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暮らしに役立つ情報

国の政策・施策・取組の中から、私たちの暮らしに身近な情報や役に立つ情報をまとめました。

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平成28年11月17日
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決して他人ごとではありません。犯罪被害者を支えるには?

もしも、自分自身や周囲の人が犯罪被害に遭ってしまったら…。犯罪の被害を受けた人は、犯罪によって傷つけられるだけでなく、事件が解決した後も様々な問題を抱えることになります。犯罪の被害に遭った人が一日も早く平穏な暮らしを取り戻すためには、周囲の人たちが、犯罪被害者等(※)が置かれた状況を理解することが大切です。

※犯罪被害者等基本法における「犯罪被害者等」とは、犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為により、害を被った者及びその家族または遺族をいいます。

INDEX

1.犯罪被害は自分に関係ない?

~犯罪被害を受ける可能性は、誰にでもあります

平成26年(2014年)に犯罪による被害を受けた人の数は、97万人を超えています。このほかに犯罪として認知されてはいないものの犯罪に準ずる行為の被害に遭っているケースもあります。

犯罪被害に遭う人は特別な人ではなく、社会で普通に暮らしている人たちです。その平穏な暮らしの中で、犯罪は突然起きるのです。
「犯罪被害者等は我々の隣人である。そして、社会に生きる我々の誰もが犯罪等に遭い、犯罪被害者等になり得る立場にある」(※)のです。
※第3次犯罪被害者等基本計画(平成28年4月1日閣議決定)」より。

犯罪被害者等が、その受けた被害を回復し、または軽減し、再びそれぞれの平穏な暮らしを取り戻せるように配慮していくことは、誰もが犯罪被害者等になり得る中で、社会全体として取り組むべき課題です。そのためには、周囲の人たちが、被害者が置かれた状況をよく理解し、被害者に配慮した対応を心がけることが大切です。

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2.犯罪被害者等が受ける被害とは?

~精神的ショックや経済的困窮、捜査・裁判の負担や、うわさ話・報道などによる被害

犯罪の被害者やその遺族・家族には、事件による直接的な心身の被害以外にも様々な被害が降りかかることが少なくありません。

ひとつは、精神的ショックや身体の不調があります。大切な家族を突然奪われた場合の衝撃についてはいうまでもありませんし、生命を失わないまでも、暴力などを受けたときの記憶は、その後も長い間、被害者を苦しめることになります。

そして経済的に困窮することも珍しくありません。家計を担う人を失った場合、遺族は深刻な問題に直面します。また、犯罪によってけがをした人や精神的な支援が必要になった人には治療費の負担がのしかかります。治療や療養が長引いて長期間仕事を休まなければならない場合もありますし、そのために失職や転職を余儀なくされる場合もあります。また、後遺症のために従来通りの仕事ができなくなる場合もあります。
これらにより、ローンや家賃を払いきれなくなるために、不動産や自動車などの財産を売却したり、より安い住まいに引っ越したりするなど、これまでの生活を変えざるを得ないことがあります。

身体に危害を加えられなくとも、空き巣の被害者はいつまた住まいに侵入されるか不安に悩むことがありますし、詐欺の被害者は金銭的損害とともに自分自身を責めることが珍しくありません。また、性犯罪の被害者は、心に深い傷を負い、日常生活を送れなくなる人が少なくありません。

捜査や裁判の過程における負担もあります。その過程では被害を受けた際の様子を詳細に思い起こして語ったり、証拠物件があればそれについて説明したりすることが必要ですが、犯罪被害者等にとっては、大きな精神的負担となることもあります。

また、犯罪等の被害を受けたことが周囲に知られた場合、そのこと自体が犯罪被害者等の負担になることがあります。心ないうわさ話などで悩む人もいます。
「頑張って」や「早く忘れなさい」など、周囲の人にとっては慰めや励ましのつもりの言葉や行為でも、逆に被害者を傷つけてしまうことがあります。

