本文へ移動

ここから本文です

暮らしに役立つ情報

国の政策・施策・取組の中から、私たちの暮らしに身近な情報や役に立つ情報をまとめました。

記事の二次利用についてはこちら

  • はてなブックマークに追加
記事を印刷する

平成29年5月8日

河川の氾濫や高潮、都市型水害など、
水害からあなたの地域を守る、「水防」

我が国では、台風や集中豪雨などによって、毎年のように水害が発生しています。水害による被害を少なくするために重要なのが、国や自治体などの行政(公助)と、住民一人ひとりの取組(自助)、そして「水防(消防)団」を核とした地域住民による「水防活動」(共助)です。水防活動とはどのようなものか、また、それぞれの家庭ではどのような水害の備えをしておくべきかについて紹介します。

1.水害はどのくらい起きているの?

過去10年の間に97%の市区町村で水害が発生。

雨が多い日本では、毎年、全国のどこかで大雨による河川の氾濫などにより、個人の住宅や資産、公共施設などに損害を与え、時には人命を奪う「水害」が起こっています。
全国にある1,741市区町村(平成27年末)のうち、平成18年から27年までの10年間に一度も河川の氾濫などによる水害が起きていないのは、わずか49市区町村(2.8%)に過ぎません。残り1,692市区町村(97.2%)では10年間に1回以上の水害が起きており、さらに半数近くの830市区町村(47.7%)では、10年間に10回以上の水害が発生しています(下図参照)。水害は身近な災害のひとつだといえます。

図:平成18年~平成27年の水害(河川)の発生件数

(資料:国土交通省作成)

水害の発生は、毎年6月~7月の梅雨のシーズンや8月~9月の台風シーズンに集中しています。特に、近年は、ゲリラ豪雨と呼ばれる時間雨量50mmを超える豪雨の発生件数が増加傾向にあります。

<平成27年(2015年)の水害の被害事例>

・関東・東北豪雨による浸水被害
台風18号から変わった低気圧と日本の東を北上する台風17号の影響で、東北南部や関東を中心に湿った空気が流れ込み、9月9日から線状降水帯と呼ばれる発達した帯状の雨雲が南北にかかり続けた。
東北地方では、鳴瀬川水系渋井川の堤防が決壊するなど大規模な浸水被害が発生した。宮城県内での一般被害は、死者2名、負傷者3名、全壊2棟、半壊572棟、一部破損298棟、床上浸水138棟、床下浸水727棟に及んだ。

鳴瀬川水系吉田川の浸水状況
(宮城県大和町)

上川水系二迫川周辺の浸水状況
(宮城県栗原市築館)

関東地方では、鬼怒川では7箇所で溢水、常総市三坂町地先では9月10日12時50分頃、堤防が決壊した。県管理河川では、特に茨城県、栃木県で堤防決壊などが多数発生した。この豪雨による関東地方の被害は、死者6名、全壊76棟、半壊6,450棟、一部破損33棟、床上床下浸水11,151棟にのぼった。

鬼怒川の決壊状況
(茨城県常総市三坂町地先)

決壊箇所の状況
(9月10日)

<平成28年(2016年)の水害の被害事例>

・台風第7号、第11号、第9号、第10号(北海道)による浸水被害
8月17日~23日の1週間に台風第7号、第11号、第9号と3個の台風が北海道に上陸し、道東を中心に大雨により河川の氾濫や土砂災害が発生した。その後、8月29日から前線に伴う降雨と台風第10号が北海道に接近したことで記録的な大雨となった。国管理河川では、常呂川水系で堤防の決壊、越水による被害が発生したほか、県管理河川も含め、多数の河川で堤防の決壊等による被害が発生し、家屋浸水や倒壊といった大きな被害が発生した。

台風第11号の影響等に伴う浸水状況
常呂川水系常呂川
(北見市常呂町字日吉付近)

台風第10号の影響に伴う浸水状況
石狩川水系空知川
(空知郡南富良野町幾寅地先)

