竜巻から身を守るために「竜巻注意情報」をご活用ください

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特に夏から秋にかけて発生が多い「竜巻」。竜巻は、短時間で狭い範囲に集中して、甚大な被害をもたらすため注意が必要です。気象庁では、竜巻などの激しい突風に対して注意を呼びかける気象情報として「竜巻注意情報」を発表しているほか、今にも発生する可能性のある地域の詳細な分布を「竜巻発生確度ナウキャスト」で提供しています。これらの情報を活用して、竜巻から身を守りましょう。

1竜巻によってどんな被害が生じているの?

竜巻は、積乱雲に伴う強い上昇気流により発生する激しい渦巻きで、多くの場合、漏斗状または柱上の雲を伴います。その被害域は幅数十メートルから数百メートルで、時速90kmで移動したものもあるなど非常に速いスピードで数キロメートルに渡って移動する場合があります。
そのため、短時間で、狭い範囲に集中して甚大な被害をもたらすことがあります。日本でも、竜巻によって住宅地などが甚大な被害を受ける災害が度々発生しています。

竜巻によって屋根等が破損した住家

屋根等が破損した住家(令和3年5月1日:静岡県牧之原市)
写真提供:気象庁

竜巻によって被害を受けた住宅と大破した自動車

被害を受けた住宅と大破した自動車(平成24年5月6日:茨城県つくば市)
写真提供:気象庁

飛散物によって被害を受けた家屋

飛散物による家屋への被害(平成18年9月17日:宮崎県延岡市)
写真提供:気象庁

屋根瓦が飛んだ家屋

屋根瓦が飛んだ家屋(平成18年9月17日:宮崎県延岡市)
写真提供:気象庁

裏返しになり大破したトラック

裏返しになり大破したトラック(平成18年11月7日:北海道佐呂間町)
写真提供:気象庁

2竜巻が発生しやすい時期は?

日本では、竜巻は、台風や寒冷前線、低気圧などに伴って、季節を問わず発生しています。特に、積乱雲が発達しやすい夏から秋にかけて、発生確認数が多くなっています。

また、発達した積乱雲の付近では、竜巻だけでなく、「ダウンバースト(※1)」や「ガストフロント(※2)」と呼ばれる突風による被害もあります。竜巻とともに、これらの突風にも注意することが必要です。

積乱雲に伴って発生する突風の種類

積乱雲に伴って発生する突風の種類。竜巻、ダウンバースト、ガスフロントと呼ばれる突風がある。

※1:積乱雲から吹き降ろす下降気流が地表に衝突して水平に吹き出す激しい突風
※2:積乱雲の下で形成された冷たい(重い)空気の塊が、その重みにより温かい(軽い)空気の側に流れ出すことによって発生する激しい突風
(資料:気象庁「竜巻などの激しい突風とは」

平成11年9月に愛知県豊橋市で発生した竜巻の写真

平成11年9月に愛知県豊橋市で発生した竜巻
写真提供:愛知県豊橋市

3「竜巻注意情報」はどんなときに発表されるの?

気象庁では、竜巻やダウンバーストなどによる激しい突風が予測されるときや、目撃情報が得られて竜巻等が発生するおそれが高まったと判断した場合に、国民の皆さんに注意を呼びかけるため、「竜巻注意情報」を発表しています。
竜巻注意情報は、雷注意報を補足する情報として、“○○県南部”など天気予報と同じ地域を対象として発表し、防災機関や報道機関へ伝えるとともに、気象庁ホームページでお知らせしています。

