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気にしていますか? たばこの煙~受動喫煙を防ごう~

平成22年8月掲載  
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たばこの煙に含まれる発がん物質などの有害物質。実は、喫煙者が吸い込む煙よりも、たばこの先から出ている煙のほうに多く含まれていることをご存じでしょうか。非喫煙者でも、このたばこの煙を吸い込むこと(受動喫煙)によって、健康への害が生じます。喫煙者の方も、喫煙場所を提供する飲食店や施設などの方も、受動喫煙防止への配慮をお願いします。

 

喫煙者も気にしている! たばこが健康に及ぼす害

たばこを吸う人の数は年々減ってきています。平成20年の国民健康・栄養調査によれば、習慣的に喫煙している人の割合は、男性で36.8%、女性で9.1%。女性の喫煙率は横ばいで推移していますが、男性の喫煙率は平成15年の調査時と比べて10%も減っています。また、習慣的に喫煙している人でも、男女とも6割前後の人が「やめたい」「本数を減らしたい」と考えています。また、半数以上の人が、過去に禁煙を試みたと答えています。

「たばこをやめた」あるいは「たばこをやめたい」大きな理由の一つとして挙げられるのが、健康面への影響です。

たばこが健康に及ぼす影響については、まず、肺がんやCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、心疾患をはじめとする、さまざまな病気のリスクを高めるということが挙げられます。例えば、非喫煙者の死亡の危険度を1とした場合、肺がんは男性が4.8倍、女性が3.9倍、COPDは男性が3.1倍、女性が3.6倍、心疾患は男性が2.2倍、女性が3倍となっています。

また、女性の場合は、喫煙が健康に与える影響として、非喫煙者に比べて、早産や流産の危険が高まるほか、産まれる子どもが低体重児になりやすいという報告もあります。

非喫煙者を1としたときの喫煙者の死亡の危険度

非喫煙者を1としたときの喫煙者の死亡の危険度

資料:2008年厚生労働省研究班

 

より有害な「副流煙」にさらされる周囲の人々

たばこの煙には、数千種以上の化学物質が含まれており、タールやニコチン、一酸化炭素などの有害物質が含まれています。特にタールは、多くの発がん性物質を含み、肺がんをはじめ多くのがんを引き起こします。そして、こうした有害物質は、喫煙者がフィルターを通して吸い込む「主流煙」よりも、たばこの先から立ち上る「副流煙」のほうに、より多く含まれていることが分かっています。

たばこを吸わない非喫煙者でも、たばこを吸う人の周囲にいれば、いやでも喫煙者がはき出した煙や副流煙にさらされ、受動喫煙によって、健康への影響を受けることになります。

例えば、ある調査によると、非喫煙者の妻が1日20本以上の喫煙をする夫を持つ場合、非喫煙者の夫を持つ人に比べて肺がんで死亡する率が約2倍も高いという結果が報告されています。また、2006年に公表された「米国公衆衛生総監報告」でも、受動喫煙による健康への影響について、次のような報告がされています。

  • 受動喫煙によって冠動脈心疾患のリスクが25%~30%増加する
  • 喫煙者との同居に伴う受動喫煙が原因で、肺がんリスクが20%~30%増加する
  • 受動喫煙と乳幼児突然死症候群の間には関係がある
  • 親の喫煙による受動喫煙と、幼児及び子どもにおける下気道疾患の間には関係がある
  • 親の喫煙と、中耳炎や慢性滲出性中耳炎などの小児の中耳疾患の間には関係がある

 

施設等に求められる、受動喫煙を防ぐための対策

吸わない人の健康にも影響を及ぼす受動喫煙を防ぐため、日本では、受動喫煙防止の規定を盛り込んだ「健康増進法」が、平成15年5月に施行されました。この法律によって、学校や病院、官公庁施設、百貨店、飲食店など、多数の人が利用する施設では、受動喫煙を防ぐための対策を講ずるよう努めなければならないことになりました。

受動喫煙を防止するための対策としては、施設内での喫煙を全面的に禁止する「屋内全面禁煙」と、喫煙できる場所と喫煙できない場所を分割する「分煙」があります。法施行後、私たちの周りでは、さまざまな場所で禁煙や分煙の取り組みが進んできています。

施設名 屋内全面禁煙 分煙 対策なし 出典
高校 55.3% 44.0% 0.7% 学校における受動喫煙防止対策実施状況調査(平成17年)
病院 63.8% 35.0% 0.5% 医療施設調査・病院報告(平成20年)
旅館 0.8% 23.0% 74.4% 生活衛生関係営業経営実態調査報告(旅館業)(平成18年度)
職場 18.4% 27.9% 53.6% 労働者健康状況調査(平成19年)
官公庁施設 庁舎内に喫煙場所がある90.2% 喫煙対策実施状況調査(平成17年)
事務室内禁煙87.8%
都道府県庁 17道府県 30都県
わが国の今後の喫煙対策と受動喫煙対策の方向性とその推進に関する研究(平成20年度)
大学病院 78.8% 11.2% 10.0%

 

すべての公共の場が「分煙」から「全面禁煙」へ

受動喫煙を防ぐ取り組みは、日本だけでなく世界的にも広がっています。2005年に「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」が発効し、日本を含む約167(平成21年10月現在)の締約国に、条約の第8条に規定される「たばこの煙にさらされることからの保護」に関する取り組みが求められています。

この第8条を実現するため、2007年に採択された「たばこの煙にさらされることからの保護に関するガイドライン」では、換気、空気清浄機、喫煙区域の指定など100%完全禁煙以外の方策では受動喫煙を防止できないため、100%完全禁煙とすること、すべての人々を受動喫煙から守るために、すべての屋内の職場と公共の場所は禁煙とするべきであること、人々を受動喫煙から守るための立法措置を条約発効から5年以内に実施することなどを原則としています。

このような状況を踏まえ、厚生労働省では、平成22年2月に、都道府県等に対して、「公共の場では原則として全面禁煙であるべき」ことを通知しました。やむを得ない場合は分煙での対応を認めることとしていますが、今後は「分煙」から一歩進んだ「全面禁煙」の取り組みを促進していくこととしています。

 

たばこの煙を吸わせない! 周囲の人への気配りを

 

全面禁煙が進むことによって、喫煙できる場所がこれまで以上に制限されることは、喫煙者の皆さんにはつらいことかもしれません。しかし、喫煙者にとって喫煙は楽しみの一つでも、その煙は周囲の吸わない人の健康にも悪影響を及ぼします。そのことを十分理解し、各施設での受動喫煙防止対策への協力をお願いします。受動喫煙防止対策がされていない場所でも、同じ空間に非喫煙者がいる場合は、たばこの煙を吸わせないよう配慮するようにしましょう。

また、禁煙したいと考えている人は、これをきっかけに、「禁煙」に挑戦してみてはいかがでしょうか。喫煙者の多くは、ニコチン依存症といわれており、自分の意志だけでは禁煙が難しいといわれます。そのような人は、医師が禁煙をサポートする「禁煙外来」に相談してみましょう。

禁煙外来では、医師がニコチン依存度などを診断し、禁煙補助薬を処方しながら、本人に合った治療プログラムで禁煙に導いていきます。禁煙外来を設置している医療機関は全国各地にあり、保険による治療も受けられます(保険が適用されない場合もあります)。禁煙外来を行っている医療機関については、都道府県の健康福祉担当窓口や保健所にお問い合わせください。

 

(取材協力:厚生労働省 文責:政府広報オンライン)

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