・台風第10号(岩手県)による浸水被害
台風10号は、強い勢力を保ったまま岩手県大船渡市付近に上陸した。台風が東北地方の太平洋側に上陸したのは1951年の統計開始以降、初めてである。岩手県では、8月29日から30日にかけて沿岸北部・沿岸南部を中心に雨が降り続き、特に30日夕方から夜のはじめ頃にかけては局地的に猛烈な雨となった。台風10号による大雨の影響により、岩手県岩泉町の小本川水系小本川と支川の清水川においては、堤防の決壊、越水等により広範囲で浸水被害が発生するとともに、高齢者グループホームの入所者9名の犠牲者が出るなど、同町内の死者・行方不明者は高齢者を中心に21名にのぼった。

小本川周辺の浸水状況

浸水による被害状況

 

2.地域を守る「水防活動」とは?

水害による被害を減らすために、地域住民が協力して行う防災活動。

こうした水害による被害を防ぐためには、どうしたらよいのでしょうか。
国や地方自治体など行政としても河川改修や治水施設の整備など、様々な取組を行っていますが、すべての施設が完成するまでには、莫大な費用と長い年月が必要になります。
いつまた起こるかわからない台風や大雨、それらによる水害の被害を最小限に抑えるためには、自分自身や自分の家族を守る個人の取組だけでなく、地域コミュニティなどによる地域を守る取組も重要になります。
行政の取組である「公助」、個人の取組みである「自助」、そして地域コミュニティなどの取組みである「共助」の連携が、水害対策に大切なのです。

個人の取組としては、非常持ち出し品の準備や避難場所、避難経路の確認などがあります。さらに、地域の取組としては、洪水のおそれがあるときに、地域の人たちが協力して、土のうを積んで堤防を補強したり、近所の人たちに注意を呼びかけたり、避難を誘導したりすることがあり、そこで地域の住民によって構成される「水防(消防)団」の役割が重要になります。

水防(消防)団は、「自分たちの地域は自分たちで守る」という精神に基づいて、大雨や台風などによる水害から地域を守るために、地域の住民が団員となって、水防活動をする組織です。(消防団が水防活動を行っている地域もあります。)

水防(消防)団の団員は、非常勤の特別職地方公務員という身分で、水害から地域を守るために、ふだんから土のうの適切な積み方や、堤防を応急的に補修する工法、溢れた水を排水する方法などの「水防工法」を学んでいざというときに備えます。

大雨などで水害が発生する危険があるときは、危険箇所などをパトロールして、危険な場所への立ち入りを制限したり、地域の人たちに警戒を呼びかけたり、洪水を防ぐために水防工法を実施したりします。

囲み記事

水防(消防)団に参加しませんか!

水防(消防)団は、水害を未然に防止し、被害を最小限に食い止め、私たちの生命や財産を守る大切な役割を担っています。水防(消防)団は水防法にもとづき、市区町村長など(水防管理者)の指揮の下、地域住民を水害から守ることが任務とされています。水防(消防)団員は、平時はそれぞれの仕事を持つ地域住民などによって構成され、身分は非常勤の特別職地方公務員になります。
多くの地域では、消防団員が水防活動に従事しています。水防団と消防団を併せると全国に約2,300の団体があり、合計約87万人の団員が活動しています。

近年は、団員の数が減少し、団員の高齢化も進んでいることから、水防活動を充実させるために、新たな団員の参加が求められています。
水防は、地域に住む一人一人が力を合わせてこそ成り立つものです。地域の皆さんのご協力をお願いします。
水防(消防)団への入団について詳しく知りたい方は、お住まいの市町村にお問い合わせください。

3.家庭ではどんな備えが必要?

ハザードマップを活用して必要な対策や避難場所・避難経路などを確認。

災害時の心得は、「自分の身は自分で守る"自助"」が基本です。それぞれの家庭では、水害に対して、どのような自助の備えをすればよいのか、そのポイントを紹介します。

(1)「ハザードマップ」で家や地域の水害リスクを知る

まず、自分が住む家やその周辺にどのような水害のリスクがあるかを知ることが必要です。そのために活用したいのが、自治体が提供する「ハザードマップ」です。
ハザードマップは、過去の被害をもとに想定される浸水範囲に加え、避難所などの避難の確保を図るために必要な事項を地図上に記載したものです。ハザードマップを見ることで、自宅や自宅周辺にどの程度の浸水の危険があるかを知ることができますので、その情報を踏まえて自宅でどのような備えが必要かを考えましょう。
河川や海岸に近い地域や、くぼ地などに住む人はもとより、高台にお住まいの人も必ずハザードマップを確認しておきましょう。河川の氾濫や高潮の被害を受けにくい高台であっても、その地域の排水設備の機能を上回る降水量には対応できなくなります。特に、激しい集中豪雨などの際は、排水構などから雨水があふれて周辺に浸水を引き起こしたり、地下室や地下駐車場が水没したりすることがあります。

