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平成29年3月1日

特色あるベンチャーを資金面から応援!
日本政策金融公庫の「新事業育成資金」

「独創的なアイデアで新しい事業に挑戦したい」「技術力を武器に新しい製品の開発・販売に乗り出したい」――。そうしたベンチャーや中小企業を資金面から支える様々なメニューが、日本にはあります。「日本再興戦略」では、企業や国民が実力を発揮し、新しいことにチャレンジしやすい世の中を目指しています。ここでは、新事業に挑戦する中小企業を資金面から支援する、日本政策金融公庫の「新事業育成資金」と「挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)」について紹介します。

1.新たな事業へ挑戦する企業は増えているの?

日本政策金融公庫のベンチャー向け融資は増加傾向にあります

日本経済の再興に向けて、新しい成長分野を切り拓く「ベンチャー」への期待が高まっています。政府は、「日本再興戦略」を踏まえて、民間の活力を最大限に引き出し、持続的な日本経済の成長を目指して様々な施策を進めています。
この成長戦略の柱の一つとして、「産業の新陳代謝とベンチャーの加速」が掲げられています。ベンチャーが次々と生まれ、成長分野を牽引していく環境を整えていくために、政府は、ベンチャーが活躍するための制度面、人材面、資金面の障害を取り除くための総合的な対策を実施していくこととしています。

コラム

ベンチャーとは

ベンチャーとは、新しく事業を興す「起業」に加えて、既存の企業であっても新たな事業へ挑戦することを包含する概念である。
ベンチャーは、産業の新成長分野の開拓者である。未開拓の分野を切り拓き、新たな市場分野を創出する旧来型の産業を改革し、産業の新陳代謝と経済成長の原動力である。
経済産業省「ベンチャー有識者会議とりまとめ」[PDF]を参考に作成

ただ、ベンチャーは実績が乏しいことから一般の金融機関は融資に慎重になりがちで、資金を確保することが新事業を軌道に乗せるための高いハードルとなっています。
そこで政府の政策金融機関である日本政策金融公庫(以下、「日本公庫」とします)では、「新事業育成資金」や「挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)」などの融資制度を通じ、資金面からベンチャー・中小企業の支援を図っています。
次の章から、これらの制度について説明します。

グラフ1:新事業育成資金の推移

(資料:日本政策金融公庫)

2.新技術やアイデアを武器に新たな事業に挑戦する方に!

最長20年、融資限度6億円の「新事業育成資金」でサポート

新たな事業を行うために必要な設備資金や運転資金として、6億円を上限に、最長20年までの長期融資を受けることができる「新事業育成資金」があります。

この資金を利用できる条件は、「新事業を始めて概ね7年以内(※1)」「日本公庫による経営指導を受ける」といったものがありますが、特に大きなポイントは、その事業に「新規性」と「成長性」があると認められることです(「新規性」「成長性」については囲みコラムをご覧ください)。
「新規性」と「成長性」の評価は、日本公庫の中に設置された「成長新事業育成審査会」において、外部の技術士や研究者、経営コンサルタントなど、各分野の専門家が行います。

※1 「事業を始めて概ね7年以内」とは、既に長い業歴を経た中小企業であっても、新しい製品やサービスへの取組みなど、新たな事業への取組みを事業化してから概ね7年以内であれば、対象となります。
ただし、その新事業が、知的財産権に係る技術を利用する新事業や中小企業技術革新制度(SBIR)(※2)に係る特定補助金などをの交付を受けて開発した技術を利用して行う新事業、エンジェル税制(※2)の適用要件を満たす中小企業が行う新事業である場合などは、成長新事業育成審査会の認定を省略できる場合があります。新しい技術や新しいビジネスモデルを掲げて、高い成長性が見込める事業に取り組む方を主な対象としていることが、「新事業育成資金」の特徴だといえます。
※2 中小企業技術革新制度(SBIR)とエンジェル税制:
・SBIRは、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省の7省が参加している省庁横断的な制度。これら参加省庁が関わる研究開発のための補助金・委託費などの中から、中小企業者などが活用でき、その研究開発成果を活用して事業化できるものを選び、「SBIR特定補助金等」に指定しています。「SBIR特定補助金等」に指定されると、日本公庫の融資の対象となる、公共調達の入札参加機会が広がる、などの支援策を受けられます。詳細は次のサイトをご覧ください。(参考:J-Net21
・エンジェル税制は、ベンチャーへ投資を行った個人投資家に対して税制上の優遇措置を行う制度。ベンチャーへの投資を促進することが主な狙い。(参考:経済産業省「エンジェル税制のご案内」

コラム

事業の「新規性」「成長性」とは?

