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日本の経験や知識を生かして 開発途上国の安定と成長を図る 開発途上国の法制度整備を支援

開発途上国が社会の安定を図り、持続的な発展を果たしていくためには、道路や橋、学校や病院などの施設をつくるだけでなく、国民の権利を守ったり、犯罪を防いだり、諸外国の信頼を得たりするための法制度を整備していくことが必要です。日本は平成6年から20年以上にわたり、国際協力の一つとしてアジア諸国を主に法制度整備を支援しています。その取組の意義や具体的な活動について紹介します。

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「法制度整備の支援」ってなに?

「法制度整備の支援」ってなに?

開発途上国の安定と経済成長の土台となる法制度の整備を支援する国際協力です

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日本が法制度整備支援を行う意義は?

日本が法制度整備支援を行う意義は?

開発途上国に法の支配を確立することで、その国の安定と発展、安全につながります

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日本の支援の強みとは?

日本の支援の強みとは?

欧米の法制度を学び、日本に根付く近代的な法制度を作り上げてきた経験が注目されています

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具体的にはどのような活動をしているの?

具体的にはどのような活動をしているの?

日本国内での研修や現地への専門家派遣などを通じ、顔の見える支援を行っています

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これまでに支援を行った国・地域は?

これまでに支援を行った国・地域は?

アジアを中心に13か国に支援しています

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平成27年1月27日

「法制度整備の支援」ってなに?~開発途上国の安定と経済成長の土台となる法制度の整備を支援する国際協力です「法制度整備の支援」ってなに?~開発途上国の安定と経済成長の土台となる法制度の整備を支援する国際協力です

開発途上国(以下、「途上国」という)に対して、日本は様々な国際協力を行っています。それぞれの途上国の実情を踏まえて、道路や橋をつくったり、学校や病院を建てたり、農水産業や工業などで技術支援を行ったりしています。こうした国際協力の一つとして、日本が、途上国などに「法制度整備支援」を行っていることをご存じでしょうか。

「法制度」とは、憲法を頂点とする様々な法律で構成される法体系と、それを運用するための裁判所などの組織、三審制などの制度といった仕組み全体のことを指します。法制度は、社会の基本的なルールを定め、国民の権利や義務を確定することを目的としており、社会における様々な紛争を予防・解決したり、犯罪者を処罰して治安を維持したりする役割があります。法制度が整備され、適切に運用されることは、社会が安定し、持続的に発展するために極めて重要な要素なのです。

しかし、途上国の中には、近代的な法制度が十分に整備されていない国があります。また、法律があっても、内容が不明確だったり法律間で矛盾があったりする場合があります。そうした国では、紛争解決の手段として暴力や賄賂が用いられたり、貧困層や社会的弱者の人権が損なわれたりして、社会がなかなか安定しないことがあります。

特に近年は、経済のグローバル化が進む中、途上国が発展するためには貿易の振興や外国からの投資がますます重要になっていますが、そのためには国際社会に受け入れられ、信頼される法制度が必要です。そのため、多くの途上国が、国際機関や先進国からの法制度整備支援を必要としています。

日本も、途上国からの要請に応じて、法務省が外務省やJICA(独立行政法人国際協力機構)、公益財団法人国際民商事法センターなどと緊密な連携をとって、途上国などの法制度整備を積極的に支援しています。

日本の支援は、「(1)基本法令の起草支援」「(2)制度整備支援」「(3)人材育成支援」の三つを柱としています。

1本目の柱である「(1)基本法令の起草支援」は、支援対象国の実情を踏まえて、民法、刑法など法制度の基本となる重要な法令の改正・新規起草を支援するものです。

2本目の柱である「(2)制度整備支援」は、裁判を行うための司法手続きや法に則った行政手続など、制定された法令を運用する機関の制度整備を支援の二つ目の柱としており、例えば裁判を公正かつ円滑に行うための手続きや機関などの適切な整備を支援します。

そして3本目の柱である「人材育成支援」は、支援対象国の法曹実務家などの育成を支援することで、それにより支援対象国が基本法令の起草や制度整備を自ら行い、法制度を適切に運用できる仕組みを構築できることを目指しています。

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日本が法制度整備支援を行う意義は?~開発途上国に法の支配を確立することで、その国の安定と発展、安全につながります日本が法制度整備支援を行う意義は?~開発途上国に法の支配を確立することで、その国の安定と発展、安全につながります

法制度整備支援は、「法制度整備支援に関する基本方針(改訂版)(平成25年5月)」にも示されているように、「良い統治(グッド・ガバナンス)」にもとづく途上国の自助努力を支援するとともに、途上国が持続的成長を実現するために不可欠な基盤づくりを支援するものです。

日本の支援を通じて途上国で「法の支配」が確立され、自由・民主主義・基本的人権といった普遍的価値が浸透することにより、その国の安定と発展、国際社会との交流が促され、さらには日本の国際社会における名誉ある地位を保持していくことにもなります。