(画像:ハザードマップの例)
・各自治体のハザードマップは下記から確認できます。
国土交通省「ハザードマップポータルサイト」

(2)避難場所、避難経路を事前に確認する

安全に避難するためには、どこに、どの道を通って避難すればよいか、安全な避難場所や避難経路、避難方法を事前に確認しておくことが重要です。
避難経路の途中に、氾濫する可能性のある河川や、浸水する可能性のあるくぼ地などがないか。また、そうした場所があったら、他にどのような経路を通ってどこに避難すべきか、など、ハザードマップで確認し、実際に歩いてみて、周囲の安全を確認しておくことをお勧めします。

(3)非常時の持ち出し品を事前に準備する

避難が必要になったときに備え、貴重品や衣類、非常用食品などを非常持ち出し袋に入れて、すぐに持ち出せるようにしておきましょう。

囲み記事

非常用持ち出し品チェックシート(例)

避難が必要になった場合にすぐに持ち出せるよう、非常用持ち出し品をリュックサックなどにひとまとめにしておきましょう。具体的な非常用持ち出し品は、次のチェックシートをご参考に、ご自分やご家族の状態に合わせてお選びください。例えば、乳児がおいでの場合は粉ミルク、ほ乳びん、紙おむつなどが必要になります。
なお、非常用持ち出し品の数量は、徒歩で避難することを考慮して、避難する方が無理なく背負って(または持って)避難所まで歩ける量にとどめるようにしてください。

非常用持ち出し品チェックシート
※は状況によって調節しましょう。

□ 食料品 飲料水、乾パンやクラッカー、レトルト食品、缶詰
※粉ミルク、ほ乳びん
□ 医薬品 救急医薬品、常備薬、マスク、生理用品
※紙おむつ
□ 貴重品・お金 現金、預金通帳、印鑑、健康保険証、身分証明書
□ 衣類 下着、タオル、寝袋、雨具、軍手、靴
□ 日用品 ナイフ、缶切り、鍋、水筒、懐中電灯、ラジオ、電池、ロープ、マッチやライター、使い捨てのカイロ、ティッシュペーパー、筆記用具、ゴミ袋
□ その他 防災ずきんやヘルメット
※予備のメガネ

(チェックシートは、気象庁パンフレット「大雨や台風に備えて」を参考に作成。)

(4)家族が離れているときの安全確認の方法を決めておく

家族が離れているときに、避難しなければならない場合があります。そのような場合にお互いの安否を確認するための方法を決めておきましょう。災害時の安否確認のために、通信会社では固定電話・携帯電話・インターネットによる「災害用伝言サービス」を提供しています。家族でこれらの利用方法についても確認し、いざというときに活用できるようにしておきましょう。

・「災害伝言サービス」について詳しくは下記をご覧ください。
総務省「災害伝言サービス」

4.水害のおそれがあるとき、避難の注意点は?

最新の気象情報や河川情報を入手して早めに避難行動を。

河川の氾濫や土砂災害などは一気に起こることがあるため、避難が遅れると命にかかわります。風雨が激しくなったり、日が暮れて暗くなったりしてからでは移動が困難になりますので、特に高齢者や子どものいる家庭は、早い段階から避難することが重要です。
早めの避難行動をとるために、大雨や台風などが接近しているときは、気象情報や、付近を流れる河川の水位や雨量の情報などに注意しましょう。災害発生のおそれがあるときは、気象庁から洪水注意報や洪水警報などの情報が発表されます。また、避難が必要なときには、市町村から避難勧告・避難指示などが発令されます。それらの情報は広報車や防災無線などで伝えられますが、地域によって異なることがあります。また、広報車などがアナウンスしても激しい風雨の音に紛れてよく聞き取れなかったという例があります。日頃から、お住まいの地域での避難勧告・避難指示などの伝え方も確認しておくことをお奨めします。
これらの情報に注意して、状況が安全なうちに早めに避難するようにしましょう。

