あなたのお住まい、耐震性は大丈夫?
耐震診断・耐震改修を支援する制度があります
- 平成7年の阪神・淡路大震災では、地震で亡くなられた方の約9割が建築物の倒壊等や家具の転倒によって亡くなっています
- 昭和56年以前の耐震基準で建てられた家屋や建築物は、耐震性が不足している可能性があります。早めに耐震診断・耐震改修をしておくことが重要です
- 住宅の耐震化率は約79%(平成20年現在)となっていますが、耐震性が不足している住宅は、依然として約1,050万戸もあります
- 耐震診断・耐震改修を後押しするために、国や地方公共団体では、「助成」「税制」「融資」の3つの支援策を設けています
世界有数の地震大国と言われる日本。地震活動が活発な環太平洋地震帯に位置する日本では、昔から大地震が頻繁に発生しており、昨年発生した東日本大震災のような大地震が近い将来高い確率で発生すると予測されています。平成7年の阪神・淡路大震災では、亡くなった方の約9割が建築物の倒壊や家具の転倒によるものでした。大地震が発生したとき、建築物の倒壊を防ぎ、大切な命を守るために、住宅や建築物の耐震診断・耐震改修を進めましょう。
日本のどこでも起こりうる地震災害
約6,400人もの命を奪った平成7年の阪神・淡路大震災。その後16年の間に、昨年3月11日に発生した東日本大震災をはじめ、平成15年の十勝沖地震、平成16年の新潟県中越地震、平成17年の福岡県西方沖地震、平成19年の能登半島地震、新潟県中越沖地震など、大きな地震がいくつも発生しています。
地震活動が活発な環太平洋地震帯に位置する日本では、こうした大地震が昔から頻繁に発生しており、近い将来にも、東海地震や東南海地震をはじめとした大規模地震が、高い確率で発生すると予測されています。
今後発生する可能性がある大規模地震(主な海溝型地震)
日本に暮らす私たちは、近い将来起こりうる大地震に備え、自分たちの命を守り、被害を最小限に食い止めるために、できるかぎりの備えをしておくことが必要です。住宅や建築物などの耐震化もその一つです。
1981年(昭和56年)以前に建てられた建築物は、耐震性が不十分な可能性
阪神・淡路大震災では、地震で亡くなった方の約9割が建築物の倒壊や家具の転倒による圧死でした。全壊あるいは半壊した住宅は20万棟以上。特に、新耐震基準が導入された昭和56年以前に建てられた建築物に被害が集中しました。一方、昭和57年以降に建てられた建築物の7割以上は、被害が軽微もしくは無被害となっています。つまり、新耐震基準が導入された昭和56年以前に建てられた建築物には耐震性が不十分なものがあるといえます。 耐震基準とは、一定の強さの地震が起きても倒壊または損壊しない建築物が建築されるよう、建築基準法が定めている基準のことです。現行の新耐震基準は昭和56年に導入され、「震度5強程度の地震でほとんど損傷しないこと」「震度6強~7に達する程度の地震で倒壊・崩壊しないこと」を求めています。
阪神・淡路大震災の原因別死者数
| 死者数 | |
|---|---|
| 家屋、家具類等の倒壊による圧迫死と思われるもの | 4,831(88%) |
| 焼死体(火傷死体)及びその疑いのあるもの | 550(10%) |
| その他 | 121(2%) |
| 合計 | 5,502(100%) |
出典:平成7年度版「警察白書」
建築年別の被害状況(建築物)

出典:平成7年阪神淡路大震災建築震災調査委員会中間報告
また、建築物が倒壊すると、建築物の中にいる人が危険にさらされるだけでなく、火災の誘発や延焼につながったり、消火・救助活動の妨げになったりするなど、二次的な被害を招く可能性もあります。命の安全を守り、二次的被害を広げないためにも、建築物の耐震性を確認・強化しておくことが必要です。
耐震化が図られていない住宅は全国で約1,050万戸
住宅や建築物の耐震性を強化するためには、現在利用している住宅・建築物が地震に耐えられるかどうか、耐震診断を行い、その結果を踏まえて必要な耐震改修を行うことが必要です。
国土交通省の調査によれば、住宅の耐震化率は約79%となっており、耐震性が不十分な住宅は約1,050万戸に上ります。また、学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、老人ホームなど、多数の人が利用する一定規模以上の建築物(特定建築物)の耐震化率は約80%となっています。
政府の中央防災会議による被害想定では、住宅で耐震改修が行われない場合、建物倒壊による死者数は、東海地震では約6,700人、東南海・南海地震では約6,600人、首都直下地震では約3,100人に上ると想定されています。一方、住宅の耐震化をさらに進め、耐震化率を90%にすることによって、建物倒壊による死者数はおよそ半減すると想定されています。
昭和56年以前の建築物がすべて危険というわけではありませんが、昭和56年以前に建てられた住宅・建築物で、耐震診断・耐震改修を行っていない場合は、早めに耐震診断・耐震改修を行うことをお勧めします。
まずは、耐震診断を受けましょう
耐震診断は、建築士などの専門家が、住宅・建築物の耐震性がどの程度かを調査して、耐震改修工事の必要性があるかどうかを判定するものです。住宅の耐震性は、昭和56年に導入された新耐震基準で建てられたかだけでなく、地盤や基礎、建築物の形・構造、劣化状況などによっても違ってきます。専門家が行う耐震診断では、現地で建築物の現況を調査しながら、耐震性を総合的に評価し、耐震性に問題がある場合は補強工事のアドバイスを行います。
