新ルール導入! みんなで支えよう物流の効率化

今回のテーマは「新ルール導入! みんなで支えよう物流の効率化」
「物流の2024年問題」を覚えていますか? 2024年4月からトラックドライバーの労働時間に上限が設けられ、これにより輸送能力不足が心配されました。実はこの問題、今も続いており、このまま対策をしないと、2030年には輸送能力が大幅に不足することが懸念されています。そこで新たに導入されたのが「物流効率化法」です。
番組では、全ての荷主などの努力義務である三つの取組「積載効率の向上」「荷待ち時間の短縮」「荷役等時間の短縮」 を分かりやすく解説します(2025年4月に一部施行)。さらに、一定規模以上の荷物量を扱う「特定荷主」に義務付けられた新たな三つの取組もご紹介します(2026年4月に全面施行)。物流は日本の経済活動を支える重要な基盤。この機会に一緒に理解を深めてみませんか? 
- ゲスト
- 経済産業省
商務・サービスグループ
物流企画室 流通専門官
物流効率化法担当
新井 和樹
ストリーミング(音声で聴く)
- 放送日
- 令和8年(2026年)5月10日
- 再生時間
- 18分26秒
- 配信終了予定日
- 令和9年(2027年)5月9日
文字で読む
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杉浦
- 玲奈ちゃん、「物流の2024年問題」って、結構話題になったよね?
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松井
- はい。ニュースでやってたのは、なんとなく覚えてるんですけど、詳しい内容って、ちょっと抜けちゃってます。
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杉浦
- じゃあ、改めて。2024年4月から、トラックドライバーさんの働き方のルールが変わって、長時間働きすぎないようになったんだよね。そのため、荷物を運べる量が減る可能性が出てきて、これを「物流の2024年問題」と言っておりました。
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松井
- 確かに、トラックドライバーさんって、夜中でも高速道路を運転して荷物を運んでたりとか、長時間労働されてるイメージがかなり強いですね。
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杉浦
- そうだよね。加えて、賃金も他の産業と比べて5%から10%も低い水準で、当然、働き手が集まりづらいから人手不足も大きな課題。それでルールを変えたんだけど、そうすると今度は、荷物を今までどおり運べない可能性も考えられて、それで「物流の2024年問題」がかなり話題になったと。
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松井
- 確かに、ネットで購入した物が翌日に届いたり、コンビニやスーパーでいつもの商品が、いつもどおり買えるっていうのが当たり前の事だったので、「翌日に届かないかも」とか「コンビニやスーパーの棚がスカスカになってるかも」なんて言われると、ちょっと心配になった記憶がありますね。
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杉浦
- そうそう。それで、僕たち消費者も、なるべく1回で受け取れるように配送日時を指定したり、急いで届けてもらう必要が無い商品は、ゆとりを持った日時を指定して届けてもらったり、置き配を活用するとか、受取り方を工夫するようにしなきゃって思うようになったんだよね。うちも、結構置き配使ってます。家族の人数が多いから、配送業者のかたにはお世話になっていて、ここに置いといてくださいってしてますね。
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松井
- 置き配、使われてるかたも多いんじゃないかな? と思いますね。私は、すぐに使うものは実店舗に買いに行くようにしてたりとか、あとは、セールのタイミングは配送が混み合うので、時期をあえてずらして買う事をしてたりしますね。
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杉浦
- そうか。物流問題、大変だからね。
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松井
- そうですね。でも、この「物流の2024年問題」って、解決したんですか?
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杉浦
- それ、気になるよね。ここからは、今日の講師に伺いましょう! 経済産業省物流企画室の新井 和樹さんです。
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松井
- 新井さん、「物流の2024年問題」は「2024年」と付くくらいですから、過去のことなのかな? って思うんですけど、実際どうですか?