(1)気象情報や河川情報などに注意する

日頃から天気予報に注意し、大雨や台風などが近づいているときは、テレビやラジオなどの気象情報や河川情報に注意しましょう。気象情報や雨量、河川の水位の情報などは下記のウェブサイトやお住まいの自治体のホームページなどでも確認できます。

気象庁「防災情報」
注意報・警報や気象情報、台風情報、指定河川洪水予報、土砂災害警戒情報などが確認できます。

国土交通省「川の防災情報」
河川の水位や雨量の情報、洪水予報、洪水警報などの情報が確認できます。あらかじめ水位観測所の位置や避難を判断するための水位(氾濫危険水位)を確認しておきましょう。

(2)自治体から避難勧告が発令されたら早めに避難

その地域または土地、建物などに災害が発生する危険性がある場合には、市区町村から「避難勧告」が発令されます。避難勧告が発令されたら、できるだけ早めに避難を始めるようにしましょう。
さらに状況が悪化して避難指示が発令されたときは、速やかに安全な場所に避難する必要があります。
避難勧告や避難指示が発令されていなくても、危険が迫っていると判断される場合は早めに安全な場所に避難してください。

(3)避難行動は浸水前に

冠水した道路を歩くことは、水深が浅くてもふたの外れたマンホールや側溝などが見えなくなるため非常に危険ですので、避難場所への移動は浸水が始まる前に行うことが基本です。避難勧告が発令されたり、発令前でも危険が高まったと判断されたりしたら、ためらわず避難を始めましょう。
予想される浸水が浅い地域に住んでいる場合や既に浸水が始まっているなど移動するのに危険な状況になってしまった場合は、状況に応じて自宅や近所のビルなど堅牢な建物の2階以上に避難しましょう。
台風や豪雨の際は、水害に加えて地すべりや土砂崩れ、土石流などの土砂災害も起きやすくなります。お住まいや移動経路が急斜面やがけのそばにある場合は、土砂災害にもご注意ください。土砂災害から身を守るポイントや前兆現象などについては、下記のウェブページで紹介しています。

政府広報オンライン 暮らしに役立つ情報「土砂災害のおそれのある区域は全国に約67万区域! 土砂災害から身を守る3つのポイント」

(4)避難時は隣近所に声をかけて集団で行動を

お年寄りや子ども、病気の人などは早めの避難が必要です。近所に呼びかけてお年寄りや子ども、病気の人などの避難に協力しましょう。避難するときは動きやすい格好で、2人以上での行動を心がけましょう。

(5)車での避難は危険

自動車が水に浸かると動かなくなったり、水圧で扉が開かなくなったりしてたいへん危険です。自動車での避難は特別の場合を除いてやめましょう。

(6)橋や川の近くは危険

川が増水している場合には川の流れが速く、橋が壊れたり流されたりして非常に危険ですので、川のそばに近寄らないようにしましょう。また、大雨のときに川や用水路、農地の様子を見に行って、誤って川や用水路に流されるといった被害に遭うことがあります。風雨が激しくなるなか、川や用水路を見に行くのは絶対にやめましょう。

<取材協力:国土交通省 文責:政府広報オンライン>

みなさまのご意見をお聞かせください。

本文へ移動

みなさまのご意見をお聞かせください。(政府広報オンライン特集・お役立ち記事)

Q1.この記事はわかりやすかった(理解しやすかった)ですか?
Q1.この記事はわかりやすかった(理解しやすかった)ですか? (50文字以内)
Q2.この記事は役に立つ情報だと思いましたか?
Q2.この記事は役に立つ情報だと思いましたか? (50文字以内)
Q3.この記事で取り上げたテーマについて関心が深まりましたか?
Q3.この記事で取り上げたテーマについて関心が深まりましたか? (50文字以内)


ページトップ
へ戻る