「うちの子に限って」では守れない ~いじめ させない 見逃さない~

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ラジオ番組「杉浦太陽・松井玲奈「日曜まなびより」」

今回のテーマは「「うちの子に限って」では守れない ~いじめ させない 見逃さない~」
「グループチャット内での返信が遅かった」「SNSに軽い気持ちで書き込んだ悪口」など、ささいなきっかけで始まり、周りから見えにくく、エスカレートしやすい今のいじめ。特にインターネット上のいじめは大人が気付きにくく、気付いた時には深刻な事態になっていることも。また、「親に心配をかけたくない」「仕返しが怖い」と、いじめを受けていることを隠すこどももいます。大人がいじめを「見過ごさない」ためには、普段から親子で学校などでの出来事を話せる関係をつくっておくことが大切です。
番組では、いじめの現状やいじめに気付いた時の対応、「こどもの人権110番」「法務局LINEじんけん相談」などの相談先について学びます。  

杉浦太陽さん、松井玲奈さん、法務省ゲストの3人が、「全国一斉『こどもの人権相談』強化週間」のポスターを紹介。

ゲスト
法務省 人権擁護局 調査救済課
今井 美智子

ストリーミング(音声で聴く)

放送日
令和8年(2026年)8月23日
再生時間
17分42秒
配信終了予定日
令和9年(2027年)8月22日

文字で読む

松井
「いじめ」って、聞くだけで胸が苦しくなる言葉ですよね。
杉浦
そうだよね。僕自身も親として、「うちの子はいじめられていないかな」とか、逆に「誰かを傷つけるようなことをしていないかな」とか、やっぱり気になることはあるよね。
松井
文部科学省が、昨年(2025年)10月に公表した調査結果によると、2024年度の間に小・中・高等学校及び特別支援学校における「いじめ」の認知件数はおよそ76万9,000件で、過去最多だったそうです。
杉浦
過去最多か…。想像以上に多い件数でびっくりしたんですけども、これって、児童生徒1,000人当たり61.3件の認知件数ということなんだよね。
松井
そのうち、およそ76%については、年度内に解決しているのですが、今のいじめって、叩いたり、物を隠したり、無視や仲間外れといった目に見える形で行われるものだけじゃなくて、SNSやグループチャットで悪口を言ったりなど、「周りから見えにくく、大人の目が届きにくいところで起きる」ことも多いんですよね。
杉浦
そうなんだよね。あと、「ささいなきっかけで始まって、エスカレートしやすい」っていうのも、残念ながら今のいじめの特徴の一つなんですね。詳しくは、今日の講師に教えていただきましょうか。法務省人権擁護局の今井 美智子さんです。
松井
今井さん、ささいなきっかけから「いじめ」がはじまるケース、具体的にはどのようなものがありますか?
今井
はい。法務省の人権擁護機関に寄せられた実際の相談内容の中には、「合唱コンクールのピアノの伴奏を断った」とか「転校してすぐ部活のリーダーと仲良くなった」などがきっかけでいじめに発展したというものがありました。
松井
本当に何がきっかけになるのか分からないですね。
今井
そうですね。特にインターネット上では、その傾向が目立ちます。「グループチャット内での返信が遅かった」とか「SNSで「○○中学のサッカー部が弱い」と軽い気持ちで書き込んだ」ことが広まり、いじめにつながったケースもありました。SNSの場合、そうした書き込みがあっという間に広がり、多くの人を巻き込んで被害者を追い込む、深刻ないじめへとエスカレートすることも珍しくありません。
杉浦
親としては、「いじめなんて、うちの子には関係ない」と思いたくなりますけども、どの子にも起こり得る問題なんですよね?
今井
はい。直接いじめていなくても、いじめの行為を面白がって見ていたり、はやし立てたり、見て見ぬふりをすることも「いじめ」に加担していることになるので、「いじめ」の問題は、誰にでも関係することなんです。
松井
本当に「うちの子には関係ない」と思ってはいられないですね。
今井
おっしゃるとおりです。また、からかうような暴力を伴わないいじめの場合、「いじめ」を受けたこどもは深く傷ついているのに、「いじめ」をした側は「ただの冗談だった」「みんなでふざけていただけ」「いじっただけ」と、相手を傷つけた自覚がないことも少なくありません。
