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介護予防でいつまでも自分らしい生活を

平成24年5月掲載

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  • 介護予防は、健康寿命を延ばし、生き生きと充実した生活を送るための取り組みです
  • 介護が必要にならないためには、心身の変化に気づき、介護予防に取り組むことが重要です
  • 市町村では、65歳以上の方を対象に、様々な介護予防事業を行っています
  • 生活機能のチェックリストを活用して、自分の心身の状態を把握することが大事です

年をとると体の機能などが低下してくるのは仕方がないと思っていませんか。平均寿命が80歳を超えている現在、長い人生を自分らしく過ごすためには、心とからだの健康寿命をも伸ばすことが大事です。そのためには、常日頃から高齢者の皆さん自らが、心とからだの機能の維持・向上を図る「介護予防」を行うことが重要です。皆さんが介護予防を行う手助けとして、市町村では様々な「介護予防事業」を行っています。

 

ちょっとした不調から、支援や介護が必要な状態につながってしまいます

からだを動かさないでいると

人生80年といわれる今日、いくつになっても生きがいをもち、自分らしく生活することは、多くの人の願いです。そのためには、心もからだもできるだけ長く健康を保ち続けることが何よりも重要です。

最近は、元気で活動的なシニアの方々も多くなっており、「介護や支援の話など、自分にはまだ関係ない!」と思っている方も多いでしょう。しかし、高齢化が進む中で、介護が必要となる方だけでなく、家事や身の周りの支度などを自分だけで行うのが難しくなり、日常生活の中で少し支援を必要とする方も増えています。何らかのきっかけでからだを動かす機会が減り、からだを動かさない状態が続くことなどにより、体を動かしづらくなってしまう可能性が誰にでもあります。

からだの機能は、少しずつ変化していきます。少し歩きづらい、疲れやすいなどと感じたとき、年のせいだからなどとあきらめて、日頃行っていた活動や外出をしなくなってしまうと、活動が低下し筋力が衰えたり関節が固くなったりします。また、食欲が減り栄養不足になってしまい、体力が落ち、気力や意欲もわかなくなることがあります。その結果、さらに体を動かしづらくなり活動が低下し、負のスパイラルに陥ってしまいます。このように、負のスパイラルに陥ってしまうことで、ちょっとした不調から、支援や介護が必要な状態につながってしまうのです。

介護予防は、社会参加や生きがいづくり

 介護予防は、「要介護状態の発生をできる限り防ぐ(遅らせる)こと、そして要介護状態にあってもその悪化をできる限り防ぐこと、さらには軽減を目指すこと」と定義されていますが、単に介護が必要な状態になるのを防ぐために行うのではありません。その目的は、高齢者の方自身が、活動的で生きがいのある生活や人生を送ることができるようにすることです。

あまり外に出歩かなくなったり、ほかの人や社会と接する機会が少なくなったりすると、活動量が減ったりして、心やからだの機能が低下していくおそれがあります。いつまでも自分らしい生活を維持することができるように、高齢者の方々自らが、日頃から積極的に外出して地域の活動に参加したり、地域の人と交流したりするなどにより、生きがいややりがいを見つけ自己実現を果たすことで、生涯を通じて「介護予防」を続けることが重要です。

このように、介護予防は継続して取り組むことが重要ですが、各市町村では、広く65歳以上の方を対象にして、早くから心やからだの機能が低下して動きづらくなることを予防し、健康を維持するための「一次予防事業」として、自主活動を支援したり、地域サロンなど高齢者が誰でも参加できる場や機会を増やし、高齢者の介護予防の取組を支援しています。他にも、講演会や相談会など、地域によって様々な活動が行われています。

自分のからだが今までと少し違うと感じたときに

各市町村では、日常生活で身の回りのことや家事などが少しやりにくくなってきた方を対象にして改善を図る「二次予防事業」が行われています。

それぞれの市町村が、「運動器の機能向上」、「栄養改善」、「口腔機能の向上」「認知機能の低下予防」などさまざまなプログラムを、地域の実情に応じて用意しています。このプログラムの参加の対象者となるかどうかは、それぞれの市町村が65歳以上の方々に配布している、「基本チェックリスト」という質問票で確認します。チェックリストの結果によって、それぞれの市町村からプログラムへの参加を呼びかけています。

