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「いつも使っているから大丈夫」――本当ですか? 機械式立体駐車場に潜む危険にご注意を!

機械式立体駐車場は、限られた土地を有効活用できることから、商業施設やマンションなどの付帯施設として広く普及しています。その数は平成25年3月時点で約54万基、自動車約287万台分にも。この機械式立体駐車場で人が挟まれるなどして大けがをしたり、亡くなったりする事故が何件も起きています。事故を防ぎ、安全に利用するためのポイントを紹介します。

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どのくらいの事故が起きているの?

どのくらいの事故が起きているの?

重傷・死亡に至る事故は7年間で26件。事故の4割がマンションで発生。

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どんな事故が起きているの?

どんな事故が起きているの?

操作時に、子供が駐車装置に挟まれるなどの痛ましい事故も発生しています。

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なぜ、マンションでの事故が多いの?

なぜ、マンションでの事故が多いの?

製造者が設計の前提とした利用者像と実際の利用者にズレが。

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事故を防ぐため、行政や事業者はどう取り組んでいるの?

事故を防ぐため、行政や事業者はどう取り組んでいるの?

「安全ガイドライン」の策定や「技術基準」の改定などに取り組んでいます。

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事故を防ぐため、利用者はどうすればいいの?

事故を防ぐため、利用者はどうすればいいの?

運転者以外は駐車装置に立ち入らせず、安全確認を徹底しましょう。

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平成27年4月17日

どのくらいの事故が起きているの?~重傷・死亡に至る事故は7年間で26件。事故の4割がマンションで発生。どのくらいの事故が起きているの?~重傷・死亡に至る事故は7年間で26件。事故の4割がマンションで発生。

限られた敷地になるべく多くの自動車を停めるには、階を重ねて立体的な駐車場を設けることが有効です。駐車スペースのある階まで自分で自動車を運転していって駐車する方式のものを「自走式立体駐車場」といい、自動車を載せて搬送する台(パレット)ごとモーターや油圧機構などで駐車場所に搬送する方式のものを「機械式立体駐車場」といいます。前者は駐車台数が数十台から百台単位の大規模なものに多く、後者は2~3台から20~30台程度の規模のものに多く使われています。

このうち機械式立体駐車場は、商業施設だけでなく、特にマンションの付帯施設として全国で導入が進み、設置数は平成25年(2013年)3月末時点で、累計約54万基(車の収容台数にすると約287万台分)となっています。

この機械式立体駐車場に関して、利用者や周囲にいる人が機械装置に挟まるなどして重傷を負ったり死亡したりする事故が少なくありません。平成19年度(2007年度)から平成25年度(2013年度)までの7年間で、機械式立体駐車場に関して207件の事故が起きており、うち10件では死亡者が、16件では重傷者が発生しています。そのうち3人の死者、4人の重傷者は運転者が連れていた子供でした。発生場所を確認できた事故145件のうち約4割が、マンションの機械式立体駐車場で起きており、日常生活に身近な場所で、何件もの痛ましい事故が起きていることがうかがえます。

駐車場用途別の事故件数(※)の割合

N=145件
出典:(公社)立体駐車場工業会資料に基づき国土交通省作成
※事故件数は、平成19年6月から平成26年1月に公益社団法人立体駐車場工業会が会員各社から報告を受けた事象。

ここでは、消費者庁の消費者安全調査委員会(以下「消費者事故調」とします)が、機械式立体駐車場における事故についてまとめた報告書(※)に基づいて、機械式立体駐車場の事故の状況と原因、事故防止のポイントを紹介します。

※・「消費者安全法第23条第1項に基づく事故等原因調査報告書 機械式立体駐車場(二段・多段方式、エレベータ式)で発生した事故」(平成26年(2014年)7月18日公表)[PDF]
「消費者安全法第23条第1項に基づく事故等原因調査報告書 機械式立体駐車場(二段・多段方式、エレベータ式)で発生した事故(平成26年7月18日公表)」分析の考え方の解説(平成27年(2015年)1月23日公表)」[PDF]

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どんな事故が起きているの?~操作時に、子供が駐車装置に挟まれるなどの痛ましい事故も発生しています。どんな事故が起きているの?~操作時に、子供が駐車装置に挟まれるなどの痛ましい事故も発生しています。