竜巻に関する情報は、次のような流れで、段階的に発表されます。

(1)半日から1日前
「気象情報」を発表して、「竜巻などの激しい突風のおそれ」という表現で注意を呼びかけ

(2)数時間前
「雷注意報」を発表して、落雷、ひょう等とともに「竜巻」を明記して注意を呼びかけ

(3)0~1時間前
「竜巻注意情報」を発表して、今まさに竜巻やダウンバーストなどの激しい突風が発生しやすいことをお知らせし注意を呼びかけ

(4)常時
竜巻発生確度ナウキャスト(詳細は後述)」で、竜巻やダウンバーストなどの激しい突風が発生しやすい地域の詳細な分布を提供

このように、竜巻発生の可能性に応じて段階的に情報が発表されるので、状況に応じた対応が可能になります。もっとも差し迫った状況をお知らせする「竜巻注意情報」は発表から1時間が有効利用期間です。その間は特に注意が必要です。
「竜巻注意情報」の発表後も状況は刻々と変化しますので、注意が必要な地域の詳細や今後の経過は、気象庁ホームページで10分毎に提供される「竜巻発生確度ナウキャスト」で確認するという利用が効果的です。竜巻発生確度ナウキャストは「雨雲の動き(ナウキャスト) 」のページで表示させることができます。

4「竜巻発生確度ナウキャスト」とはどんな情報?

竜巻などの突風は、規模が小さく、レーダーなどの観測機器で直接実態を捉えることができません。そこで、竜巻発生確度ナウキャストでは、気象ドップラーレーダーなどから「竜巻が今にも発生する(または発生している)可能性の程度」を推定し、これを発生確度という用語で表します。

竜巻発生確度ナウキャストは、竜巻の発生確度を10km格子単位で解析し、その1時間後(10~60分先)までの予測を行うもので、10分ごとに更新して気象庁ホームページで提供します。

この情報はスマートフォンや携帯電話でもご覧になれますので、屋外で活動する際にぜひ活用してください。

5竜巻から身を守るためには?

「竜巻注意情報」は天気予報と同じ地域単位で発表されますが、実際に竜巻に対する注意が必要なのは、その中でも発達した積乱雲の近くにいる人だけです。「竜巻注意情報」が発表されたからといってすぐに避難が必要なわけではありません。「竜巻注意情報」が発表されたら、まず空を見てください。周りの天気が次のように変わってきている場合には積乱雲が近づいているので、ただちに頑丈な建物に移動するなどの安全確保が必要です。

発達した積乱雲が近づいているときの兆候

  • 真っ黒い雲が近づき、周囲が急に暗くなる。
  • 雷鳴が聞こえたり、雷が見えたりする。
  • ひやっとした冷たい風が吹き出す。
  • 大粒の雨やひょうが降り出す。

特に建設現場、人が大勢集まる屋外のイベント会場、運動会などの学校行事など、避難に時間がかかると考えられる場所では、あらかじめ気象情報や雷注意報に注意し、当日の朝礼やミーティングなどでは、前述した各種気象情報を確認しましょう。

竜巻の恐ろしさは、巻き上げられた瓦(かわら)や看板などが猛スピードで飛んでくることです。こうした飛散物に当たると、命を落としたり重軽傷を負ったりします。
このため、気象庁では、竜巻の見逃しを少なくするために、竜巻などの激しい突風が発生しやすい気象状況について、可能性が高くなくとも積極的に情報を発表しお知らせしています。それでも、現在の観測・予測技術では竜巻などの激しい突風の発生を事前に予測できない場合もあります。周囲の空の様子に注意して、いざというときには自ら身の安全を確保してください。

竜巻から身を守るための行動

  • 頑丈な建物の中に早めに避難する。
  • 物置や車庫、プレハブは建物ごと壊される危険があるため、離れる。
  • 窓ガラスから遠く離れる。
  • 一般の住宅では雨戸、窓やカーテンを閉め、窓のない部屋に移動する。
  • 丈夫な机やテーブルの下に入って身を守る。
  • 屋外にいて周辺に身を守る建物がない場合は、水路などくぼんだところに身を伏せる。
  • 両腕で頭や首を守る。

(取材協力 気象庁 文責 政府広報オンライン)

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