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予備自衛官ってどんな人? 有事の際、国を支える力になる! 「予備自衛官制度」
元自衛官のキャリアが生きるのは?
即応予備自衛官とは? 自衛官未経験者でも挑戦できるのは? どんな訓練をするの?
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平成26年5月28日

「予備自衛官」は、ふだんは会社員や学生などの本業を持ちながら自衛官としての訓練を重ね、いざ有事が発生し、大きな防衛力が必要となったときに国を支える力となる人たちです。平成23年の東日本大震災では、現役の常備自衛官に加えて予備自衛官等が招集され、災害救助や後方支援などにあたりました。創設から60周年を迎えた「予備自衛官制度」について紹介します。

予備自衛官ってどんな人?~ふだんは社会人として働き、有事の際は自衛官として任務にあたります~

予備自衛官とは、ふだんは社会人や学生としてそれぞれの本業を持ちながら、一定の日数の訓練を受けて知識や技能を磨き、有事の際には、防衛招集や災害招集などに応じて自衛官として任務に就きます。訓練や招集に応じて手当が支給され、昇進する道も開かれている、“非常勤の自衛隊員”(非常勤の特別職国家公務員)です。

大きな防衛力を必要とする有事の際には大量の動員が必要となりますが、大量の人員を日頃から保持することは効率的ではありません。そこで、多くの国では、ふだんは必要最小限の人員を保持し、いざというときに、必要となる人員を急速かつ計画的に集めて戦力を増強するために、「予備役制度」を整備しています。我が国ではこれにあたるものとして、「即応予備自衛官制度」「予備自衛官制度」「予備自衛官補制度」という3つの制度が設けられています。

自衛隊の活動で皆さんの記憶に新しいのは、東日本大震災での救助活動や食料などの輸送、給水や入浴の生活支援などの活動でしょう。未曾有の大災害となったこの震災の活動では、大きな自衛隊の力が必要とされました。

発災当日の平成23年3月11日に約8,400人が動員されたのを始めとして、3月13日には動員数が約5万人に上り、最も多いときは陸海空合わせて約22万人のほぼ半数にあたる約10万7千人の自衛官が、人命救助や輸送支援、給水・給食などの生活支援そして原子力災害への対応などに携わりました。その中で、即応予備自衛官、予備自衛官も活動にあたりました。

即応予備自衛官は、主に被災三県の沿岸地域に派遣され、給水支援や入浴支援、物資輸送などの生活支援活動にあたるとともに、捜索活動にも携わりました。一方、予備自衛官は、救援活動に携わる米軍の通訳、医療、そして部隊の活動の拠点となった駐屯地における業務などにあたりました。

東日本大震災における災害招集では、予備自衛官などが所属する企業などの勤務を休んで参加することを考慮して、1週間から2週間を単位としました。即応予備自衛官は延べ2,179人(実人数1,369人)、予備自衛官は陸海空自衛隊合計で延べ469人(実人数293人)をそれぞれ招集しました。

(写真:東日本大震災における自衛隊の救助・支援活動/写真提供:防衛省)

予備自衛官制度は、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊のそれぞれに設けられています。海上自衛隊と航空自衛隊は、各々の自衛隊の経験者であることが応募の条件である「予備自衛官制度」のみ設けており、員数は海上自衛隊が1,100人、航空自衛隊が800人となっています。ここでは“即応”“予備”“補”と3つの制度を持ち、予備自衛官だけでも4万6,000人と最も数の多い陸上自衛隊を中心に、予備自衛官等制度について説明します。

予備自衛官制度の概要

  予備自衛官 即応予備自衛官 予備自衛官補
役割 第一線部隊が出動した時に、駐屯地の警備を実施する等、後方地域で任務に就く 第一線部隊の一員として、現職自衛官と共に任務に就く 予備自衛官になるための教育訓練を受ける
員数 陸上自衛隊:46,000人
海上自衛隊:1,100人
航空自衛隊:800人
陸上自衛隊:8,175人 陸上自衛隊:4,600人
採用対象 元自衛官
予備自衛官補
元自衛官
予備自衛官
自衛官未経験者
身分 非常勤の特別職国家公務員
階級の指定 元自衛官:退職時階級が原則
予備自衛官補教育訓練修了者:
一般は2士、技能は技能区分に応じ
3曹~2佐へ指定
元自衛官:退職時階級が原則
予備自衛官:退職時指定階級が原則
階級は指定しない
任用期間 3年1任期 3年1任期 一般:3年以内
技能:2年以内
(教育)訓練 主に5日/年
(20日以内/年まで可能)
30日/年 一般:50日/3年以内
技能:10日/2年以内
処遇など ・訓練招集手当:8,100円/日
・予備自衛官手当:4,000円/月
・選考による昇進あり
・訓練招集手当:(階級に応じて)10,400~14,200円/日
・即応予備自衛官手当:16,000円/月
・勤続報奨金:120,000円/1任期
・雇用企業給付金:510,000円/年
・選考による昇進あり
・教育訓練招集手当:7,900円/日
・防衛招集応招義務は課さないことから、予備自衛官手当に相当する手当は支給しない
・教育訓練課程を修了後に、陸上予備自衛官として任用
応招義務など 防衛招集、国民保護等招集、災害招集、訓練招集 防衛招集、国民保護等招集、治安招集、災害等招集、訓練招集 教育訓練招集