機械式立体駐車場の駐車装置は、機構や構造によっていくつかのタイプがありますが、マンションでは「二段・多段式」や「エレベーター式」が多いとみられています。

「二段・多段式」は、パレットが2段または3段以上に配置されて上下あるいは上下左右に移動するもので、「エレベーター式」は、自動車ごとパレットを上下させる昇降装置で自動車を移動するものです。多くのエレベーター方式では、自動車の出入りを容易にするため、入出庫口付近に回転台を設けています。回転台は、自動車だけを回転させるために駐車装置の外に設けられたものや、自動車を載せたパレットごと回転させるためにエレベーターの中に設けられたものがあります。

※エレベーター式以外でも、同様の入出庫口をもつ機械式駐車場があります。

この機械式立体駐車場で、具体的にどのような事故が発生しているのか、その原因はどこにあったのか、消費者事故調が事故調査分析を行った事例の中から、二段・多段式およびエレベーター式で発生した2つの事例を見てみましょう。

【事故事例1】多段式で発生した事故
出庫作業中の装置内への子供の立ち入りによる死亡事故

子供2人を連れた利用者が、機械式立体駐車場(多段式(三段))から自動車を出す作業をしていたときに発生。
利用者は地下に下りたパレットに駐車していた車を出すため、出庫ボタンを操作していました。このとき、連れていた子供のうち幼児1人が駐車装置内に立ち入り、地下から上昇中のパレットに乗り移ろうとして体勢を崩して転倒。幼児は、上昇してきたパレットと、隣にある機械装置の間に挟まれて死亡しました。
駐車装置は、操作ボタンを押し続けている間は動き、押さなければ止まる仕組みでしたが、利用者は押し続けていなくても済むように、ボタンを押した状態で固定する器具を使っていたため、すぐに止めることができませんでした。

【事故事例2】エレベーター式で発生した事故
駐車装置内に幼児が残されたまま、出入口を閉めてしまった

利用者が自動車をエレベーター式の機械式立体駐車場に入れようとしていたときに発生。
利用者は、駐車装置の出入口を開けて駐車装置内の回転台の上にあるパレットに車を停め、同乗していた幼児を降ろした後、自動車の後部座席の荷物を降ろしていました。
すると、先ほど降車させた幼児が1人で外に出ていこうとする様子が見えました。
この駐車場は交通の激しい道路に面しているため、幼児を引き止めようと利用者は急いで駐車装置から外に出て、出入口扉を閉めました。しかし幼児は、実際にはまだ外に出ておらず、駐車装置内に閉じ込められた形になりました。
すぐにそのことに気づいた利用者は、幼児を救出するため出入口扉を開けようと、様々なボタン操作を試み、出庫操作ボタンを押したところ、駐車装置内で自動車を載せたパレットごと回転台が作動。幼児は回転台上のパレットと奥の壁に挟まれて死亡しました。

事故の直接的な原因としては、事例1では幼児が作動中の駐車装置内に立ち入ったこと、事例2では幼児が駐車装置の中にいる状態のまま回転台を動かしてしまったことがあげられます。しかし、そうした原因が生じた背景に、消費者事故調は注目しました。

<事例1と事例2の共通点>

幼児が同伴した場合の安全策がなかった

マンションに併設された機械式立体駐車場では、子連れの利用者がいる可能性が高く、その子供が幼児であったり、さらに複数の幼児を連れて利用したりする場合もあり得ます。しかも幼児はしばしば大人が予測しにくい奔放な動きをしがちです。そうした幼児を連れて機械式立体駐車場を使う機会は、保育園・幼稚園の送り迎えや普段の買い物などで、日常的にあると考えられます。
利用者自身が注意することは大事ですが、機械式立体駐車場の設計・製造段階で、利用者に幼児が同伴することを前提とした安全策がとられることが重要であると考えられます。

緊急時の対策が不十分だった

事例1では緊急停止の機構が設けられておらず、事例2では緊急停止機構は設けられていましたが、利用者が適切に操作できませんでした。
マンションに併設された機械式立体駐車場については、ほとんどの利用者が駐車装置の構造や動作、安全管理などに関して十分な知識や経験を持っていない可能性が高いと考えられます。
利用者が普段使う機械式立体駐車場について十分な情報を分かりやすく提供されていたか、また、利用者の機械式立体駐車場に関する理解が多少不足したとしても、ある程度の事故を防げるような仕組みが設けられていたか、という問題があります。設計・製造の段階で、そうした「不慣れな人」の利用を前提とした対策がとられることも重要と考えられます。

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なぜ、マンションでの事故が多いの?~製造者が設計の前提とした利用者像と実際の利用者にズレが。なぜ、マンションでの事故が多いの?~製造者が設計の前提とした利用者像と実際の利用者にズレが。

