「レベル4」までに危険な場所から全員避難!防災気象情報を活用して身を守り、早めの備えを

POINT
気象庁が発表する防災気象情報の中で「河川氾濫」・「大雨」・「土砂災害」・「高潮」に関する警報等は、5つの色とレベルで危険度を示しており、「レベル4危険警報」までには危険な場所から避難する必要があります。本記事では、災害から身を守るため情報の「レベル」に応じたとるべき行動と、防災気象情報を活用した早めの備えについてご紹介します。
1大雨や台風で生命が脅かされる自然災害は毎年発生
大陸と大洋にはさまれた日本には、季節の変わり目に梅雨前線や秋雨前線が停滞し、しばしば大雨を降らせます。また、7月から10月にかけては日本に接近・上陸する台風が多くなる時期です。特に、傾斜の急な山や川が多い日本では、台風や前線による大雨によって、がけ崩れや土石流、川の氾濫などが発生しやすく、人々の生命が脅かされるような自然災害が、毎年のように発生しています。
また、近年は、線状降水帯の発達により、短時間に狭い範囲で非常に激しく降る雨も頻発しています。山間部のみならず都市部でも、川の急激な増水や道路や住宅の浸水といった被害が発生し、時には都市部で地下街の水没が起こることもあります。
これらの大雨や台風によりもたらされる災害は、人々の生命を脅かすおそれがあるため、十分な情報収集と適切なタイミングでの避難を行うことが重要です。
1級河川などの大きな河川の氾濫による洪水(河川氾濫)

写真提供:国土交通省
大雨による都市部の浸水(大雨)

写真提供:気象庁
中小河川の氾濫による洪水(大雨)

写真提供:気象庁
大雨で流された土砂による家屋の倒壊(土砂災害)

写真提供:気象庁
高潮発生時の冠水・浸水(高潮)

写真提供:近畿地方整備局
どの災害のリスクが高いかをハザードマップでチェック!
お住まいの地域の災害リスクや周囲にどのような危険箇所があるのかを把握するには、市区町村が作成している「ハザードマップ」が役立ちます。
ハザードマップは、過去に発生した災害の被害状況を基に、地震や津波、台風や集中豪雨による河川氾濫、がけ崩れや土石流、火山の噴火など、大規模自然災害における被害発生状況を予測し、地図に書き込んだものです。日頃から危険箇所を確認しておくことで、早めに避難行動をとったり、危険を回避して移動したりすることができます。
また、気象庁が発表する防災気象情報と併せて活用することが重要です。
ハザードマップは、市区町村のウェブサイトや国土交通省のウェブサイト「ハザードマップポータルサイト」で閲覧できます。
2避難の準備・判断に役立つ「警報等のレベル」
河川氾濫、大雨、土砂災害、高潮に関する避難や準備に役立つ情報には、気象庁が発表する防災気象情報と、防災気象情報などを基に自治体が住民に向けて避難行動を促す「避難情報」があります。これまで、気象庁が発表する気象に関する防災気象情報の中で、大雨などの際に避難やその準備などの判断のために発表する情報は「警報」や「注意報」、自治体などが発表する避難情報は「警戒レベル」と、使用する表現が異なっていました。しかし、気象に関する防災気象情報の設定が見直され、令和8年(2026年)5月からは、大雨警報などの気象に関する警報などを警戒レベルに対応したレベルとともに発表することになりました。これにより、避難の準備や判断がしやすくなっています。
出典:国土交通省「防災気象情報の改善について」
3レベル4で全員避難!そのとき、とるべき行動
避難を始める警戒レベルは?
河川氾濫、大雨、土砂災害、高潮に関する警報等のレベルは、災害発生の危険度が高くなるほど数字が大きくなります。それぞれのレベルにおいて、とるべき行動の目安は以下のとおりです。

資料:気象庁「防災気象情報を活用する組織むけのご案内~施設・学校・企業・自治体等の防災担当者の方へ~」から内閣府政府広報室作成
レベルごとにとるべき行動は?
レベルごとに、住民の方々がとるべき具体的な行動をみていきましょう。
レベル1:災害への心構えを高める
気象庁では「レベル3警報」や「レベル2注意報」に先立ち、「早期注意情報」や「時系列情報」、また、大雨や台風に関する「気象解説情報」を発表しています。天気予報やニュースで「気象庁では、大雨(台風)に関する情報を出して警戒を呼びかけています」という言葉が流れたら、これらの情報に注意し、災害への心構えを高めてください。台風の進路や大雨の状況など最新の情報は、テレビやラジオのほか、気象庁ウェブサイトの「防災情報」ページからも入手できます。
レベル2:ハザードマップなどで避難行動を確認
ハザードマップで災害の危険性のある区域や避難場所、避難経路、避難のタイミングの再確認など、避難に備え、自らの避難行動を確認しておきましょう。なお、お住まいの地域がハザードマップで危険な地域になっていなくても、「うちは大丈夫」「まだ大丈夫」と甘くみずに、早めに避難への備えを進めることが重要です。