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新井
- 正直なところ、「2024年問題」は終わったわけではありません。引き続き対応が迫られていて、輸送能力、つまり、トラックが物を運べる量はひっ迫している状況です。2024年を迎えた際に、当初考えられていたような「荷物が届かない」などの大きな混乱は見受けられませんでした。しかし、トラック事業者に荷物の輸送を依頼する企業など、いわゆる「荷主」に対して経済産業省からアンケートを行ったところ、1割の荷主が、「トラックドライバーの時間外労働が制限されていることを理由に貨物の輸送を断られた経験がある」と回答しています。
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杉浦
- 実際に「2024年問題の影響は出てきていると感じますか?」というようなアンケートも行ったんですよね。
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新井
- はい。そのような問いに対しては、およそ半分程度の荷主が「影響が出ていると思う」若しくは「どちらかと言えば出ていると思う」と回答しています。
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松井
- 「物流の2024年問題」は終わってなかったんですね。
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新井
- そうですね。さらに、何の対策も行わないと、コロナ前の2019年と比較して、2030年には、およそ34%、重さにして9.4億tの輸送能力が不足することも懸念されているんです。
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松井
- 2030年って、あと4年後。すぐですよね。あっという間に来てしまいますね。
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新井
- そうですね。輸送能力が不足するということは、先ほど、お二人がお話していたようなことが起こるかもしれないですし、例えば、冷蔵庫など家電製品の部品が、工場に届けられなかったり、届くのが遅れたりした結果、その製品が店頭で品薄になってしまったり、薬の材料が届かずに薬が作れない、そんな可能性もゼロではないんです。
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松井
- 病院で薬が無いから治療できないなんてことが起こったら、ちょっと想像するだけでも怖いですよね。
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杉浦
- それは怖いよね。そのため「物流効率化法」という新しい法律が、昨年(2025年)4月から一部施行されていて、今年(2026年)の4月から本格的に施行されたんですよね。
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松井
- 「物流効率化法」ですか。なんだか難しそうですけど、これはどういう内容なんですか?
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新井
- はい。物流を将来にわたって維持するために、「荷主と物流事業者に対して、物流を効率化していくための取組を促す」ための法律です。ここで言う「荷主」というのは、改めて説明しますと、「荷物の輸送をトラック事業者に依頼する企業」などのことを指します。「物流事業者」はトラックで荷物を運んだり、倉庫などで保管する企業のことです。「物流効率化法」では、昨年(2025年)4月から、これら全ての企業に対して、物流の効率化に向けた取組を行うことを努力義務としていましたが、今年の4月からは、一定規模以上の事業者については、更に新たな取組が義務付けられました。
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松井
- まずは、昨年(2025年)4月から、全ての荷主などに努力義務が求められている取組は、どのようなことなのか教えていただけますか?
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新井
- はい。それは、「荷待ち時間の短縮」「荷役などの時間の短縮」そして「積載効率の向上」この三つです。
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松井
- 「荷待ち」や「荷役(にやく)」って、ちょっと聞きなれない言葉ですけど…。
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新井
- そうですね。「荷待ち時間」というのは、トラックドライバーが、納品先や集荷先に着いた後、「荷物の積込みや積下ろしが始まるまで待っている時間」が実はあるんです。これを「荷待ち時間」と言います。これは、荷主の都合や倉庫などの物流施設の混雑などで発生することが多く、ドライバー自身ではコントロールすることができない時間です。一方、「荷役時間」は、「実際に荷物を積んだり下ろしたりしている時間」のことです。この法律では、こうした時間をできるだけ短くするように、荷主や物流事業者に取組を求めています。
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杉浦
- 2020年の実態調査では、1運行当たり、ドライバーの拘束時間は平均12時間。そのうち、荷待ちと荷役の時間が、合計でおよそ3時間もあったんだって。
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松井
- じゃあ、4分の1の時間が「荷物を運べていない時間」になってしまっていたんですね。それは、どうにかした方がいいですよね。
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新井
- そうですよね。そのため、荷主や物流事業者は、荷待ち時間を短縮するために、荷下ろし場の使用時間を予約できるシステムを導入したり、荷物の積下ろしに、パレットと呼ばれる荷物をまとめて載せるための台や、フォークリフトを導入するなどして、荷役時間の短縮に努めているんです。
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杉浦
- 一般的に、人力で行うと2時間かかる荷物の積下ろしの作業が、パレットとフォークリフトを使用すると30分もかからずに終わるんだって。
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松井
- それならもう、是非、導入して使っていってほしいですね。
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杉浦
- 効率化が全然違いますもんね。