犯罪被害による心身への影響

犯罪の被害を受けた後は、心や身体に変調を来すことが少なくありません。場合によっては日常生活に影響が出るほど深刻なこともあります。

心理面への影響の例
  • 感覚や感情がまひする
  • 記憶力、判断力の低下
  • 恐怖感、不安感、自責感、無力感、絶望感、孤独感、疎外感、屈辱感、怒り、悲しみなどを抱く
身体面への影響の例
  • めまい・過呼吸・動悸・下痢・便秘
  • 不眠・悪夢
  • 吐き気・食欲不振
心身への影響の具体例
  • 人混みが怖くて外に出られず、自宅に引きこもる
  • 何でもないのに涙が出るなど感情がコントロールできない
  • 子供が親の後をいつもついてきて離れない
トラウマによる症状の例
  • 事件等の記憶が生々しく蘇ったり、その夢を見たりするなど、そのときの苦痛を繰り返し体験する
  • 事件等のことを思い出せなかったり、必要以上に長く自分や他人を責めたりする
  • いつもびくびくしたり、物事に集中できなかったりする

※このような反応は、時間とともに軽くなっていく場合もありますが、日常生活に支障を来している場合は、医療機関等に相談することを勧めることも重要です。

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3.犯罪被害者等のために、どんな支援があるの?

~経済面や住居面など様々な支援策があります。

犯罪被害者やその家族、遺族が再び平穏な生活を取り戻すことを助けるために、様々な支援策が設けられています。
まずは、犯罪被害者等が初めに関わる警察における支援です。

犯罪被害者支援のための具体的施策

犯罪被害者への配慮及び情報提供

  • 相談専用電話「#(シャープ)9110番」の設置
  • 性犯罪相談窓口への女性警察職員の配置
  • パンフレット「被害者の手引」(注1)の作成・配布
  • 被害者連絡の実施(注2)

精神的被害回復への支援

  • カウンセリング技能を有する警察職員の配置
  • 犯罪被害者の置かれた状況に応じたカウンセリングの実施

経済的負担の軽減に資する支援

  • 犯罪被害給付制度の教示及び迅速な裁定

犯罪被害者等の安全の確保

  • 再被害防止措置の実施(防犯指導、緊急通報装置の貸与等)
  • 再被害防止に向けた関係機関との連携

犯罪被害者支援推進のための基盤整備

  • 犯罪被害者専用の事情聴取室や被害者支援用車両の活用
  • 指定被害者支援要員制度(注3)の積極的活用

国民の理解の増進

  • 犯罪被害者支援に関する各種広報啓発活動の実施
  • 中学生・高校生を対象とした「命の大切さを学ぶ教室」の開催

(注1)刑事手続や法的救済制度の概要、犯罪被害給付制度等の情報を掲載しています。
(注2)犯罪被害者等の意向等に応じ、捜査状況や被疑者の処分結果等を連絡しています。
(注3)あらかじめ指定された警察職員が、各種被害者支援活動を推進する制度です。

このうち凶悪犯罪の犯罪被害者等を主な対象とした支援として、犯罪被害給付の制度があります。この制度は、通り魔殺人などの故意の犯罪行為により、亡くなられた犯罪被害者の御遺族(第一順位遺族)や重傷病を負い、または身体に障害が残った犯罪被害者に対して、社会の連帯共助の精神に基づき、国が犯罪被害者等給付金を支給し、その精神的、経済的打撃の緩和を図ろうとするものです。

次に、裁判となった場合の支援です。

  • 損害賠償命令制度:
    殺人、傷害などの故意の犯罪行為の被害者等から被告人に対する損害賠償命令の申立てがあったときには、刑事事件について有罪の言い渡しをした後、当該損害賠償請求についての審理・決定ができる制度です。
  • 被害者参加制度(犯罪被害者等が刑事裁判に参加する制度:
    殺人、傷害など故意の犯罪行為や過失運転致死傷などの被害者等が、一定の要件の下で刑事裁判に直接参加することを可能とする制度です。

そして、犯罪被害者等が日常生活を送るための支援です。
犯罪被害を受けたために、住まいを変えることになる犯罪被害者等も少なくありません。そうした人たちのために、公共住宅への入居を無抽選としたり入居要件を緩和したりする地方公共団体もあります。

公共住宅等の入居への配慮(平成28年4月時点)

図)警察庁「平成28年犯罪被害者白書」P31 図表2-18をもとに作成

地方公共団体においては、犯罪被害者等からの問合せ・相談があった場合に総合的な対応を行う窓口(総合的対応窓口)を設置しているところもあります。また、上限を30万円程度とする見舞金や生活資金の貸付の制度を設けているところがあります。

警察庁「犯罪被害者等施策>地方公共団体の取組:都道府県・政令指定都市 犯罪被害者等施策主管課等一覧」

警察庁「犯罪被害者等施策>地方公共団体の取組:市区町村犯罪被害者等施策担当窓口部局一覧」

また、民間の団体も全国で活動しています。
警察庁「犯罪被害者等施策トップ>被害者支援の相談窓口:犯罪被害者団体等紹介サイト」

ただ、こうした支援があっても、犯罪による被害者等のダメージの全てを回復できるわけではありません。犯罪被害によって大切な人を奪われれば、遺族はその人とともに歩めたであろう様々な未来を失います。犯罪被害によって心身に深い傷を負ったり障害を負ったりすれば、それらと向き合って生きていくことになります。
そうした被害者やその家族・遺族に寄り添い、彼らが平穏な生活を取り戻すためには、周囲の配慮も重要です。

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4.周囲の人はどのように接すればよい?