松井
いじめをしている側とされている側に、ものすごいギャップがあるんですよね。
今井
そうですね。こども同士が意見の違いでぶつかったり、けんかをすること自体は、成長の過程では決して珍しいことではありません。ただ、その範囲を超えて、相手の心や「人権」を傷つける行為になってしまうことがあります。
杉浦
「人権」と言いますと、少し難しく聞こえるかもしれませんが、「人間が人間らしく、幸せに生きる権利で、誰もが持っているもの」ですよね。
今井
はい、そうです。いじめを受けたこどもにとって、学校生活はつらく、苦しいものに違いなく、友人とのふれあいを通じて自由に成長していく機会が妨げられます。さらに、いじめが原因で不登校にまで至れば、それは教育を受ける機会まで妨げられていることになります。
松井
いじめは、このように相手が本来持っている大切な「機会」を奪う行為であるということを、一人ひとりがしっかり認識する必要がありますね。
今井
おっしゃるとおりです。相手の人権を傷つけないように「相手の立場になって考えること」、そして「相手の痛みに気付こうとすること」が何より大切で、そうした気持ちをこどもの頃から育んでいくことが必要なんです。
杉浦
そうした思いやりの心や人権の大切さを伝えるために、法務省の人権擁護機関では、学校で「人権教室」を開いているそうですね。
今井
はい。「人権擁護委員」という、地域で人権相談や啓発活動を行っている民間ボランティアの方々を中心に、学校を訪問して人権教室を開催しています。こどもたち自身が、「いじめをなくすために何ができるのか」「相手の気持ちを考えるとはどういうことなのか」を考える機会になっています。
杉浦
マンガや動画も発信されていますよね。
今井
はい。マンガを通じて、人権について学べる冊子を配布したり、動画コンテンツを公開したりして、こどもたちに人権を身近に感じてもらえるような取組も行っています。
杉浦
マンガや動画は、法務省のウェブサイトで見られます。「いじめをなくすために」で検索して、是非見て欲しいですね。ここからは、大人がいじめを「見過ごさない」ために必要なことについてお話を伺っていきます。これはやっぱり「日頃からこどもとコミュニケーションを取ること」、これがとっても大事だと僕は思っているんですけども、いかがでしょうか? 今井さん。
今井
はい。こども同士、SNS上でやりとりすることが多い今は、「いじめ」やトラブルの兆候が非常に見えにくくなっています。また、いじめを受けていたとしても、こどもが自分から「つらい」と言ってくれるケースばかりではないんです。むしろ、「親を心配させたくない」とか「言っても変わらない」と思って、一人で抱え込んでしまう子も少なくありません。
杉浦
少なくないんですね…。
今井
ですから、いじめを問いただすのではなく、普段から学校などであったことを自然に話せる関係を作っておくことの方が大事なんです。そうすると、「最近、部活の話をしなくなったな、何かあったのかな」といったように、小さな変化から、こどもが「嫌だなと思っていること」や「困っていること」「いじめ」などの問題に気付きやすくなるんです。
松井
それで、実際にこどもが学校で「嫌な思いをしている」「いじめ」に遭っていることが分かったときはどうすればいいんですか?
今井
まずは、お子さんの話をしっかり聴いてあげてください。そして、抱え込まず、学校の担任の先生などに相談することが大切です。いじめは、こどもだけで解決しようとしても難しいケースが少なくありません。特に、周りの子たちが見て見ぬふりをしてしまう状況になると、被害を受けているこどもは、ますます声を上げにくくなってしまいます。だからこそ、家庭と学校が情報共有しながら、大人が責任を持って関わることが必要なんです。
松井
保護者のかたがいじめに気付いた場合ではなく、こどもが友達やクラスメートがいじめに遭っていることに気付いた場合も、まずは先生に相談ですか?
今井
はい。「先生に言うなんて告げ口だ」と思う子もいるかもしれませんが、友達を守るために大人に知らせることは、決して悪いことではありません。見て見ぬふりをすることで「意図せずいじめに加担することになってしまう」場合もあることを、ご家庭でもお子さんにお話しいただければと思います。