市町村で行われている主なプログラム例

運動のプログラム

使う機会の減った筋肉を動かしたり、バランス感覚を養う運動などを行うことにより、低下した機能の向上を図り、転倒や閉じこもりを防ぎます。

栄養のプログラム

管理栄養士の助言・指導により、食に関する関心を高めたり、バランスの取れた食事について、実際に調理実習をするなどして学びます。

口腔のプログラム

歯科衛生士等の助言・指導により、噛む力、飲み込む力、口の衛生などを保ち、むせにくくしたり、飲み込む機能を高めます。

基本チェックリストで、自分の心身の状態を客観的に把握しましょう

市町村から送付される「基本チェックリスト」は、自分の心やからだの状態を、自分でもちゃんと把握するためにも大事です。基本チェックリストでは、下のような25の項目について「はい」「いいえ」で質問に答えます。それぞれの項目から、少し注意が必要なことが分かります。

基本チェックリストで、自分の状態を時々確認してみて、変化が見られたり心配なことが見つかったら、お住まいの市町村の地域包括支援センターや保健師に相談しましょう。

1
バスや電車で一人で外出していますか 日常生活関連動作に関すること
2
日用品の買い物をしていますか
3
預貯金の出し入れをしていますか
4
友人の家を訪ねていますか
5
家族や友人の相談にのっていますか
6
階段や手すりを、壁をつたわらずに昇っていますか 運動機能に関すること
7
いすに座った状態から何もつかまらずに立ち上がっていますか
8
15分くらい続けて歩いていますか
9
この1年間に転んだことがありますか
10
転倒に対する不安は大きいですか
11
6か月くらいで2~3kg以上の体重減少がありましたか 栄養状態に関すること
12
身長と体重はどのくらいですか
13
半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか 口腔機能に関すること
14
お茶や汁物などでむせることがありますか
15
口の渇きが気になりますか
16
週に1回以上は外出していますか 閉じこもりに関すること
17
昨年と比べて外出の回数が減っていますか
18
周りの人から「いつも同じことを聞く」などの物忘れがあると言われますか 認知機能の低下に関すること
19
自分で電話番号を調べて、電話をかけることをしていますか
20
今日が何月何日か分からないときがありますか
21
ここ2週間、毎日の生活に充実感がない うつ状態またはうつ傾向に関すること
22
ここ2週間、これまで楽しんでやれていたことが楽しめなくなった
23
ここ2週間、以前は楽に出来ていたことが今ではおっくうに感じられる
24
ここ2週間、自分が役に立つ人間だと思えない
25
ここ2週間、わけもなく疲れたような感じになる

また、公益財団法人長寿科学振興財団が運営するウェブサイト「健康長寿ネット」でも、インターネット上で市町村が送付するものと同じチェックリストが用意されています。各チェック項目に答えることでいまの生活機能の状態が表示され、さらに運動機能など具体的な生活機能や日常生活へのアドバイスが表示されますので、ぜひ、活用してみてください。

取り組み事例

地域住民と協働で行う介護予防事業(大阪府大東市)

人口約13万人のうち、高齢者率19.2%の大阪府大東市では、「一次予防事業」として地域住民が主体となり、「大東元気でまっせ体操」を推進しています。これは、座ってする体操、立ってする体操、寝転んでする体操の3つのパターンで、高齢者自身の状態に合わせて、効果的な運動ができるように考えられたオリジナル体操です。日常生活で身の回りのことや家事などが少しやりにくくなってきた方を対象にして改善を図る「二次予防事業」は、こうした住民主体の活動の場に出向いて行っています。大東市ではこの体操を月3回以上継続的に開催している自主グループが80団体を超えています。継続グループ、新規グループには特典を用意し、参加意欲を高めています。継続的に活動を行うことで、住民同士の交流が深まっています。また、参加者が地域住民のことを気にかけ、小学校の登下校の見守り隊として参加するようになるなど、参加者と地域社会のつながりや、世代を超えた地域の人と人のつながりも生まれています。

いつでも誰でも行ける地域サロン(愛知県武豊町)

人口約4万2千人のうち、高齢者率19.7%の愛知県武豊町では、「一次予防事業」として地域住民が主体となり、町内7か所に高齢者と地域をつなぐお茶の間、「憩いのサロン」が開設、運営されています。主に65歳以上の方がどの会場でも何回でも気軽に参加でき、地域の人と人のつながりを築く場所になっています。会場では、お茶を飲みながらおしゃべりをするだけでなく、健康体操や踊り、歌、季節の行事、子どもたちとの交流など、参加者の要望に応じて様々な活動が行われています。また、約180人の年齢や性別を問わないボランティアの協力により運営されていることから、広く世代間の交流も行われ、心理面や社会面でよい傾向が見られています。少し日常生活で身の回りのことや家事などが少しやりにくくなってきた方も、市が実施する「二次予防事業」と「憩いのサロン」の両方に参加して、健康の維持・増進を図っています。

<取材協力:厚生労働省 文責:政府広報オンライン>

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