防衛省「予備自衛官等の制度の概要」をもとに作成

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元自衛官のキャリアが生きるのは?~1年以上の経験者が対象。第一線部隊の後方支援を担う予備自衛官~

防衛招集命令や国民保護等招集命令および災害招集命令を受けた際は、所属部隊に出頭して自衛官となります。任務としては、主に第一線の部隊が移動した後の駐屯地の警備、避難住民の救護や誘導、災害救助活動などが想定されています。

「予備自衛官」は、陸・海・空すべてに設けられており、応募資格としてそれぞれの自衛隊に自衛官として1年以上勤務した人(自衛官候補生としての期間を含む)であることが必要です。また、「士長」は37歳未満、「1尉」なら56歳未満といったように、退職時の階級に応じて応募できる年齢に制限があります。採用時に階級、職種、特技(※2)および訓練招集部隊が指定されます。

予備自衛官は、通常、年間5日間の訓練を受けることになります。訓練は、仕事に支障が少ないよう、主に土日を含む日程で設定されており、連続で受けることが望ましいとされていますが、仕事の都合などによってやむを得ない場合は、2回に分割して受けることができます。

※1:特に必要と認められる場合、6日間以上の訓練に参加可能
※2:特技:任務を遂行するために必要な資格

予備自衛官「5日間訓練」の例(訓練パターン)

(資料・写真:防衛省)

処遇については、予備自衛官の場合、予備自衛官手当が月額4,000円、訓練招集手当が日額8,100円支給されるほか、訓練参加のための往復旅費および食事が支給されるなどします。任期は3年ですが継続任用も可能となっています。

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即応予備自衛官とは?~主に退職後1年未満の元自衛官が対象。「即戦力」の予備自衛官~

即応予備自衛官も、予備自衛官と同様に、社会人や学生などそれぞれの本業を持ちながら、招集に応じて出頭し、自衛官として任務にあたります。ただし、即戦力としての役割が期待されることから、応募資格として1年以上の自衛隊勤務経験を持つ退職後1年未満の元陸上自衛官又は陸上自衛隊の予備自衛官であることと、年間30日の訓練を受けることが求められています。また防衛招集や災害等招集などの際は、あらかじめ指定された部隊において常備自衛官と同様の任務にあたります。

訓練は、格闘やリぺリング(壁などをロープを使って降下する)、市街地戦闘や陣地攻撃など、個人としての訓練と部隊としての訓練の両面において、より高度で実戦的な内容となります。

即応予備自衛官は、年間の訓練日数が多いことから、勤務先の理解を得ることが重要になります。そこで、即応予備自衛官を雇用する企業などの負担に報いるとともに、即応予備自衛官本人が訓練招集や災害等招集に出頭しやすい環境を整えるため、即応予備自衛官雇用企業給付金という制度が設けられています。

即応予備自衛官の訓練内容の一例

(資料・写真:防衛省)

(資料:防衛省)

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自衛官未経験者でも挑戦できるのは?~予備自衛官補は予備自衛官の候補者。自衛官の経験がなくても予備自衛官になることができます~

予備自衛官補は、主に自衛官未経験者を対象とした制度です。

2つのコースがあり、応募資格は「一般」は18歳以上34歳未満、特定の技能や資格を生かせる「技能」は18歳以上で、保有する技能資格に応じて53歳から55歳未満までの年齢制限があります。

「技能」コースの対象となる技能資格には、医師、薬剤師や自動車整備士、システムアナリスト、建築士などのほか、外国語の知識・技能や弁護士、司法書士などが含まれています。

予備自衛官補の採用資格と採用試験等

  採用年齢
一般 18歳以上34歳未満
技能 18歳以上で、保有する技能に応じ53~55歳未満
技能区分 技能の資格
衛生 医師、薬剤師、臨床心理士、理学療法士、作業療法士、診療放射線技師、
臨床検査技師、看護師、救急救命士(准看護師の資格を併せて保有する者)、栄養士、准看護師、歯科技工士
語学 英語、ロシア語、中国語、韓国語、アラビア語、フランス語、ポルトガル語、
スペイン語
整備 1級大型または小型自動車整備士、1級または2級二輪自動車整備士、
2級ガソリン自動車整備士、2級ジーゼル自動車整備士
情報処理 システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、テクニカルエンジニア 等
通信 総合無線通信士、陸上無線技術士、第1種工事担任者 等
電気 第1種、第2種または第3種電気主任技術者
建設 1級または2級建築士、測量士、測量士補、1級または2級建設機械施工技士、木造建築士、1級または2級建築施工管理技士、1級または2級土木施工管理技士、1級または2級管工事施工管理技士
放射線管理 第1種または第2種放射線取扱主任者
法務 弁護士、司法書士
試験種目
一般 筆記試験(教養試験、作文)、口述試験、適性検査および身体検査
技能 筆記試験(小論文)、口述試験、適性検査および身体検査
試験地
一般 各都道府県1か所以上で実施
技能 北海道札幌市、宮城県仙台市、東京都練馬区、兵庫県伊丹市、熊本県熊本市等