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新井
- そうですね。もう一つ、法律で求めているのが「トラックの積載効率を上げる」ことです。実は、トラックの荷台は常に満載で走っているわけではありません。コンビニやスーパーで品切れにならないように、急いで少しだけの商品だけを運ぶことがあったり、荷物を届けた後は、何も積まないで帰ってくる「空のトラック」も少なくないんです。
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松井
- それって、空気を運んでるって感じで、ちょっともったいないですね。
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新井
- そこで求められているのが、例えば、複数の会社の荷物を一緒のトラックで運ぶ「共同配送」や、帰り道に運ぶための荷物をあらかじめ確保しておくなど、トラックをできるだけ「満載に近い状態で走らせる」ための工夫です。そのためには、荷物の出荷のタイミングに余裕を持たせたり、荷主同士が必要な情報を共有して連携することなどが求められています。
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松井
- 仕組みができるまで、最初は少し手間がかかりそうですけど、うまく連携できるようになれば、トラックも空っぽで走らなくて済みますし、物流全体の無駄も減っていきそうですね。
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杉浦
- そうだね。荷主さんにとっても、ドライバーさんにとっても、win-win(ウィンウィン)ということだよね。ただ、荷物を効率よく運ぶためには、少しまとめて配送することが必要になるから、今までのように「注文したらすぐ翌日に届く」ということが、当たり前ではなくなる場面も出てくるかもしれないよね。そういう物流の事情を、僕たち消費者も理解することが大切かもしれません。
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新井
- おっしゃるとおりです。ここまでお話した内容が、昨年(2025年)4月に一部施行された「物流効率化法」により、全ての荷主に対して求められる努力義務になります。
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杉浦
- そして、今年(2026年)の4月からは、「物流効率化法」が本格施行され、新たな取組が義務付けられたんですよね。
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松井
- 努力義務ではなくて、必ず守らなければならないことができたんですね。それって、どんなことなんですか?
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新井
- はい。一定規模以上の荷物の量を扱う荷主は「特定荷主」として、三つの取組が義務付けられました。一定規模以上の荷物の量を扱う荷主というのは、具体的に言うと、「1年度に取扱う荷物の重量が9万t以上の荷主」です。
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松井
- 9万t? あんまりイメージができないですね。
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新井
- 例えば、一般的な10tトラックが9,000台あると9万tとなります。ただ、なかなか想像がつかないと思いますが、まずは、荷主自身が自社の貨物重量を算定して、基準を超える場合には、国に「特定荷主の指定の届出」を提出する必要があります。
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松井
- 貨物の重量って、荷主さんは把握してるものなんですか?
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新井
- 取扱貨物の重量計測にはいろいろな方法がありますが、商品の重量と個数を把握している場合は、個数×重量で算出したり、トラックごと計測器で測ったり、運ぶトラックの積載量×台数で算出したり、何らかの方法で計算して9万tを超える場合には届け出ていただくことが必要となります。
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松井
- 自ら算出して申告するんですね。これは該当する可能性のある荷主さんは、注意が必要ですね。では、特定荷主に義務付けられる三つの取組について教えていただけますか?
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新井
- はい。一つ目は、先ほどご説明した三つの努力義務である、「荷待ち時間の短縮」「荷役などの時間の短縮」「積載効率の向上」について、こうした物流効率化に向けた取組に関する「中長期的な計画を作成」すること。二つ目は、毎年、効率化に向けた取組状況を「定期的に報告」すること。三つ目は、物流の効率化に向けた取組を全社的に推し進めることができる責任者「物流統括管理者の選任」です。この「物流統括管理者」は経営判断を行う役員などの中から選任される必要があります。物流と経営戦略を結び付けて最適化を目指す「チーフロジスティクスオフィサー」、いわゆる「CLO」としての役割も担うこととなります。
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松井
- なるほど。役員クラスのかたが担当するっていうことは、物流の効率化っていうのは、ただ現場のものだけではなくて、会社全体で取り組むべき大事なテーマということですね。
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新井
- はい。おっしゃるとおりです。物流は物を運ぶだけではなく、日本の経済活動そのものを支える大切な基盤です。その物流をこれからも安定して機能させていくためには、無駄を減らし、効率よく運べる仕組みを作っていくことが欠かせません。そして、それは、私たちの暮らしを守ることにもつながります。是非、この機会に、物流のことにご関心を持っていただけたらと思います。
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松井
- 私が今日の話の中で注目したのは、「物流効率化法 2026年4月から本格施行」です。
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杉浦
- 僕は、「皆さんの取組がこれからの物流を支えます」です。
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松井
- 一人ひとりの意識が大切ですね!
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