消費者事故調は、機械式立体駐車場での事故の背景に、次のような要因があると指摘しています。

設計時の想定と実際の利用状況の違い

機械式立体駐車場はもともと大規模商業施設などから普及が始まったことから、専任の係員などが操作することを想定して設計されていました。しかし現在では、マンションなどへの普及に伴い、一般の利用者が駐車装置を直接に操作するケースが多くなっています。
駐車装置の設計・製造の段階では、必要な知識や技能を持った専門の係員が操作することを前提としていながら、実際に利用する段階ではそうした知識や技能を持たない一般の利用者が日常的に使っている、というズレが続いてきたのです。

設計時の想定と利用者の行動との差異(事例1の場合)

製造者の設計時の想定(利用者への要求) 利用者の実際の行動など
利用者は、操作するときに必ず装置内や周囲に人がいないことを確認する。 駐車装置に子供を連れてきた。
利用者は、必ず立入防止のための前面鎖などがかかっていることを確認してから操作を行う。 立入防止の前面鎖が撤去されているため、確認ができなかった。
利用者は、操作ボタンを駐車装置が適切に自動停止するまで、手で押し続ける。 利用者は操作ボタンを押し続ける状態を保つため、ボタンの固定具を使用した。
駐車装置内に立ち入るのは運転者だけであり、それ以外の同乗者などは立ち入らない。
利用者は、駐車装置の地下に設けられたピット(たて穴)を覗き込んだり、入ったりしない
幼児が駐車装置に入った。(事例1、事例2)
幼児が駐車装置内で転倒した。(事例1)

製造者の想定と異なる操作で事故が発生した場合、「利用者の不注意・誤使用が原因」とされてしまう傾向がありますが、機械式立体駐車場での事故については、そもそも設計段階で実際の利用環境や利用者の行動特性などが考慮されていないことが、背景要因になっていると考えられます。

これらの痛ましい事故を踏まえて始められた、機械式立体駐車場での事故を防ぐための取組を、次に紹介します。

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事故を防ぐため、行政や事業者はどう取り組んでいるの?~「安全ガイドライン」の策定や「技術基準」の改定などに取り組んでいます。事故を防ぐため、行政や事業者はどう取り組んでいるの?~「安全ガイドライン」の策定や「技術基準」の改定などに取り組んでいます。

機械式立体駐車場での事故を防ぐため、関係する省庁や事業者団体では、次のような取組を行っています。

「安全ガイドライン」の公表(国土交通省)

国土交通省では、「機械式立体駐車場の安全対策検討委員会」(座長:向殿政男・明治大学名誉教授)を設置して機械式立体駐車場の安全対策の検討を行い、同委員会の報告を踏まえて「機械式立体駐車場の安全対策ガイドライン」を策定しました(平成26年3月28日に公表。平成26年10月に改定)。これは機械式立体駐車場に係る製造者、設置者、管理者及び利用者が早期に取り組むべき事項をまとめたもので、それとともに関係団体へ安全対策の強化を要請しました。

機械式立体駐車場の技術基準の改定(公益社団法人立体駐車場工業会)

上記の国土交通省による要請を受けて、公益社団法人立体駐車場工業会は、平成26年(2014年)3月31日に会員宛てに「安全対策の強化(要請)」を発出しました。
立体駐車場工業会は、機械式駐車装置の製造・保守・管理等を行う事業者で構成され、これまでも機械式駐車装置の所有者や管理者などを対象に安全講習を行ってきました。
さらに立体駐車場工業会は「機械式立体駐車場技術基準」の見直しを行い、平成26年(2014年)7月16日に一部改定した技術基準を会員宛てに発出しました。これ以降の新しい駐車装置については、利用者の安全対策が強化されたこの技術基準を踏まえて開発されることになりました。
また、既に設置されている駐車装置についても、改修・修理等の際に新しい技術基準を踏まえて行うことが要請されています。

技術基準の主な改定内容は次のようになります。

  • 2段・多段式の駐車装置の前面(乗り込み面)に、前面ゲートを設ける。
    前面ゲートの設置が困難な場合は、人が侵入したことを検知する人感センサーを設置する。
  • エレベーター式の駐車装置は、動作時に扉が閉じると駐車装置内の様子が見えにくくなりがち。動作時にもかかわらず駐車装置内に人が残った場合に、直ちに動作を止めるなどの対応ができるよう、人の有無を感知する人感センサーを設置する。