~犯罪被害に遭った人が置かれた状況を理解して接することが大事

もしも、不幸にして自分の身近な人が被害に遭ったら、私たちはどのように向き合えばいいのでしょうか。
周囲の人の言動によって、犯罪被害者等は心が楽になったり落ち込んだりします。例えば、彼らを元気づけるために「がんばって」「忘れなさい」「運が悪かった」とかけた言葉も、励まされる人もいる一方で、逆に傷ついてしまう人もいます。
内閣府の調査(※)によれば、犯罪被害に遭った人の5人に1人が、「いつまで沈んでいるんだ」といった叱咤・激励や「忘れなさい」「運が悪かった」といった言葉で傷ついたと答えています。一方で、犯罪被害に遭った人の約半数が、周囲の人が「事件のことにはあえて触れないで普段どおりに接する」ことで、精神的に落ち着いたと答えています。

※「平成20年度犯罪被害者等に関する国民意識調査」
警察庁「犯罪被害者等に関する調査」

言葉で励ますよりも、普段どおりに接して寄り添うことが、彼らがゆっくりと心の傷を癒し、平穏な生活を取り戻す手助けになることもあります。

「もしも、自分や身近な人が被害に遭ったら?」。そんなことは考えたくないことですが、そんなふうに自分に置き換えて考えてみてください。残念ながら、どんな人でも犯罪の被害に遭ってしまう可能性があるのです。犯罪被害に遭った人に接するときには、彼らが置かれた状況や心情を理解し、その人の気持ちに寄り添って、配慮するようにしましょう。

犯罪被害者等支援のための施策や相談窓口などはこちらから。

警察庁では、ホームページ「犯罪被害者等施策」を通じて、犯罪被害者等やその支援者に向けて様々な情報を提供しています。こちらでは、被害者や支援者の声、支援のための主な施策、被害者の支援体制や支援団体などの情報が公開されています。

(画像:犯罪被害者等支援シンボルマーク「ギュっとちゃん」)

警察庁「犯罪被害者等施策」

(HP画面は平成28年11月時点のものです)

犯罪被害者等の支援をにご関心のある人は是非こちらのホームページをご覧ください。
また、犯罪被害者等施策に関する情報を発信するフェイスブックもありますので、そちらも合わせてご覧ください。

11月25日~12月1日は「犯罪被害者週間」です

毎年11月25日から12月1日までの1週間は「犯罪被害者週間」です。この週間では、犯罪被害者等が置かれている状況、また、犯罪被害者等の名誉や生活の平穏への配慮の重要性などに対する国民の理解を深めるため、様々な啓発活動が全国各地で実施されます。
その一環として警察庁では「平成28年度犯罪被害者等に関する標語」を募集し、最優秀作品等を決定しました。最優秀作品は、宮城県・髙橋実桜(たかはしみお)さんの「支え合い 寄り添う心 育んで」。この標語は今後、犯罪被害者週間のポスターをはじめ、各種広報啓発活動に使用されます。

(ポスター画像:警察庁)
警察庁「犯罪被害者週間」

また、週間の広報啓発事業の一環として、犯罪等による被害について理解を深めるための中央イベントや地方大会が下記のとおり開催されます。どなたでも無料で参加できますので、犯罪被害について考える機会として、ぜひ、ご参加ください。

・北海道大会
日時:平成28年11月17日(木)
場所:札幌サンプラザ(北海道札幌市)
詳細・お申し込みはこちら[PDF]

・山口大会
日時:平成28年11月26日(土)
場所:山口県健康づくりセンター(山口県山口市)
詳細・お申し込みはこちら[PDF]

・中央イベント
日時:平成28年12月1日(木)
場所:イイノカンファレンスセンター(東京都千代田区)
詳細・お申し込みはこちら[PDF]

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<取材協力:警察庁 文責:政府広報オンライン>

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