途上国の法制度が整備されることは、私たちと無縁ではありません。例えば日本は、多くの資源や原材料を途上国から輸入したり、日本の製品を途上国に輸出したりして互いに支え合っています。しかし相手国に商取引の適切なルールがなかったり、取引上の争いが起きた際に透明で公平な解決手続がなかったりする場合、その国と貿易を発展させることは極めて難しいでしょう。ですが、日本の法制度を踏まえつつ相手国の実情に合った法制度が整備されることにより、日本企業の海外ビジネスを支える制度的基盤が整備されることとなります。つまり日本企業は安心してその国と取引したり、その国に投資したりしやすくなるのです。

また、経済面での交流拡大は、ビジネスのための出張や駐在のほかに観光や留学など様々な人的交流につながります。日本国民が相手国で安心して仕事や観光、研究などを行える環境を整えるためにも、法制度の整備は重要です。

そうして相手国と日本の経済・人的交流が拡大することは、相手国の経済成長や社会の安定にもよい影響が期待されるでしょう。

こうしたことから、我が国は、法制度整備支援を国際協力の重点政策と位置づけ、日本にとって好ましい国際環境を作るために、アジア諸国を中心に、基本的な法律の整備や裁判制度の充実、それらの運用に係る人材の育成、汚職防止などのガバナンスの強化など、法の支配の実現に向けた支援を行っています。

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日本の支援の強みとは?~欧米の法制度を学び、日本に根付く近代的な法制度を作り上げてきた経験が注目されています日本の支援の強みとは?~欧米の法制度を学び、日本に根付く近代的な法制度を作り上げてきた経験が注目されています

途上国などに法制度整備を支援するにあたって、日本には独自の強みがあります。19世紀半ばまで日本は、中国文化の影響を受けた独自の法文化をもっていました。そして明治維新以降、近代的な法制度を整備するために、日本は、欧米諸国に留学生を派遣したり、欧米諸国から専門家を招いたりして欧米の近代的法制度を学びました。そして、欧米の法制度を選択的に取り入れながら、日本の社会や伝統、文化に合わせてカスタマイズし、日本に根付く近代的な法制度を作り上げてきたのです。

こうした日本の法制度整備の経験は、それぞれ固有の法制度を持ちながら、グローバル化に対応する法制度の構築を迫られている多くの途上国の関心を集めています。

また、日本は、自らの経験を通じて、外国の法制度をそのまま自国に当てはめても根付かないことを知っています。その国に根付く法律・制度にするためには、その国の社会や文化、風習、既存の制度、また、社会の発展の段階などに合ったものにする必要があります。

こうした考えから、日本の法制度整備支援では、相手国の立法・司法関係者と対話しながら、相手国の実情に合った法律や制度を共に考える手法を採っています。そのような過程を通じて、相手国が主体的に制度を構築したり、運用・改善したりできるような能力向上を図ることを重視しています。

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具体的にはどのような活動をしているの?~日本国内での研修や現地への専門家派遣などを通じ、顔の見える支援を行っています具体的にはどのような活動をしているの?~日本国内での研修や現地への専門家派遣などを通じ、顔の見える支援を行っています

法制度整備支援は、アジアなどの途上国からの要請を受けて、法務省が外務省、最高裁判所、JICAなどと連携して、ODA(政府開発援助)の枠組みの一つとして実施するものです。
法務省では、平成6年からアジアの国々に対して支援を行っていますが、各国から支援要請が年々高まったことから、平成13年4月に、法制度整備支援に専従する「国際協力部」を法務総合研究所に新設しました。国際協力部では、主に次のような活動を行っています。

(1)日本国内での研修
支援対象国の立法関係者、裁判官、検察官、弁護士などを日本に招いて、講義による日本の法制度の紹介のほか、各国の研修員の発表やディスカッション、司法関係機関の見学など、様々な研修を実施しています。これらを通じて、近代法の基本原理や日本の法制度の歴史、現在の日本の法制度の仕組みや運用の実情、対象国の法制度の実情と問題点などについて相互理解を深め、今後の方策の検討などを行います。

 

(2)現地セミナーへの講師派遣
支援対象国に講師を派遣し、関係官庁の立法担当者などを対象に、各種の法制度やその運用に関するセミナーを開催しています。

(3)日本国内での作業部会(アドバイザリーグループ)における活動
法律案の起草支援などのために、日本の大学教授や法律実務家などで構成された作業部会を開催し、法律案の起草や支援対象国の担当者に対するアドバイスを行っています。

(4)現地へのアドバイザー型専門家の派遣
法務総合研究所、最高裁判所そしてJICA(独立行政法人国際協力機構)が連携し、1年間以上現地に滞在する「長期専門家」を支援対象国に派遣しています。長期専門家は現地の法制度の実情を調査し、司法関係者への助言や必要な支援の企画・立案を行うほか、現地セミナーの実施などについて関係機関との連絡調整をしています。
また、現地の法制度を調査するため、数週間から数か月単位の短期専門家として派遣することもあります。