耐震診断をどこに依頼してよいか分からない場合は、お住まいの地方公共団体(都道府県・市区町村)の住宅・建築担当窓口にご相談ください。地方公共団体によっては、一定の要件を満たす建築事務所などを耐震診断事務所として登録し、そのリストを公表しているところや、無料で専門家を派遣し、簡易な耐震診断を行っているところもあるので、そちらを利用することもできます。
耐震診断を実施する建築設計事務所については、財団法人日本建築防災協会のウェブサイトでも、リストを公表していますので、参考にしてください。
耐震性が不足していると判定されたら、耐震改修工事を行いましょう
耐震診断の結果、倒壊する可能性があると判定された場合は、耐震改修工事を行いましょう。耐震改修工事を行う場合は、まず、建築士などと一緒に耐震改修の計画と設計を行います。工事費用や期間はどのくらいかかるのか、工事期間中は引っ越す必要があるのかなど、疑問点があるときは、しっかりと確認しておきましょう。
木造住宅の場合は、主に次のような部分で耐震改修が行われます。
木造住宅の耐震改修のポイント
(1)基礎
ひび割れ箇所の補修や、鉄筋コンクリート基礎の打ち増しなどによって、基礎を補強します。
(2)壁の強さ
筋かいを入れたり、構造用合板を貼ったりすることで、横方向の揺れに強い壁に補強します。
(3)壁の量と配置
一定量の壁を建築物の四方にバランスよく配置することが重要です。開口部が多い建築物や複雑な形状をしている建築物は注意が必要です。
(4)部材の接合部
柱や梁、土台、筋かいなどをしっかりとつなぎ合わせることが必要です。土台と柱、下屋の付け根、筋かいの端部などを、力のかかり方に応じた接合金物で補強します。
(5)腐朽・蟻害
木材住宅では、柱や土台など構造上重要な木材が、腐ったり、シロアリによる被害を受けたりする場合があります。そのような場合は、傷んだ部分を取り替えるなどの補修をします。
(6)地盤の状態
埋立地などの地盤が弱い場所では、基礎の補強や壁の補強をします。傾斜地などでは、斜面の土が崩れるのを防ぐ擁壁(ようへき)や石垣が崩れやすくなっていないかを確認します。

「助成」「税制」「融資」の3つの制度で耐震診断・耐震改修を支援
耐震診断・耐震改修を行うにあたって、気になるのは費用のことでしょう。専門家に依頼して行う耐震診断の費用は、規模などによりケース・バイ・ケースですが、木造住宅の場合で一般的に10万~20万円と言われています。また、耐震改修工事の費用は、住宅の状況や採用する工法などによって異なるため、一概にいくらかかるとはいえませんが、財団法人日本建築防災協会の調べによれば、木造住宅では、100万~150万円程度の耐震改修工事が多くなっているようです。なお、耐震改修に併せて、他のリフォームを実施することも費用を抑える上で有効です。
こうした耐震診断や耐震改修にかかる個人の負担を軽くし、住宅の耐震化を促進するため、国や地方公共団体では、次の3つの支援策を行っています。
(1)地方公共団体による耐震診断、耐震改修に対する助成制度
耐震診断、耐震改修を行う場合に、費用の一部を、国と地方公共団体が補助する制度です。
地方公共団体によって、補助率、補助限度額及び補助対象等の助成制度の内容が異なります。補助制度の有無や詳細はお住まいの地方公共団体の住宅・建築担当窓口へお問い合わせください。
【問い合わせ先】 お住まいの地方公共団体の住宅・建築担当窓口
(2)税制上の優遇制度
一定の条件を満たす場合、所得税や固定資産税などの減税を受けることができます。
- 所得税の減税(平成25年まで)
自ら居住の用に供している昭和56年5月31日以前に建築された住宅に対し、現行の耐震基準に適合させる補強工事を行った場合には、一定の特別控除を受けることができます。 - 固定資産税の減税(平成27年まで)
昭和57年1月1日以前からある住宅について、平成18年1月1日から平成27年12月31日までの間に、現行の耐震基準に適合させる補強工事を行った住宅に対して、一定の減額措置を受けることができます。
【問い合わせ先】 お住まいの地方公共団体の住宅担当窓口
(3)住宅金融支援機構による融資制度
一定の条件を満たす場合、耐震改修に要する経費について、独立行政法人住宅金融支援機構による融資制度が用意されています。
- 個人向けの融資では、融資限度額1,000万円かつ住宅部分の工事費の80%が上限
- マンション管理組合向けの融資では、融資限度額1戸につき原則として150万円かつ共用部分の工事費の80%が上限
【問い合わせ先】 独立行政法人住宅金融支援機構
これらの支援制度のほかに、エコリフォームと併せて耐震改修を実施する場合、「復興支援・住宅エコポイント」をご利用いただくことができ、最大で45万ポイントが付与されます。詳しくは復興支援・住宅エコポイントのウェブサイトをご覧ください。
耐震診断・耐震改修や支援に関する詳しい情報は、お住まいの地方公共団体にお問い合わせください。また、耐震改修支援センター(財団法人日本建築防災協会)のウェブサイトでも、耐震診断・耐震改修に関する様々な情報や助成制度、地方公共団体の相談窓口一覧などの情報を提供しています。ぜひ、ご利用ください。
<取材協力:国土交通省 文責:政府広報オンライン>
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