「新規性」と「成長性」について、日本公庫では次のように説明しています。

【事業の新規性】

【事業の成長性】

この資金による融資の担保については、日本公庫との相談で決まります。例えば、新事業に用いられるソフトウェアや特許権などの知的財産を担保にする場合や、申込み企業が新たに発行する新株予約権(下記「新株予約権付融資」の項をご覧ください)を日本公庫が取得することを条件に無担保とする場合があります。
また、挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)(※3)が適用される場合は、無担保・無保証人で資金を調達することができます。
「新事業育成資金」の利率や返済期間などについては、下記をご覧ください。
※3 「3 新事業にあたり財務体質を強化するには?」をご覧ください。

コラム

新事業育成資金の概要

【利用できる方】

【融資条件】

【担保・保証人など】

【新株予約権付融資】

「新事業育成資金」の詳細は下記をご覧ください。
日本公庫「新事業育成資金」

3.新事業にあたり財務体質を強化するには?

受けた融資について、金融機関から自己資本とみなされる「資本性ローン」があります

新事業に取り組むにあたって、適切な事業計画と財務計画を組み、経営環境に恵まれたとしても、新事業が軌道に乗って累積赤字が解消されるまで、財務面は悪化せざるを得ません。経営規模の限られるベンチャーならばなおさらのことです。そうした課題に応えるのが、日本公庫の「挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)」(※4)(以下、「資本性ローン」とします)です。

日本公庫中小企業事業における「資本性ローン」は、「無担保・無保証人」、「長期(15年・10年・7年・5年1ヵ月から選択)の期限一括償還」、「融資後1年ごとに直近決算の業績に応じた金利設定」といった特徴を持ち、3億円までの融資を受けることができます。

金利の利率は、融資後1年ごとに適用利率が見直され、業績の成功度合いに応じて利率が適用されます。
この制度で受けた融資の一部は、金融庁が、銀行などの金融機関に対して実施する金融検査において、債務ではなく自己資本とみなすことができるとしています。そのため、資本性ローンによる融資を受けても重要な経営指標である自己資本比率を下げることなく、むしろ自己資本比率を高め、経営が安定化したと銀行などの金融機関からみなされることができます。そのため、他の金融機関に追加融資を求める場合などにも、不利な条件になりません(ただし帳簿上は借入金として分類されます)。
このように、新事業に取り組むベンチャーの財務体質を強化できるのが、この「資本性ローン」の特徴です。
※4 「挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)」: 日本公庫では、同制度を「国民生活事業」と「中小企業事業」の両方で扱っており、前者は創業期などの小規模事業者・個人事業者を主な対象に貸付限度額を4,000万円とし、後者は中小企業を対象の中心として貸付限度額を3億円とするなどの差異があります。 本稿では、後者「中小企業事業」における「挑戦者資本強化特例制度(資本性ローン)」について説明をしています。
なお「国民生活事業」における同制度については、こちらをご覧ください。

コラム

資本性ローンの概要

【利用できる方】

※5 「新事業育成資金」「女性、若者/シニア起業家支援資金」「再挑戦支援資金」「新事業活動促進資金」「中小企業経営力強化資金」
※6 「海外展開・事業再編資金」「事業承継・集約・活性化支援資金」
※7 「事業再生支援資金」「企業再建資金」

【融資条件】

【担保・保証人など】

【貸付条件】

「資本性ローン」を利用するためには、財務内容や事業の見通しなどについて、日本公庫の審査を受ける必要があります。審査の結果、同制度を利用いただけない場合もあります。 「挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)」の詳細は、下記をご覧ください。
日本公庫「挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)」

4.申込みから融資を受けるまで

まずは日本公庫の窓口にご相談を

【相談窓口】

「新事業育成資金」や「資本性ローン」を利用したいが、どこに問い合わせればいいのかわからない、という方は、日本公庫の「事業資金相談ダイヤル0120-154-505(行こうよ!公庫)」にお電話ください。電話をすると、音声ガイダンスで中小企業向けの「中小企業事業」や個人企業・小規模事業者向けの「国民生活事業」など、適切な窓口を案内します。 また、最寄りの日本公庫支店をお探しの場合は、下記の日本公庫サイト「店舗案内」をご覧ください。

・音声ガイダンスが流れた後に、ご希望のサービスメニューの選択番号を押してください。

選択番号 サービスメニュー 事業
0 これから創業をお考えの方、創業して間もない方(創業ホットライン) 国民生活事業
1 個人企業・小規模事業者の方
2 中小企業の方 中小企業事業
3 林漁業者や国産農林水産物の加工流通業者の方 農林水産事業

