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自分自身のため。そして大切な人のために。薬物乱用は、「ダメ。ゼッタイ。」

平成21年10月掲載  
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麻薬・覚せい剤などの薬物乱用をめぐる事件が相次いでいます。乱用とは、目的や方法が誤っている行為で薬物を使うことです。覚せい剤などの違法な薬物は、たとえ1回だけの使用でも「乱用」になるとともに、法令で「犯罪」とされています。薬物乱用は、自分の心身をボロボロにするだけでなく、自分の将来を、そして大切な人たちとの関係をも台無しにしてしまいます。自分自身のため、そして大切な人のために、薬物を拒絶する強い意志をもちましょう。

 

世界中で薬物が厳しく規制されている「理由」

覚せい剤や大麻、コカイン、ヘロイン、MDMA、LSD…。これらは、法律によって、持つことや、売買すること、生産することが禁止されている薬物です。これらの薬物は、日本だけでなく、世界中の国々でも、厳しく規制されており、中には日本以上に厳しい刑罰を科している国もあります。

このように薬物が厳しく規制されるのは、脳に与える影響が大きく、依存性があり、乱用により社会に多大な影響を与えるためです。薬物の依存やさらに中毒となることにより、乱用者の身体や精神を蝕むだけでなく、家族や周囲の人を傷つけたり、薬を買うお金欲しさの犯罪が増えたりするなど、私たちの社会全体に悪影響を及ぼします。また、薬物を購入するためのお金は、暴力団や国際犯罪組織の資金源になるなど、犯罪にもつながります。

覚せい剤
覚せい剤

大麻草
大麻草

MDMA
MDMA

ラッシュ系違法ドラッグ
ラッシュ系違法ドラッグ


画像提供:厚生労働省

 

呼び名を変え、甘い言葉で乱用を誘う薬物

このように違法で危険なものであるにもかかわらず、なぜ、薬物を乱用する人がいるのでしょう。

薬物乱用を誘う人は、「疲れがとれるよ」「気分がすっきりするよ」「楽しい気分になるよ」「やせる薬だよ」など、さまざまな甘い言葉で誘ってきます。また、覚せい剤が「スピード」や「S(エス)」「アイス」「シャブ」と呼ばれるなど、薬物をさまざまな俗称で呼んでいることも、薬物に対する抵抗感を薄れさせているようです。しかし、呼び名は違っても、違法で危険な薬物であることには変わりはありません。つい好奇心で、または友達などから薬物乱用を誘われたりしても、絶対に手を出さないでください。

薬物の俗称

薬物の種類 主な俗称
覚せい剤 エス、スピード、アイス、シャブ
ヘロイン ぺー、チャイナホワイト、ジャンク
コカイン コーク、スノウ、クラック
大麻 ハッパ、マリファナ、グラス、チョコ
LSD エル、アシッド
MDMA エクスタシー、バツ

 

1回だけのつもりが乱用を繰り返し、依存症に

自分の体を蝕む薬物であるのに、なぜ薬物の乱用をやめることができなくなってしまうのでしょうか。

乱用される薬物は、薬物の種類により作用は異なりますが、例えば、脳を刺激して興奮させる作用、脳を鎮める作用、実際には見えない・聞こえないものが見えたり聞こえたりする幻覚・幻聴などの作用があります。この感覚を一度味わうと、再び同じ感覚を味わいたくなり、薬物乱用を繰り返すことになります。しかし、乱用を続けることにより、同じ量では薬物の効果が得られなくなり、薬物の量・回数が増加していくことになります。

また、薬の効果が切れるとイライラしたり落ち着かなくなったりするため、薬物への欲求はさらに激しくなります。薬物によっては、薬物が切れると禁断症状が現れることから、この苦痛を回避するために更に乱用を繰り返すことになります。

精神的・身体的に薬物なしではいられない状態を「薬物依存」といい、自分の意志では薬物がやめられなくなってしまうのです。

 

自分自身ではやめられない、家族にも止められない薬物依存

薬物に関する犯罪で検挙されている人員は、毎年15,000人前後となっています。このうちの半数は、暴力団などではない一般の人たちです。薬物乱用で検挙された人たちは、「自分では薬物をやめられなくなっていた」「薬のことしか考えられなくなっていた」「一度やめたが、またすぐに使うようになってしまった」「逮捕されて薬をやめることができ、ほっとした」と、自分の体験を語っています。薬物をやめたいと思っても、自分の意志のもと、自分の力で薬物を断ち切ることはとても難しいことなのです。

また、薬物依存になると、薬物を買うために借金を重ねたり、暴力や犯罪などの問題行動に発展したりするなど、人が変わったようになり、家族や周囲の人にも大きな被害が及ぶようになります。

薬物乱用を繰り返す人は、次のような身体や性格、生活状況などにも変化が現れます。こうしたサインに早く気付き、薬物乱用相談窓口などに相談することが大事です。

薬物乱用のサイン

体の変化 食欲が不自然になくなったり、やせてくる。
体重が減少する。顔色が悪い。
目が充血している。
目がつり上がる。目つきが厳しくなる。目がうつろになる。
手足が震える。手足の動きがスムーズでなくなる。
ろれつが回らない。
眠らない。また、一度眠ると起こしても起きず、何時間も眠る。
性格の変化 態度や表情が明るくなったり、暗くなったりする。
自己中心的で落ち着きがない。
感情を抑えることができず、いらいらして暴力的になる。
妄想を抱く。つじつまの合わないことを言う。
生活の変化 帰宅時間が遅くなる。
金遣いが荒くなる。必要以上にお金を要求する。
たばこを常用したり、酒を飲んだりする。
家庭でのコミュニケーションを図ろうとしない。
保護者の知らない人から連絡がよくある。
親や教師などへの過度の反抗や無断欠席などが現れる。
部屋のゴミ箱に、異臭のするティッシュ、ビニ-ルが捨ててある。

(参考:神奈川県「学校における薬物乱用緊急対応マニュアル」)

 

薬物乱用をやめさせたいときは相談窓口に相談を

家族が薬物を乱用しているかもしれない、と気付いても、警察沙汰にはしたくないという思いから、家族の中で何とか解決しようとしがちです。しかし、薬物依存は本人の意志や家族だけで断ち切ることが難しいのが現実です。

精神保健福祉センターや保健所などの薬物乱用に関する相談窓口では、薬物乱用者本人のみならず家族からも薬物乱用に関する相談を受け付けていますので、決して一人で悩まず、まずは相談してください。

これらの相談機関では、薬物乱用者の家族が薬物依存症に関する知識や対応法などを学ぶことができるほか、薬物依存の治療やリハビリテーションのための施設なども紹介しています。また、家族教室や家族相談などを行っているところもあります。

薬物に関する甘い言葉や情報に惑わされず、正しい知識を身につけ、薬物乱用は絶対に許さないという強い気持ちをもちましょう。また、身近な人の薬物乱用に気付いたときは、大切な人を薬物の害から守るため、勇気をもって、相談してください。

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