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石綿による健康被害を受けた方へ
「石綿健康被害救済制度」があります

最終更新平成26年3月19日

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中皮腫や肺がんなど石綿に関連する病気は、石綿にさらされてから長い潜伏期間を経て発症するため、石綿による健康被害は今も増え続けています。石綿に関連する仕事をしていた方には、労災保険による給付があります。労災保険の給付を受けられない方には、平成18年から「石綿健康被害救済制度」による「救済給付」と「特別遺族給付金」が設けられています。この制度による石綿健康被害者の救済を充実するため、平成23年8月に石綿健康被害救済法が改正され、特別遺族弔慰金などの請求期限が10年間延長されました。

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石綿(アスベスト)を吸い込んで何十年も経ってから現れる健康被害

石綿(アスベスト)は、天然の中でできた鉱物繊維です。熱や摩擦、酸やアルカリにも強く、丈夫で変化しにくいという特性をもっていることから、ビルなどの保湿断熱やスレート材、ブレーキライニング、ブレーキパッド、防音材、断熱材、保温剤など様々な場所で使われてきました。特に、1970年から90年にかけては年間30万トンもの大量の石綿が輸入され、その8割が建材に使用されたと言われています。現在では、石綿に中皮腫や肺がんなどの発がん性があることから、原則として石綿の製造・使用は禁止されています。

中皮腫や肺がんをはじめとする石綿による健康被害は、人の髪の毛の直径よりもずっと細い繊維である石綿が空気中に飛散・浮遊し、それを吸い込むことによって起こります。しかし、健康被害の症状はすぐには現れず、何十年もの潜伏期間を経て、中皮腫や肺がんなどの病気として発症するのが特徴です。

石綿による健康被害は、石綿鉱山や石綿製品製造工場、断熱作業などで石綿や石綿製品を取り扱う仕事をしていた方や、造船業や車輌製造など石綿を取り扱う現場で働いていた方などは、仕事柄、石綿のばく露(石綿が浮遊する環境にさらされること)の機会が多かった方に多く見られます。また、石綿工場で働く人の作業着を家庭で洗濯するときに、家族が作業着に付いた石綿を吸い込んだり、工場などから飛んでくる石綿を近隣住民が吸い込んだりするなど、仕事以外で石綿にさらされた方の中にも、中皮腫などの石綿による健康被害が現れる場合があります。

アスベストが原因となる主な病気

病名 概要
中皮種 肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜等にできる悪性の腫瘍です。中皮腫のほとんどは石綿ばく露が関係しています。石綿の累積ばく露量が多いほど発症率が高くなりますが、家庭内ばく露や近隣ばく露など低濃度でも発症する危険があります。
【潜伏期間:20~50年】
肺がん(原発性肺がん) 石綿が肺がんを起こすメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、肺細胞に取り込まれた石綿繊維の主に物理的刺激により肺がんが発生するとされています。また、喫煙と深い関係にあること、また、ばく露量が多いほど肺がんの発生が多いことが知られています。
【潜伏期間:15~40年】
石綿(アスベスト)肺 肺が線維化してしまう肺線維症(じん肺)という病気の一つで、石綿のばく露によって起きた肺線維症を特に石綿肺とよんで区別しています。職業上アスベスト粉塵を10年以上吸入した労働者に起こるといわれています。
【潜伏期間:15~20年】
びまん性胸膜肥厚 アスベストによる胸膜炎の発症に引き続き、胸膜が癒着して広範囲に硬くなり、肺がふくらみにくくなり呼吸困難を引き起こす病気です。比較的高濃度の石綿のばく露が累積して発症すると考えられています。
【潜伏期間:30~40年】
良性石綿胸水(※) 胸水とは胸膜腔内に胸水が溜まる症状で、石綿の吸入によって起こるものを「良性石綿胸水」と言います。半数近くは自覚症状がないといわれ、症状がある場合は咳、呼吸困難の頻度が高いと言われています。
【潜伏期間:平均40年】