また、立体駐車場工業会では、駐車装置の安全対策について管理者向けに講習会を開いたり、利用者向けにパンフレットなどを作成したりして普及啓発を行っています(次章の囲み記事を参照

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事故を防ぐため、利用者はどうすればいいの?~運転者以外は駐車装置に立ち入らせず、安全確認を徹底しましょう。事故を防ぐため、利用者はどうすればいいの?~運転者以外は駐車装置に立ち入らせず、安全確認を徹底しましょう。

今後、新しくつくられる機械式立体駐車場は、前述のような安全対策が施されたものになりますが、既存の設備を交換したり改修したりするには、膨大な費用がかかるため、十分な安全対策が難しかったり、設備の改修までに時間がかかったりする場合もあります。
そのため、既に設置されている機械式駐車場を利用する際には、利用者自身の安全対策が重要です。駐車装置は、自動車とそれが載ったパレットを合わせて1トンを超えるような重量物を動かす装置であり、操作を誤ると、大人でも命にかかわるような大けがを負う危険性も持っています。利用者の皆さんは、そうした危険性をよく理解し、ふだん使い慣れているからといって油断することなく、事故防止のため次のようなことに注意してください。

<機械式立体駐車場を利用するときの主な注意点>

運転者以外は駐車装置の中に入らない

同乗者の乗り降りや荷物の積み下ろしは、必ず駐車装置の外で行ってください。やむを得ず、幼児などを車に乗せたまま入庫した場合は、操作をする前に車内に幼児などが取り残されていないことを必ず確認してください。

駐車装置内や周辺に人がいないことを自分の目で確認する

駐車装置の操作は、必ず装置内や周辺に人がいないことを確認してから行ってください。
操作盤の位置から車の陰になって見えない場所があることも。必ず、人がいないか十分に確認してください。
また、人の有無を感知する人感センサーが設置されていても、人の位置や姿勢などによってセンサーが感知しない場合があります。センサーだけに頼らず、操作の前には必ず自分の目で装置内に人がいないことを確認してください。

操作中は、子供や同乗者などを装置に近寄らせない

駐車装置の操作中は、装置から離れないでください。また、子供が駐車装置に近づかないよう細心の注意を。特に幼児の場合は手をつなぐなど、目を離さないようにしてください。

ほかの人に操作させない

駐車装置の操作は、操作に慣れた利用者が行い、操作に不慣れな人や子供には操作させないでください。また、操作盤から離れずに安全を確認しながら操作してください。異常や危険を感じたときはすぐに装置の運転を中止してください。

操作盤のボタンを器具などで固定しない

操作盤のボタンを器具などで固定して使用しないでください。多くの駐車装置では、操作盤のボタンは安全のため、ボタンから手を離すと停止する仕組みになっています。器具などで固定すると安全機能が働かないため、直ちに停止させることができず、重大な事故を招く危険があります。

回転台のある駐車場では、周りの人や物に注意する

回転台のある駐車場では、回転範囲内に人や障害物がないことを確認して操作してください。

出入口を開け放しにしない

前面扉がある場合は、自動車の入出庫が終わったら、必ず扉を閉じて駐車装置内に人が立ち入らないようにしてください。侵入防止の鎖などがある場合は必ず鎖をかけてください。また、駐車場で子供を遊ばせないようにしましょう。

公益社団法人立体駐車場工業会「安全利用パンフレット」を参考に作成)

<装置内への閉じ込めなど緊急事態が発生したときは?>
(1)迷わず非常停止ボタンを押してください。
(2)至急、操作盤に記載されている緊急連絡先に連絡してください。
ふだんから非常停止ボタンがどこにあるかを確認しておきましょう。

利用者・管理者の皆さんへ~「安全利用パンフレット」などを利用して、駐車装置のことを知りましょう。

機械式立体駐車場での痛ましい事故を防ぐためには、利用者一人ひとりが、駐車装置を安全に使うため適切な操作方法を知り、実践することが重要です。

公益社団法人立体駐車場工業会が作成した安全利用パンフレットは、下記ウェブサイトから閲覧・ダウンロードできます。また、同会ウェブサイトでは「駐車装置の正しい利用方法及び事故事例」の動画を見ることができます。
これらを用いて利用者が駐車装置の安全な使い方を知るとともに、マンション管理組合などでメーカーや保守管理会社の協力を得て安全対策について話し合う機会を設けてください。

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<取材協力:消費者庁  文責:政府広報オンライン>

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