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障害のある人とない人が相互に人格と個性を尊重し支え合う「共生社会」を目指して

平成21年11月掲載  
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「障害者週間」ポスター(内閣府)

「障害者週間」ポスター(内閣府)

障害の有無にかかわらず国民だれもが相互に人格と個性を尊重し支え合う「共生社会」の実現は、我が国の社会の今後を考える上で、大変重要な課題です。障害者の人権が尊重されその能力が発揮できる社会の実現を図ることは、大切な視点です。

政府では、「障害者基本計画」、「重点施策実施5か年計画」に沿って着実に障害者施策を推進しています。その一環として、平成19年に、障害者の権利及び尊厳を保護し、促進するための包括的かつ総合的な国際条約である「障害者権利条約」に署名し、条約の早期締結に向けて取り組んでいます。

12月3日~9日は「障害者週間」と定められており、表彰、講演、シンポジウム等、全国でさまざまな取り組みが行われる予定です。皆さんも、これらの取り組みに触れ、共生社会の実現のためにできることを考えてみませんか。

 

障害のある人もない人も、人格と個性を尊重し支え合う「共生社会」

皆さんは「共生社会」という言葉を聞いたことがありますか。それは、障害のある人も、ない人も、だれもが相互に人格と個性を尊重し支え合う社会のことです。

障害がある人もない人も、共に暮らす私たちの社会ですが、障害のある人にとっては、障害のない人と同じように生活したいと思っても、日常生活、社会生活の中にさまざまなバリアが存在している場合があります。

例えば、障害のある人に対して、子ども扱いすることや、障害を理由として保育所利用を拒否すること、昇進をさせないこと、本人の意見を聞くことなく就学先を決めること、バス、タクシーなどの乗車を拒否すること、アパートの賃貸契約を断ること、結婚を認めないことなど。障害のある人は、こうしたさまざまな生活分野で多くのことに差別を感じ、そこにバリアがあると感じています。

共生社会を実現していくためには、障害のある人にとってどんなことがバリアになっているのかを、障害のない人も一緒に考え、バリアを取り除いていくことが必要です。

 

障害のある人が「差別」と感じていること、「配慮」を必要としていること

障害と一言でいっても、障害の種類はさまざまであり、障害の程度も一人一人違います。また、生まれつき障害がある人もいれば、事故や病気などで成長してから障害をもった人もいます。このように、障害のある人は多様であり、その障害によって生活の中で感じるバリアも違います。

実際に、ふだんの生活の中で、障害のある人はどのようなところでバリアを感じているのでしょうか。平成21年1月~3月にかけて、内閣府では、障害のある人が「日ごろから差別に当たると考え、人々にしてほしくないと望んでいること」「配慮や工夫をしてほしいと望んでいること」についてアンケート調査を行っています。その結果をみると、生活のさまざまな分野で、障害のある人が差別してほしくない、もっと配慮や工夫をしてほしいと望んでいることが分かります。

 

障害のある人から見た障害を理由とする差別の事例など

(回答者数:1,654人)