そのほかにも、国際シンポジウムや法制度に関する研究活動などを行っています。

 

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これまでに支援を行った国・地域は?~アジアを中心に13か国に支援しています日本が支援を行った国は?~アジアを中心に13か国に支援しています

1994年にベトナムへの支援を開始してからこれまで、日本は、ベトナム、ラオス、カンボジア、インドネシアなど、アジアを主とする13か国に法制度整備支援を実施してきました。その中から、三つの事例を紹介します。

【事例1】ベトナムに対する法制度整備支援(1994年~)

ベトナムは1980年代後半からの「ドイモイ」と呼ばれる対外開放、市場経済の導入に伴って、法制度を市場経済に対応するよう整備する必要が高まり、日本に法制度整備の支援を要請しました。
これを受けて法務省では、1994年10月に初めてベトナムの司法関係者を日本に招いて研修を実施しました。1996年からは、JICA(当時の特殊法人国際協力事業団、現在の独立行政法人国際協力機構)による法制度整備支援プロジェクトがスタートし、長期専門家1名(弁護士出身)が派遣されました。2000年からは法務省からも長期専門家2名(裁判官出身と検事出身の各1名)が派遣され、これらにより、裁判官・検事・弁護士出身の長期専門家3名が現地に常駐して支援を行う態勢が整い、以来、ベトナムの司法省、最高人民裁判所、最高人民検察院、ベトナム弁護士連合会の4機関に対して、法令の起草や制度整備、法曹人材の育成などを支援してきました。
例えば法令の起草については、民事訴訟法の起草支援のほか、民法、刑事訴訟法そして破産法の改正案の作成などを支援しました。制度整備については、書き方がまちまちだった判決書の標準化や、検察官向けの捜査と第一審公判のマニュアル作成などを支援しました。
2011年4月からは、ベトナムの要請に基づいて「法・司法制度改革支援プロジェクト」が開始され、長期専門家による現地での日常的・継続的な支援活動に加え、日本国内での研修や現地セミナーなどを中心として法曹人材の育成に重点を置いた活動を展開しています。同プロジェクトでは、首都ハノイのほか、地方都市における実務改善にも取り組むなど、活動内容は質・量ともに拡大を続けています。

写真提供:法務省

【事例2】カンボジアの民法・民事訴訟法の成立に貢献(1996年~)

カンボジアは、ポル・ポト政権による支配と長期間にわたる内戦を経て、1993年にカンボジア王国憲法を制定し、自立した国家としてスタートしました。しかし、ポル・ポト政権時代に行われた法律の廃止や知識人の大量虐殺などにより、基本法の整備が不十分で、それらを適切に運用できる法律家も乏しい状態でした。そのため、カンボジア政府により、日本への法制度整備支援が要請されました。
これを受けて、日本は1996年から、JICAの国際支援の枠組みにより、法務省も参加してカンボジアに対する法制度整備支援を開始。1999年からは、民法と民事訴訟法の起草支援のための法制度整備プロジェクトを開始しました。その成果として、2006年に民事訴訟法が、2007年に民法がそれぞれ成立。その後も、民法・民事訴訟法の普及や民事関連法令の起草支援を続けていて、現在、裁判官・検事・弁護士出身の3名の長期専門家が現地に常駐しています。
2005年からは、民事法教育の底上げを目的として、王立裁判官・検察官養成校での人材育成支援プロジェクトを実施。この養成校の支援にも長期専門家が派遣され、教官候補生に対する指導、模擬裁判の実施、教材作成などの支援を通じて若手裁判官の能力を強化しました。現在では、この養成校出身者が教官を務めるようになっています。

写真提供:法務省

【事例3】ミャンマーに対する法制度整備支援(2013年~)

2011年3月、長らく続いていた軍事政権から民政移管を経て新政府を樹立したミャンマーは、「良い統治(グッド・ガバナンス)」を確立し、民主化された近代国家を築くために、法の支配の徹底を課題に挙げ、種々の政策を押し進めています。
法制度整備支援は、ミャンマーの民主化・経済改革を後押しするとともに、日本企業を含む外国投資の環境整備にもつながる重要な協力の一つです。
そこで、JICAの枠組みにより、法整備・運用のための組織的・人的能力向上を通じて、ミャンマーにおける法の支配・民主化・持続的な経済成長を推進することを目的とした「ミャンマー法整備支援プロジェクト」が2013年11月から始動しました。同プロジェクトでは、法令起草・審査支援や人材育成支援の分野で積極的に協力を押し進めていくこととしています。法務省では、関係機関が緊密に連携しながら、長期専門家を現地に派遣するなど、同プロジェクトに全面的に協力していきます。

写真提供:法務省

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<取材協力:法務省  文責:政府広報オンライン>

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