・事業資金相談ダイヤルのほかに、全国の支店でも相談に応じています。
(支店の営業時間:平日9時~17時)
日本公庫「店舗案内」

【相談から融資までの手続き】

日本公庫への相談から融資決定までの手続きについては、中小企業の方や個人企業・小規模事業者の方など、相談される方や利用を希望する制度によって、いくつかの流れがあります。
詳細は日本公庫サイト「手続きの流れについて」でも、ご覧いただけます。
ここでは「新事業育成資金」を利用する場合の、大まかな手続きの流れを紹介します。
新事業育成資金の手続きの特徴は、日本公庫の審査の前に、専門家による成長新事業育成審査会による事業の新規性・成長性についての審査・認定が行われることです。

ご相談から返済までの手続の流れ

※個人事業者や小規模事業者の方を対象とした手続きの一般的な流れは、日本公庫サイト「個人小企業の方」をご覧ください。

5.融資事例の紹介

新事業育成資金の活用事例を紹介します

新事業育成資金、資本性ローンによる融資は、新事業の展開にどのように活かされているのでしょうか。日本公庫がこれまでに融資を実施した企業の中から、2つの事例を紹介します。

●国内外の化学メーカーも注目する マイクロ波を活用した新たな製造方法
~マイクロ波化学株式会社(本社:大阪府吹田市)

マイクロ波化学株式会社は、平成19年に設立された大阪大学発のベンチャーです。同社の代表取締役社長CEO(最高経営責任者)は大手商社で化学製品ビジネスの経験を持ち、取締役CSO(最高科学責任者)は、大阪大学でマイクロ波化学を研究していました。
マイクロ波は電磁波の一種で、レーダーなどの工学分野から電子レンジのような身近な家電製品まで幅広く利用されています。マイクロ波化学社は、マイクロ波を化学反応に応用することで、反応温度の低下や反応時間の短縮、消費エネルギーの削減などを実現。その技術を活かして、化学製品の製造・販売、及び マイクロ波を用いた新たな製造技術・量産技術などの共同開発や受託開発などを行っています。
マイクロ波を活用した製造プロセスは、環境負荷やエネルギー消費が少なく、従来製法よりも低コストであることから、国内外の化学メーカーなどから注目を集めています。

世界初の大規模マイクロ波化学工場を稼働
(写真提供:マイクロ波化学株式会社)

日本公庫は、同社の技術に新規性があり、かつ成長性が見込まれることから、「新事業育成資金(資本性ローンと新株予約権付融資を活用)」による融資を行いました。マイクロ波化学社はその融資などを元に、マイクロ波を用いて年間3,200トンの脂肪酸エステルを製造可能な工場を大阪市に建設、平成 26年3月に竣工しました。同社は、それだけの量産規模を持つ商業プラントとしては世界初としています。同工場では、低級油などを原料にインクや化粧品原料として使用される脂肪酸エステルを生産し、大手インクメーカーなどへの供給を開始しています。

●食品メーカーなどからの受注増加が見込まれる味覚センサーを開発
~株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー(本社:神奈川県厚木市)

株式会社インテリジェントセンサーテクノロジーは、食品などの味を測定する味覚センサーの開発・製造・保守及び受託分析を行っています。
人間は数百からおよそ1,000種類もの化学物質から味を認識するといわれており、味を正確に測定、数値化することは非常に難しいものでした。25年前より九州大学と大手電子計測器メーカー味覚センサーの研究開発及び試験販売を進め、さらなる飛躍のため、独立して味覚センサー事業を買い取り、平成14年に設立しました。味覚センサーの実用化や国内外への販売、そしてより高性能の新型機の開発・製造などを進めています。

食品メーカーなどを中心に受注増加が見込まれる味覚センサー
(写真提供:株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー)

平成19年に開発した味覚センサーの最新機種は、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の研究開発資金を受けて九州大学と共同開発したもので、苦味、うま味、雑味、キレなど11種類の味覚項目を数値化し、測ることができます。これまでに大手食品メーカーや官公庁などに350台以上の販売実績があり、今後も様々な食品メーカーや大手医薬品メーカーなどからの受注が見込まれ、高い成長が期待されています。
日本公庫では、インテリジェントセンサーテクノロジー社のさらなる成長・発展を支援するため、「新事業育成資金(資本性ローンと、新株予約権付融資を活用)」による融資を行っています。

<取材協力:財務省、日本政策金融公庫 文責:政府広報オンライン>

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