資料:厚生労働省「アスベスト(石綿)についてQ&A」を基に作成

※良性石綿胸水については、後述する「労災保険」や「特別遺族給付金」の対象となっていますが、「石綿健康被害救済制度」の救済給付の指定疾病とはなっていません。

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仕事が原因で石綿の健康被害を生じた方には、「労災保険」による給付で補償

仕事が原因で石綿の健康被害が生じた場合は、「労働者災害補償保険制度(労災保険制度)」による補償を受けることができます。労災保険は、仕事が原因となって生じた負傷や疾病、障害、死亡を被った労働者やその遺族に対して保険給付がされる制度です。

現在、雇用されている方や過去に雇用されていた方が、石綿にさらされる業務に従事していたことが原因で、肺がんや中皮腫などの石綿との関連が認められた病気を発症し、療養や休業、あるいは死亡した場合には、労災保険によって、次のような給付を受けられます。なお、労災保険の給付を受けるには、その病気が、仕事が原因で発症したものであると、労働基準監督署長から認定を受けることが必要です。

労災保険による給付

療養補償給付 療養の給付(無償で治療を受けられること)または医療機関で負担した医療費を支給
休業補償給付 傷病の療養のため、労働することができず賃金を受けられないときの給付
傷病補償年金 療養開始後1年6か月経っても傷病が治らず、障害の程度が障害等級(1級~3級)に該当するときに支給
障害補償給付 傷病が治って身体障害が残ったときに、障害の程度に応じて年金(障害等級1級~7級)または一時金(障害等級8級~14級)を支給
介護補償給付 傷病年金または障害年金の対象となる障害により、介護を受けている場合に支給
遺族補償給付
および葬祭料
労働者が死亡したときに支給

労災保険の給付を受ける権利は、一定の期間を過ぎると時効によって消滅し、労災保険の給付を受けられなくなります。例えば、療養補償給付は、療養の費用を支出した日の翌日から2年、遺族補償給付は、労働者が亡くなった日の翌日から5年で時効になります。

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労災保険の給付が受けられない方の救済を図る「石綿健康被害救済制度」

石綿にかかわる仕事をしていた方の家族や、石綿製品の製造工場などの近隣に住んでいた方などで石綿に関連する病気を発症した方は、労災保険の対象とはなりません。また、労災保険の対象となる方でも、石綿の健康被害は長い潜伏期間を経て発症し、健康被害とその原因の特定が難しいため、労災保険の給付を受けずに本人が亡くなってしまったり、遺族の方が時効によって労災保険の遺族補償給付を受ける権利がなくなってしまったりすることがありました。

そこで、労災保険の給付を受けられない方に対し、迅速な救済を図るために、平成18年3月に「石綿健康被害救済法」が施行され、「石綿健康被害救済制度」が創設されました。「石綿健康被害救済制度」には、労災保険の対象にならない方のうち、中皮腫や肺がんなど指定疾病療養中の方への医療費や、その遺族への遺族給付を支給する「救済給付」、時効により労災保険の給付を受けられなくなった労働者の遺族に支給する「特別遺族給付金」の2種類の給付が設けられています。

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救済給付~日本国内で石綿により「指定疾病」にかかった人が対象

救済給付は、日本国内で石綿を吸い込むことによって、中皮腫や肺がんなどの「指定疾病」にかかり、現在療養している方の医療費や療養費、また、これらの疾病で亡くなった方の遺族に葬祭料や弔慰金などを支給するものです。救済給付の内容は次のとおりです。

救済給付による給付

医療費 医療費の自己負担分を支給
療養手当 治療に伴う医療費以外の費用負担に対する給付(支給月額103,870円)
葬祭料 指定疾患に認定された患者の葬祭に伴う費用負担に対する給付(199,000円)
救済給付調整金 指定疾病に認定された方が亡くなるまでに給付を受けた医療費と療養手当の合計が特別遺族弔慰金の額に満たない場合に、認定患者の遺族に支給される給付
特別遺族弔慰金 指定疾病が原因で亡くなった方の遺族に対する給付(2,800,000円)
特別葬祭料 指定疾病が原因で死亡した人の葬祭に伴う費用負担(199,000円)
●指定疾病 (救済給付の対象となるアスベスト健康被害)
(1)中皮腫   (2)肺がん(気管支または悪性新生物)  (3)著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺  (4)著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚

