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Highlighting JAPAN

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ニューツーリズム

スピリチュアル・ツーリズム(仮訳)

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日本では古くから、三重県の伊勢神宮へのお参りや、信仰の山として崇められていた富士山への登山などが行われてきた。現代においても、「パワースポット」と呼ばれる、人を元気にすると信じられる場所が近年、若者の間でも注目されている。日本の「聖地」を訪れる旅を紹介する。

伏見稲荷大社

日本の神社や寺院は1月1日から3日にかけて、一年の無事を祈る初詣を行う人々で賑わう。なかでも、京都の伏見稲荷大社は、全国から毎年250万人以の初詣客が訪れる神社だ。

伏見稲荷大社の歴史は、祭神である稲荷大神が稲荷山に初めて鎮座した711年に始まったと言われる。2011年は、それから1300年目を迎える。稲荷大神は、五穀豊穣、商売繁盛、家内安全の神として広く信仰されている。稲荷大神を祭った稲荷神社は全国に約3万社あると言われ、その中で、伏見稲荷大社は総本宮だ。

伏見稲荷大社の境内は、広さ約87万平方メートルで、稲荷山(海抜233メートル)の西麓一帯に広がっている。神社の中心の建物である本殿は、1499年に再建されたもので、国の重要文化財に指定されている。

伏見稲荷大社で有名なのは、数多く建ち並ぶ赤い鳥居だ。江戸時代(1603-1867)に、願い事が叶うと人々が鳥居を奉納する習慣が広まり、現在、約1万基の鳥居が境内に並んでいる。

熊野古道

本州の中央部、太平洋に突き出た紀伊半島南部の紀伊山地は、1000〜2000メートルほどの山々が連なる山岳地帯だ。雨量に恵まれ、豊かな森林が育まれている地域でもある。

この地域には、「熊野三山」、「吉野・大峰」、「高野山」(ポップ)という3つの霊場があり、古くから多くの参詣者が各地から訪れたという。特に、熊野三山への参詣は平安時代(794-1192)の中頃以降非常に盛んで、参拝者が切れ目なく参道を歩く様子から「蟻の熊野詣」と言われるほどであった。熊野三山へ向かうために参詣者が歩いた道が、熊野古道だ。

現在でも、熊野古道を歩くことは可能だ。標高1000メートルを超える険しい山道を歩くコース、700年以上前に整備されたと言われる石敷きの道を歩くコース、眼下に広がる太平洋を眺めながら歩くコースなどを旅行者それぞれが選べる。1000年近くの歴史、文化、そしてそれを取り巻く自然を、歩くことによって体感する旅が出来る。


四国八十八箇所霊場は、日本における仏教の興隆に大きく貢献した弘法大師(空海)(774-835)が、四国を訪れた際に、88箇所選んだ寺院。当初、僧侶がそれぞれの寺を巡る「遍路」が行われていたが、江戸時代になるとそれが民衆まで広がった。全行程を歩くと全長1200キロメートル以上になる。現在は、徒歩だけでなく、バスや車で巡ることも可能だ。

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