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従業員の雇用を守るために。
~「雇用調整助成金」の支給要件が平成21年12月からさらに緩和されました~

平成22年2月掲載  
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企業にとって従業員は、技術力やノウハウを支え、新しい発想で未来を切り開く活力の源です。しかし、深刻な経済状況が続く中、多くの企業が、事業活動の縮小によって経営が悪化し、従業員の賃金削減や解雇などの雇用調整を行わざるを得ないような状況に陥っています。そのようなとき、安易に従業員を解雇せずに、雇用を守るための制度として「雇用調整助成金」があります。平成21年12月から支給要件がさらに緩和され、利用できる企業が広がっています。

 

雇用の維持を図ることは企業の将来を守ること

企業の事業活動は、景気の変動に大きく左右されます。景気がよく、事業活動が活発なときは人手が要りますが、逆に景気が悪く、売り上げが減り、事業活動を縮小せざるを得ないときは、従業員の賃金を減らしたり、人手を減らしたりしなければ、企業自体が存続できない場合もあります。

しかし、そのように事業活動を縮小せざるを得ないときでも、すぐに解雇などの人員整理に走るのではなく、従業員の雇用をできるかぎり守ることが、企業にとっても従業員にとっても多くのメリットがあります。

解雇などの人員整理は、労使の信頼関係を崩し、従業員のモチベーションやモラールが低下して、経営の非効率化につながります。また、雇用に対する不安が、消費を冷え込ませ、景気をさらに悪化させる恐れもあります。さらに、景気が回復した後に、人材確保が困難となり、採用や訓練などの費用負担が増えるなどのデメリットもあります。

一方、解雇ではなく、休業や教育訓練などを行い、雇用の維持を図ることは、労使の信頼関係をより深めます。また、教育訓練をすることによって労働者の能力が向上し、景気回復後の経営・生産・販売・研究開発などの効率性も高まります。労働者の生活も守られるので、景気の悪化をくい止めることにもつながります。

 

雇用の維持を図る企業を支援する「雇用調整助成金」

事業活動を縮小しなければならないときに、雇用維持を図る方法には、「休業」「教育訓練」「出向」などがあります。いずれの場合も、企業側は、経営状況も厳しい中で、その間の従業員の賃金や教育訓練の費用などを負担しなければなりません。そこで、このように雇用維持に努力する企業を支援するため、国は「雇用調整助成金」により休業手当等の一部を助成しています。

この制度は、昭和56年に設けられたものですが、最近の厳しい経済・雇用状況の中、支給要件が緩和されてきており、平成20年12月からは中小企業を支援するための「中小企業緊急雇用安定助成金」も創設されました。

平成20年12月以降、雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金を利用する事業所数・対象者数は急増しており、平成21年度は月平均で約8万事業所、対象者数では約200万人が利用しています。こうした状況を踏まえ、平成21年12月に、支給要件がさらに緩和されました。

 

「雇用調整助成金」の主な支給要件

雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金の支給対象となるのは、雇用保険の適用事業主、雇用保険の被保険者である労働者です。助成金の主な支給要件は下記のとおりです。

 

雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金の支給要件

(1)次のいずれかの生産量要件を満たすこと

  • 売上高または生産量などの事業活動を示す指標の最近3か月間の月平均値がその直前3か月または前年同期に比べ5%以上減少していること。中小企業では、前期決算等の経常損益が赤字の場合、5%未満の減少でも可能です。
  • 売上高または生産量などの事業活動を示す指標の最近3か月の月平均値が前々年同期に比べ10%以上減少し、直近の決算等の経常損益が赤字であること。なお、大企業事業主の場合は対象期間の初日が平成21年12月14日から平成22年12月13日、中小企業事業主の場合は対象期間の初日が平成21年12月2日から平成22年12月1日までの間にあるものに限ります。

(2)実施する休業、教育訓練、出向が労使協定に基づくものであること

(3)休業手当の支払いが労働基準法第26条の規定に違反していないこと

 

休業、教育訓練、出向にかかる費用の一部を助成します。

雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金では、休業、教育訓練、出向にかかる費用の一部を助成します。

助成される金額は、現在、大企業では休業手当や賃金等の3分の2、中小企業では休業手当や賃金等の5分の4となっています。教育訓練を行うときには、それぞれ4,000円、6,000円がこれに加算されます。また、解雇、雇止め、派遣労働者の中途契約解除等を行わない事業主や、障害のある人の休業に対しては、さらに助成率が上乗せ(※)されます。なお、教育訓練の実施にかかる加算額を除いた日額は、7,685円を上限としています。

雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金の対象期間は1年となっており、1年ごとに支給要件の確認が必要です。

 

支給額等

  雇用調整助成金(大企業)   中小企業緊急雇用安定助成金(中小企業)  
休業 休業手当相当額の3分の2(上限は1人1日7,685円)
※支給限度日数は3年間で300日(休業及び教育訓練)
休業手当相当額の5分の4(上限は1人1日7,685円)
※支給限度日数は3年間で300日(休業及び教育訓練)  
教育訓練 賃金相当額の3分の2(上限は1人1日7,685円)
上記の金額に1人1日4,000円を加算
賃金相当額の5分の4(上限は1人1日7,685円)
上記の金額に1人1日6,000円を加算
出向 出向元で負担した賃金の3分の2 (上限があります) 出向元で負担した賃金の5分の4 (上限があります)

(※)助成率の上乗せは以下のとおりです。  ・大企業  3分の2  →  4分の3  ・中小企業  5分の4  →  10分の9

 

助成金の問い合わせ・申し込みは労働局またはハローワークへ

雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金を受けるためには、事前に、休業、教育訓練、出向などの実施について、都道府県労働局またはハローワークへの「休業等実施計画(変更)届」の提出が必要です。

初めて申請するときは、これに加えて「雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書」を、必要書類を添付して、休業等の初日の2週間前をめどに提出することが必要です。

また、「休業等実施計画(変更)届」は、事業主が指定した1年間の対象期間内において、休業等を行う期間(賃金締切期間の1か月)ごとに、事前に提出することが必要です。

助成金の申請に関する詳しい情報については、都道府県の労働局または最寄りのハローワークにお問い合わせください。また、「休業等実施計画(変更)届」等の様式については、厚生労働省のホームページをご覧ください。

 

<取材協力:厚生労働省  文責:政府広報オンライン>

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