レベル3:危険な場所から高齢者等は避難
避難に時間がかかる高齢のかたや障害のあるかた、避難を支援するかたなどは危険な場所から安全な場所へ避難しましょう。土砂災害の危険性がある区域や急激な水位上昇のおそれがある河川沿いにお住まいのかたも、準備が整い次第、この段階での避難が強く望まれます。それ以外のかたもふだんの行動を見合わせたり、いつでも避難できるように準備をしたり、危険を感じたら自主的に避難をしましょう。
また、大雨などによる災害の危険度の分布をリアルタイムで確認できる、気象庁のウェブサイト「キキクル」や河川の水位情報等の情報を確認しましょう。
各自治体の避難情報の発令状況は、各自治体のウェブサイトなどでも確認できます。

レベル4:対象地域住民のうち危険な場所にいる人は全員避難
災害が発生する危険が高まっているため、対象地域のかたは全員速やかに危険な場所から避難してください。台風などにより暴風が予想される場合は、暴風が吹き始める前に避難を完了させましょう。避難にあたっては、あらかじめ指定された避難場所へ向かうことにこだわらず、川やがけから少しでも離れた、近くの頑丈な建物の上層階に避難するなど、自らの判断でその時点で最善の安全確保行動をとることが重要です。

レベル5:命の危険があるため直ちに安全確保を
すでに災害が発生している、あるいは災害が発生直前である状況です。命が危険な状況ですので、直ちに安全な場所で命を守る行動をとってください。
レベル5になってからでは、安全な避難が難しい状況です。予定していた避難場所への避難が危険な場合には、自宅の上の階や、がけから離れた部屋に移動するなど、その場でとることができる少しでも身の安全を確保するための行動をとるようにしましょう。
災害の危険度を知るためにできることは?
気象庁では、より確実かつ迅速に災害の危険度を皆さんにお届けするために民間事業者と連携して、あらかじめ登録しておいた地域で土砂災害、浸水害、洪水災害の危険度が高まった場合や警報などが発表された場合にスマートフォンなどに自動で通知する、「キキクル」のプッシュ型通知サービスを提供しています。
通知を受け取ることで、危険度が高まっていることをいち早く知ることができ、適切なタイミングで避難することができます。また、離れた場所にいる家族などに避難を呼びかけることもできます。何も起きていない平時からプッシュ型通知サービスを登録しておき、いざというときの避難や防災行動の判断に活用しましょう。
気象庁「キキクル、噴火警報・噴火速報のプッシュ型通知サービスについて」
自治体から「警戒レベル4避難指示」や「警戒レベル3高齢者等避難」が発令されていなくても、「レベル4」や「レベル3」の防災気象情報が発表された場合には、大雨などによる災害の危険度の分布をリアルタイムで確認できる、「キキクル」や河川の水位情報等の情報を確認して、早めの避難を心がけてください。
また、台風のときには、台風が通り過ぎたり、温帯低気圧に変わったりしても、吹き返しの強い風が吹いたり雨が降り続いたりするほか、雨が止んでも地盤が緩んだ状態が続き土砂災害のおそれがあることや、これまでに降った雨により河川が増水することがあります。防災気象情報の「レベル3警報」や「レベル2注意報」が解除されるまでは、警戒を続けましょう。
4雨や風が強くなる前に、家の外と中の備えの確認を
レベル1の「早期注意情報」が発表されたときなど、これから雨や風が強くなることが予想される際は、早めに災害への備えをしておくことが重要です。雨が降ったり、風が強くなったりする前に、窓や雨戸はしっかりと閉めて必要に応じて補強する、側溝や排水溝は掃除して水はけをよくしておく、風で飛ばされそうな鉢植えや物干し竿などは家の中へしまったり、庭木やプロパンガスなどはしっかりと固定したりする、自動車のガソリンを満タンにしておくなど、家の外の備えをしておきましょう。雨や風が強くなってからでは、外での作業は危険です。
家の外の備え


また、飛散防止フィルムを窓ガラスに貼る、水を確保する、スマートフォンやパソコンをフル充電するなど、室内の備えもしておきましょう。
家の中の備え



さらに避難が必要になったときに備えて、避難場所だけでなく食料や薬、携帯ラジオなど非常用に持ち出すものの確認なども行っておきましょう。

「レベル3警報」「レベル2注意報」が発表されているときや悪天候のときは、交通機関がストップしてしまうおそれがあります。外出は控え、外出している人は、天気が荒れる前に、早めに帰宅するようにしましょう。
自治体から「警戒レベル3高齢者等避難」の発令があったときは、高齢者やこどものいる家庭など避難に時間を要する家庭では速やかに避難を開始しましょう。それ以外の家庭でも、いつでも避難を開始できるよう準備するとともに、危険を感じたら自主的に避難を開始しましょう。避難指示があったときは、安全なルートで避難場所にすぐに避難してください。中小河川の氾濫や土砂災害などの災害は一気に起こるため、避難が遅れると、命にかかわります。天候が荒れてからでは、移動も大変になりますので、早い段階から避難するようにしましょう。
避難するときの注意点




まとめ
自然災害から身を守るには、河川氾濫、大雨、土砂災害、高潮に関する防災気象情報をチェックすることが重要です。高齢者など避難に時間がかかるかたは「レベル3」から避難を始め、「レベル4」では全員が危険な場所から避難することを心がけましょう。
(取材協力:気象庁 文責:内閣府政府広報室)
