目指します!

消費者庁発足に向けた取り組みは、消費者・生活者を大事にする行政への転換を図るという画期的なものです。

今後、消費者・生活者の皆さんの声をしっかり受け止めながら、皆さん一人一人がメリットを十分に感じられる消費者庁を創設し、行政全体が真に消費者・生活者の視点に立ったものとなるように取り組みを進めていきます。

 

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