救済給付に関する手続は、独立行政法人環境再生保全機構が行います。救済給付を受けるためには、同機構から、石綿が原因で発症した指定疾病にかかった患者であると認定を受ける必要があります。

詳しくは、独立行政法人環境再生保全機構にお問い合わせください。

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特別遺族給付金~時効によって労災保険の遺族補償給付を受けられなかった方が対象

特別遺族給付金は、石綿による健康被害を生じた労働者や特別加入者(※)が、労災保険の給付を受けずに石綿による疾病で亡くなったとき、その遺族に対する救済措置として設けられた制度です。対象となるのは、石綿により疾病で亡くなった労働者の遺族で、時効により、労災保険の遺族補償給付の支給を受ける権利がなくなった方です。

※労災保険の特別加入:社長や役員など、労働者でない人でも労災保険に特別に加入することによって、労災保険の適用を受けることができる制度

特別遺族給付金

特別遺族年金 原則、年額240万円を支給
特別遺族一時金 1,200万円

特別遺族給付金の手続きについては、お近くの都道府県労働局または労働基準監督署にお問い合わせください。

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救済制度を充実するため、平成23年8月に石綿健康被害救済法が改正

石綿によって健康被害を受けた方々の救済を充実するため、平成23年8月に石綿健康被害救済法が改正されました。これにより、「救済給付」のうち、遺族の方に支給される「特別遺族弔慰金」と「特別葬祭料」、「特別遺族給付金」の請求期限がそれぞれ10年延長されるとともに、特別遺族給付金については、「平成28年3月26日までに亡くなった労働者等の遺族」に支給対象が拡大されました。

  改正前 改正後
救済給付
特別遺族弔慰金
特別葬祭料

(請求期限)

  • 施行前に死亡した方の場合
    施行日から6年を経過したとき
  • 施行後に未申請で死亡した方の場合
    未申請で死亡した方の死亡時から5年を経過したとき

(請求期限)

  • 施行前に死亡した方の場合
    施行日から16年を経過したとき
  • 施行後に未申請で死亡した方の場合
    未申請で死亡した方の死亡時から15年を経過したとき
特別遺族給付金

(請求期限)

施行日から6年を経過したとき

(請求期限)

施行日から16年を経過したとき

(受給対象)

平成18年3月26日までに亡くなった労働者の遺族

(受給対象)

平成28年3月26日までに亡くなった労働者の遺族

※施行日:平成18年3月27日

請求期限が延長され、支給対象が拡大されたことで、これまで「特別遺族弔慰金」と「特別葬祭料」、「特別遺族給付金」を受けていない方も、給付を受けられる可能性があります。石綿健康被害救済制度に関するお問い合わせやご相談は、独立行政法人環境再生保全機構や保健所、労働基準監督署などの窓口で受け付けていますので、お気軽にご相談ください。

過去に石綿にさらされる仕事をしていた方や、その家族の方など、石綿を吸い込んだ可能性のある方で、呼吸困難や咳(せき)、胸の痛みなどの症状がある方や、中皮腫や肺がんなど石綿に関連する疾病の発症が心配な方は、お近くの労災病院の「アスベスト疾患センター」などにご相談ください 。

石綿による疾病と診断された場合、これらの給付を受けるためには、主治医の診断書や石綿のばく露に関する申告書などを提出して申請し、石綿による疾病であることの認定を受ける必要があります。認定には時間がかかる場合がありますので、少しでも早く給付を受けるために、できるだけ早く申請手続きを行うことをお勧めします。

問い合わせ先

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<取材協力:厚生労働省・環境省  文責:政府広報オンライン>

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