予備自衛官補の場合、招集があるのは教育訓練のみです。「一般」は3年以内に50日、「技能」は2年以内に10日の教育訓練を受けて、予備自衛官として必要な知識・技能を修得します。教育訓練は、教育部隊のある駐屯地に宿泊して行われます。教育訓練の訓練日程は年間複数回が準備されているため、仕事などの都合に合わせて選ぶことができますが、各回とも5日間連続して教育訓練に参加することになります。

また、予備自衛官補の身分は非常勤の特別職国家公務員となり、教育訓練に参加した場合、教育訓練招集手当や旅費が支給されます。

教育訓練のすべてを修了すると、修了の翌日に「陸上予備自衛官」として任用されます。

予備自衛官補は、平成14年度から募集が開始されましたが、すでに予備自衛官補から予備自衛官に採用された方(「公募予備自衛官」と呼びます)は、陸上自衛隊の予備自衛官全体の約9%を占めています。公募予備自衛官は、特定の技能を保有する者が多く、元自衛官の予備自衛官だけでなく、現場の自衛官にもよい刺激を与え、組織の活性化にもつながっています。

予備自衛官補「一般」の教育訓練パターンの例


予備自衛官補「技能」の教育訓練パターンの例

(資料:防衛省)

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どんな訓練をするの?~招集訓練の質を高める工夫とは~

予備自衛官、即応予備自衛官が受ける訓練や、予備自衛官補が受ける教育訓練は、いずれも自衛官として必要な知識・技能を修得するためのものですが、近年はより多角的な知見を得る機会を増やし、招集訓練の質や実戦性を高めるため、様々な工夫が凝らされています。

例えば、予備自衛官本人が希望し、かつ方面総監(※3)が特に必要と認めた場合、日米共同訓練、防災訓練および常備自衛官が実施する各種の訓練に参加することができます。

例えば平成25年11月から12月にかけて実施された「平成25年度日米共同方面隊指揮所演習(YS65)」では、予備自衛官43人が特別な招集訓練として参加し、警備、通訳、広報、法務、情報システムなどの任務にあたりました。

また平成25年9月に行われた防災訓練「ビッグレスキューかながわ(平成25年度神奈川県・平塚市合同総合防災訓練)」には、東部方面隊第31普通科連隊に所属する即応予備自衛官74人が参加しています。

平成25年10月に陸上自衛隊朝霞駐屯地で行われた中央観閲式には、予備自衛官125人が参加し、内閣総理大臣、防衛大臣、陸上幕僚長以下の自衛隊幹部および招待された各国武官の前で、常備隊員とともに整然と行進を行って観閲を受けました。

日米共同方面隊指揮所演習(YS65)への法務・英語通訳要員の参加及び通訳


ビッグレスキューかながわ


中央観閲式

(写真:防衛省)

※3:方面総監:陸上自衛隊の方面隊の指揮官。陸上自衛隊では北部方面隊、東北方面隊、東部方面隊、中部方面隊、西部方面隊の5つの方面隊が編成されており、それぞれ担当する区域の防衛警備や災害派遣などを担当している。

予備自衛官や即応予備自衛官、そして予備自衛官補などの募集や訓練について、詳しく知りたい場合は最寄りの自衛隊地方協力本部までお問い合わせください。自衛隊地方協力本部では、各地域に密着した窓口として、自衛隊の訓練・施設見学や自衛官等の採用試験、退職予定自衛官の就職援護など自衛隊に対する様々な質問・相談に応じていますので、お気軽にお問い合わせください。

予備自衛官制度が60周年を迎えます

予備自衛官制度は、昭和29年の自衛隊発足と同時に創設され、平成26年で60周年を迎えます。平成26年8月25日には、東京の市ヶ谷で制度創設60周年記念式典が開催される予定です。

この間、平成23年の東日本大震災で、予備自衛官・即応予備自衛官が初めて実際に運用され、災害派遣活動を行い、その有用性が認識されました。また、平成25年12月に閣議決定された「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱」では、「専門的技能を要するものを含む幅広い分野で予備自衛官等の活用を進めるとともに、予備自衛官等の充足向上等のための施策を実施する」ことが明記されました。現在、例えば、防衛省が発注する建設工事の総合評価方式において、災害現場での復旧工事等経験豊富な予備自衛官等を現場に配置する場合などに評価する制度など、さまざまな施策を検討しています。

陸上自衛隊では、この節目の年に、「いまこそ、予備自衛官」をキャッチフレーズに、予備自衛官制度の周知を図るとともに、訓練内容をさらに充実させていく予定です。

(ポスター:防衛省)

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<取材協力:防衛省  文責:政府広報オンライン>

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