生活の分野 差別に当たると考え、してほしくないと望んでいること 配慮や工夫をしてほしいと望んでいること
主な事例 事案数 主な事例 事案数
福祉 重度の障害等を理由とする福祉サービスの利用の拒否・制限、福祉サービスの中での差別的取扱い、差別的言動など 726 福祉サービスの情報提供、建物・設備、職員とのコミュニケーションについての配慮・工夫など 1,166
保健・医療 重度の障害等を理由とする治療・入院の拒否・制限、診療時の差別的取扱い、差別的言動など 565 コミュニケーション、介助・移動、施設・設備、本人の了解を得る上での配慮・工夫など 979
雇用・就業 車椅子の利用等を理由とする採用(募集)の拒否・制限、賃金等の差別的取扱い、職場での差別的言動など 1,012 職員教育、職場でのコミュニケーション、施設・設備、採用についての配慮・工夫など 1,193
教育・育成 入学定員に達したこと等を理由とする教育・育成への受入の拒否・制限、意向を無視した教育内容の決定、学校生活での差別的言動など 310 教員等の障害への理解、施設・設備、コミュニケーションについての配慮・工夫など 584
建物・公共交通機関 車椅子の利用者であること等を理由とする公共交通機関や公共施設の利用の拒否・制限、利用の際の差別的取扱いなど 381 公共交通機関、旅客施設、公共施設等の利用に当たっての配慮・工夫など 822
情報・コミュニケーション 対人コミュニケーション、文化活動・報道活動、講演会等での差別的取扱いなど 357 対人コミュニケーション、テレビ・出版・情報通信機器の利用、講演会等における配慮・工夫など 644
商品サービス提供 不動産の売買、金融・保険の利用、商品購入、サービス利用の際の差別的取扱い、接客時の差別的言動など 464 ATM/自動販売機などの利用、金融・保険の利用、サービスの利用等の際の配慮・工夫など 589
政治・行政・司法 行政窓口、議会、裁判の傍聴等での差別的取扱い、差別的言動など 153 災害対応、行政などの関係者への障害理解等の配慮・工夫など 806
その他 結婚出産の制限、町内会等での差別的取扱いなど 415 障害者の家族に対する配慮・工夫、町内会等での配慮・工夫など 271
  合計 4,383 合計 7,054

(資料:内閣府「平成21年版障害者白書」)

 

障害に基づくあらゆる差別の撤廃を目指す「障害者権利条約」

2006年の国連総会で、障害者の権利及び尊厳を保護し、及び促進するための「障害者権利条約」が採択されました。

この「障害者権利条約」では、次の8つの原則が掲げられています。

(a)固有の尊厳、個人の自律(自ら選択する自由を含む。)及び個人の自立を尊重すること
(b)差別されないこと
(c)社会に完全かつ効果的に参加し、及び社会に受け入れられること
(d)人間の多様性や人間性の一部として、障害者の差異を尊重し、及び障害者を受け入れること
(e)機会の均等
(f)施設及びサービスの利用を可能にすること
(g)男女の平等
(h)障害のある児童の発達しつつある能力を尊重し、及び障害のある児童がその同一性を保持する権利を尊重すること

また、この条約では、障害を理由とする差別を禁止するとともに、「合理的配慮の否定」という新たな概念を盛り込んでいます。「合理的配慮」とは、例えば公共的な施設等において、スロープを設置して車椅子の人が施設に入ることができるようにする、講演会などにおいて、手話通訳や要約筆記などの情報保障を行うなど、必要に応じて介助者の援助を受けることができるようにする、というような変更・調整のことを言います。条約では、こうした変更・調整を行わないこと、すなわち「合理的配慮の否定」は「障害を理由とする差別」にあたるとされています。

我が国は、2007年9月にこの条約に署名し、条約の締結に向けて、必要な作業を進めているところです。

 

12月3日~9日は障害者週間です

12月3日~9日は「障害者週間」です。期間中は、障害の有無にかかわらず、国民だれもが相互に人格と個性を尊重し支え合う「共生社会」を実現していくため、関係省庁や関係団体等の協力を得て、全国各地で啓発・広報のためのさまざまな行事を実施します。

内閣府では、東京において、12月3日に「障害者週間の集い」を日本学術会議講堂で開催し、全国の小・中学生等から募集した「心の輪を広げる体験作文」及び「障害者週間のポスター」の最優秀作品への表彰と記念シンポジウムを行います。また、12月7日~9日に「障害者週間連続セミナー」を東京ウィメンズプラザで、12月3日~9日には「障害者週間のポスター原画展」を京王プラザ地下通路「プラザナード」で開催します。地方では、12月1日~14日に神奈川県、長野県、和歌山県、鳥取県及び広島市の会場で「障害者週間のポスターパネル展」を開催します。また、12月5日に大分県大分市で、12月6日に北海道札幌市で「障害者権利条約」をテーマとした「障害者週間シンポジウム」を開催します。

障害のある人とない人がお互いに尊重し支え合う共生社会の実現のために、皆さんも障害のある人について知り、身近なこととして考えてみましょう。

 

(取材協力:内閣府 文責:政府広報オンライン)

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