こどもたちへのより良い教育の実現を目指して。進む「学校における働き方改革」

校舎の前に、教師、児童生徒、学校業務に協力している人々が集まり、はつらつとしているイラスト

POINT

こどもたちの未来のために質の高い教育を実現するには、教師がこどもたち一人ひとりと向き合う時間を確保し、地域や保護者の皆様と一体となって支えていく「学校における働き方改革」が求められています。各教育委員会や学校が様々な取組を進める中で、そのカギとなるのが地域や保護者の皆様の理解と協力です。

1今の教師を取り巻く環境

これからの時代に求められる学び

人工知能(AI)やロボット技術の発達などによって生活はどんどん便利になり、社会が激しく変化しています。その中で、未来を担うこどもたちは、発達を続けるテクノロジーに関する知識もさることながら、人の話や文章をきちんと理解する力、自ら考え仲間と協力して問題を解決する力、自分の意見を正確に伝える力など、AIやロボットでは代替できないような力もしっかり身に付ける必要があります。

そして、こうした力をこどもたちが身に付けるためには、指導する立場である教師自身が主体的に学び続け、自らの人間性を高めることなどに、日々取り組んでいかなければなりません。

学校が対応する課題や教師の勤務実態

いじめの重大事態の発生件数や不登校児童生徒数の増加など、学校が直面する課題は多様化・複雑化しています。依然として長時間勤務の傾向が見られ、教師不足も深刻な課題となっています。

夜遅くまで山積みの事務作業をする教師のイラスト、教師は紙の資料を手にして作業をしている。厳しい長時間勤務の説明として、時間外在校等時間(時間外労働)の平均は、地方公務員の一般行政職の約3倍(令和4年度は月約47時間)。また、学校に必要な教師の数に対して、実際には不足している率を令和7年度と令和3年度で比較すると、23自治体において改善し、43自治体においては悪化したという「教師不足」。これらの要因により「こどもたちに向き合う時間が足りない!」。

資料:文部科学省ホームページ「教師を取り巻く環境整備について(学校における働き方改革、指導・運営体制の充実、教師の処遇改善)」「令和7年度「教師不足」に関する実態調査」から政府広報室作成

2教師を取り巻く環境を整えるための取組

学校の業務の見直し

令和7年(2025年)6月に成立した「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律」(以下「給特法等改正法」という。)では、学校における働き方改革を更に推進するため、全ての教育委員会において、文部科学大臣が定める指針に則し、“働き方改革のための計画”を策定することが義務付けられています。

各教育委員会は計画において教師の時間外在校等時間の目標と、その目標の達成のために必要な学校の業務の在り方を見直す具体策を定めています。

(注)公立学校の教育職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針(令和7年文部科学省告示第114号)

同指針で示している「学校と教師の業務の3分類」を踏まえ、学校内外の役割分担の見直しを進めることも必要です

学校と教師の業務の3分類

(1)学校以外が担うべき業務

学校ではなく、各業務内容に応じて地方公共団体や教育委員会における取組に加え、地域や保護者などの協力により対応できる業務です。

(2)教師以外が積極的に参画すべき業務

教師以外が担うことが可能な業務であり、学校の事務職員や教員業務支援員(スクールサポートスタッフ)、部活動指導員、スクールカウンセラー、スクールワーカーなどの支援スタッフの参画、外部委託の活用などの積極的な検討が求められている業務です。

(3)教師の業務だが、負担軽減を促進すべき業務

デジタル技術の活用、教員業務支援員(スクールサポートスタッフ)や事務職員などとの効果的な連携・協働によって教師の負担が軽減できる業務です。

学校と教師の業務の3分類。〈1〉学校以外が担うべき業務。1.登下校時の通学路における日常的な見守り活動等、2.放課後から夜間などにおける校外の見回り、児童生徒が補導された時の対応、3.学校徴収金の徴収・管理(公会計化等)、4.地域学校協働活動の関係者間の連絡調整等、5.保護者等からの過剰な苦情や不当な要求等の学校では対応が困難な事案への対応。〈2〉教師以外が積極的に参画すべき業務。6.調査・統計等への回答、7.学校の広報資料・ウェブサイトの作成・管理、8.ICT機器・ネットワーク設備の日常的な保守・管理、9.学校プールや体育館等の施設・設備の管理、10.校舎の開錠・施錠、11.児童生徒の休み時間における安全への配慮、12.校内清掃、13.部活動。〈3〉教師の業務だが、負担軽減を促進すべき業務。14.給食の時間における対応、15.授業準備、16.学習評価や成績処理、17.学校行事の準備・運営、18.進路指導の準備、19.支援が必要な児童生徒・家庭への対応。

資料:文部科学省ホームページ「学校と教師の業務の3分類」から政府広報室作成

みんなで行う学校づくり

学校における働き方改革を進めるためには、地域や保護者との連携・協働が重要です。連携・協働の際には、学校運営協議会などで、地域・保護者・学校が、具体的な取組を話し合った上で実行していくことが考えられます。また、保護者から受けた相談については、学校問題解決支援コーディネーター若しくは心理職や福祉職などの専門家と連携して問題を解決することもあります。つまり、地域、保護者、関係機関との連携・協働による「チーム学校」を目指すことが求められているのです。

学校と保護者・地域住民等が連携・協働してこどもたちを育てていく上で、保護者・地域の皆様には、教職員とのより良い関係づくりのために、以下のご配慮をお願いします。

  • 適切な表現・声量:怒鳴るなどの行動はお控えください。
  • 適切な要求:学校ができないこともあることをご理解ください。
  • SNSでの拡散:先生やこどもを傷つけるSNS投稿はお控えください。
  • 適切な時間内のご相談:勤務時間外や長時間のご相談はお控えください。

教師、事務職員、専門人材、保護者・地域のかた、支援スタッフ、部活動指導員が連携・協働して学校業務を行っているイメージイラスト。学校の校舎のイラストを背景に、教師は授業を行っている。事務職員はPCで事務作業を行っている。専門人材の人はPCで作業しているこどもに使い方などを教えている。保護者・地域のかたは、横断歩道を渡る児童の見守り活動を行っている。支援スタッフはコピー機で資料を準備している。部活動指導員はこどもにサッカーを教えている。

まとめ

文部科学省が実施した調査注1によると、学校における働き方改革に係る取組の実施率は前年度より上昇しています。注2また、教師の時間外労働時間は減少しています。注3しかし、給特法等改正法が定める「1箇月平均時間外在校等時間を平均30時間程度に削減することを目標」は、まだ達成できていません。

学校における働き方改革に係る取組を更に推進することで、教師の健康を守り、その意欲と能力が最大限発揮できる勤務環境を整えていきます。そして、地域や保護者の皆様には、教師が高い専門性を発揮でき、学校教育の質を向上させるためにも、ご理解とご協力をお願いします。

(注1)令和7年度 教育委員会における学校の働き方改革のための「見える化」調査

(注2)支援が必要な児童生徒等・家庭への対応について専門人材と教師が協働して対応した取組、授業準備への支援スタッフの参画などは、都道府県・政令市・市区町村を合計した実施率が80 %以上。

(注3)時間外労働時間の1か月平均は、小学校30.6時間、中学校40.4時間、高等学校33.4時間で、指針で定める時間外在校等時間の上限45時間以下の教師の割合は令和5年度と比べて増加しています。

(取材協力:文部科学省 文責:内閣府政府広報室)

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