Home > Highlighting JAPAN > Highlighting JAPAN 2011年2月号 > グッドデザイン賞(仮訳)

Highlighting JAPAN

前へ次へ

トピックス

グッドデザイン賞(仮訳)

English

2010年9月、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨のための賞であるグッドデザイン賞の2010年度受賞結果が発表された。グッドデザイン賞は、1957年に通商産業省(現在の経済産業省)が「商品の良質化により国民生活の向上、産業の発展及び輸出貿易の振興を図るため」に創設した。今年度は、1100件がグッドデザイン賞を受賞し、その中から、特に優れていると認められるもの15点がグッドデザイン賞ベスト15として選ばれ、さらに、そこから、大賞1点とそれに次ぐ金賞14点が決定された。グッドデザイン賞を受賞した対象は、その証として「Gマーク」と呼ばれるマークを使用し、そのデザイン性の高さをアピールすることが出来る。

「50年以上の歴史を持つデザイン賞は世界でも非常に希です」と日本産業デザイン振興会グッドデザイン賞事務局の鈴木紗栄氏は言う。「その応募数、受賞数、そしてジャンルの幅広さは他に類をみません」

グッドデザイン賞は「人間のあらゆる活動領域で展開されているものごと」を対象としているため、システムやアイデアもデザインとして見なされる。今回は、アイドルグループ「AKB48」がエンターテイメントプロジェクトデザインとして金賞の中の1つに選ばれた。

近年は、外国企業もグッドデザイン賞に注目しており、応募も全体の約2割を占めている。今年度の大賞は、イギリス企業ダイソンの扇風機が受賞した。次のページで、エアマルチプライアーを、いつくかの金賞と併せて紹介する。


グッドデザイン大賞

エアマルチプライアー(ダイソン株式会社)

エアマルチプライアーは羽根のない扇風機。周囲の空気を吸い込み、加速させて吹き出す。羽根がないので、安全で、手入れも簡単。

グッドデザイン金賞(生活領域)

リーフ(日産)

電気自動車「日産リーフ」の普及とゼロ・エミッション社会の推進のための包括的な取り組みで受賞。包括的な取り組みとは、例えば、政府・地方自治体、電力会社等とのパートナーシップ締結、リチウムイオンバッテリーの生産、クルマへのリサイクル材の使用、充電インフラの整備などである。

グッドデザイン金賞(社会領域)

「きぼう」日本実験棟(独立行政法人宇宙航空研究開発機構)

「きぼう」日本実験棟は、日本、米国など世界15ヵ国が協力して建設を進めている国際宇宙ステーションの施設の一つ。きぼうは、宇宙飛行士の操作性向上や誤操作防止の工夫がされ、システム自動化により作業負担も軽減、さらに、白と青を基調とした内装や室内の静かさで視覚・聴覚に優しいデザインとなっている。
グッドデザイン金賞(ネットワーク領域)

AKB48(株式会社AKS)

作詞家・秋元康が総合プロデューサーを務める、2005年12月より活動開始のアイドルグループ。コンセプトは「会いにいけるアイドル」。秋葉原に専用の「AKB48劇場」をもち、日々、歌とダンスを中心とした公演を行っている。2010年10月現在、総公演回数は2072回、観客延べ総動員数は約51万人。メンバーは全て全国各地からの応募によるオーディションにより選出される。グループは、アメリカ、ロシア、韓国、シンガポールなど海外でも公演を行っている。

インドにおける日本のグッドデザイン展

インド政府は、2007年「国家デザイン政策」を発表、その実施組織であるインドデザインカウンシルを発足させ、国を挙げてデザインの振興を図っている。今年インド版「グッドデザイン賞」と言えるデザイン賞制度が発足する見込み。これに合わせて3月4日~6日の三日間、ニューデリーのインド商工会議所連合会(FICCI)の施設において、日本のグッドデザイン展が開催される。この展覧会では、カップラーメンの容器や文房具など長年にわたって日本で親しまれているものから、家電、温水洗浄便座、電池、カメラなど最先端の性能を持ったものまで、歴代のグッドデザイン賞受賞品90点あまりが展示される。

前へ次へ