松井
でも、親や学校の先生など、逆に身近な人には相談しにくいな… というケースもあるんじゃないかなと思うんですよね。
今井
そうですね。そのような場合には「こどもの人権110番」や「法務局LINEじんけん相談」にご連絡ください。先生や家の人には話しにくいけれど、このままでは「つらい」「不安だ」「誰も気付いてくれない」、そんなときは、迷わず電話やLINEで相談してください。ちょっとした悩みでも大丈夫です。お話を聴かせてください。
杉浦
「こどもの人権110番」は通話無料のフリーダイヤル、0120-007-110。フリーダイヤル、ゼロゼロナナのヒャクトウバンです。
今井
いつもは、平日、午前8時30分から夕方5時15分まで受け付けていますが、今度の金曜日、(2026年)8月28日から9月3日木曜日までの1週間は「こどもの人権相談 強化週間」として、平日は時間を延長して夜7時まで、土日も午前10時から午後5時まで受け付けます。同じく「法務局LINEじんけん相談」も受付時間を延長し、また、土日も受け付けます。
杉浦
日頃から「いじめ」や「人権」について相談に乗っている法務局の職員や人権擁護委員の方々が、一緒に問題について考えてくれるそうです。名前を言いたくなければ、匿名での相談も可能ですし、秘密も守られます。
松井
新学期が始まるこの時期は、学校へ行くことを考えただけで憂鬱な気持ちになってしまう子も少なくないと思います。そのようなときは、是非相談してほしいですね。ちなみに、こちらは大人も相談できるんでしょうか?
今井
もちろんです。実際には、保護者のかたからの相談もたくさん寄せられています。こどもからの相談も大人からの相談も、まずは丁寧にお話を伺い、解決に向けて一緒に考えます。相談の内容によっては相談者の意見を確認したうえで調査して、事案に応じた適切な措置、例えば、学校と保護者の間を調整したり、学校に必要な対応を求めたりしています。
松井
相談した人の気持ちを大切にしながら、解決に向けて、一緒に対応してくださるんですね。
今井
はい。また、手紙で相談できる「こどもの人権SOSミニレター」や「こどもの人権SOS-eメール」などもあり、自分が相談しやすい方法を選ぶことができます。法務省のウェブサイトで一覧で紹介していますので、「法務省(スペース)人権相談」で検索のうえ、是非確認してみてください。
杉浦
悩みを一人で抱え込んでしまうと、問題がより深刻になってしまうこともあります。様々な相談方法がありますので、自分のやりやすい方法で、是非相談してほしいですね。
今井
いじめを受けている子も、お子さんのことで悩んでいる保護者のかたも、そして、友達がいじめられていることに気付いて心を痛めている子も、どうか一人で抱え込まないでください。「こんなことを相談していいのかな」と迷うようなことでも構いません。あなたの話を聴き、一緒に考え、力になりたいと思っている人がいます。「嫌だな」「つらいな」「怖いな」「悲しいな」「困ったな」、そんなときは、勇気を出して誰かに声を掛けてください。その一言が、状況を変える大きな一歩になるはずです。
松井
私が今日の話の中で注目したのは、「子どもも大人もひとりで抱え込まず」です。
杉浦
大事だよね。僕は「こどもの人権110番」です。0120-007-110、迷ったときは電話してみてください。

行政相談月間の実施(CM)

9月と10月は『行政相談月間』です。

行政相談では、年金や子育て、雇用、道路や公共施設のことなど、
行政に関する苦情や要望を幅広く受け付けています。

各府省の窓口で解決できなかった相談や、
どこに相談すればよいか分からないといったお困りごとにも対応します。

総務省では、電話やメール、チャットボットなど、
様々な方法で、相談を無料で受け付けています。
まずは“きくみみ”と検索してください。

また、期間中は専門家が集まる無料の合同行政相談所も全国で開催されます。
この機会に是非、行政相談をご利用ください。

あしたの暮らしをわかりやすく
♪政府広報♪

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