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Highlighting JAPAN

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特集一人一人が一人一人を幸せにする国際協力

新しい絆の創造による国際貢献(仮訳)

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2011年1月26日から30日の間、スイスのダボスにおいて世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が開催された。会議には、100を超える国・地域から、政治家、ビジネスマン、NGOのメンバーなど2500名以上が参加、IT、エネルギー、環境、雇用など様々なテーマのセッションが数多く開催された。

1月28日、緒方貞子国際協力機構(JICA)理事長とマーク・マロック=ブラウン元国連副事務総長が主催するセッションが開かれ、潘基文国連事務総長、マーガレット・チャンWHO事務局長、ピーター・サザランド・ゴールドマンサックス・インターナショナル会長などそうそうたるメンバー約30名が集まった。セッションのテーマは「人間の安全保障」だ。人間の安全保障とは、紛争、テロ、感染症、環境破壊など国境を越えた個人に対する直接的な脅威がますます深刻化する中で、国のみを対象としていたこれまでの安全保障の枠組みに、個々の人々を対象とする取組を加えることで、人々が恐怖や欠乏から免がれ、尊厳をもって生きることができるようにすることを目指す考え方である。日本は現在、国際社会において、人間の安全保障の概念の普及、そしてその実践の推進役としての地位を有している。

参加者からは、「人間の安全保障は国際社会のあらゆる問題に対処する上で従うべき重要な概念」、あるいは「同概念の一層の推進には企業・民間部門の積極的な関与が必要」といった意見が出された。

セッションの翌日29日に行われた特別講演で菅直人総理は「最小不幸社会」の実現に必要な「新しい絆」の必要性を強調した上で「日本が以前から重視し、ここダボスでも議論されている『人間の安全保障』という考え方は、まさにこの『新しい絆』の創造でもあると考えます。なぜなら、それは人間の一人ひとりに手を差し伸べ、その保護と能力強化を通じ、尊厳をもって生きることを目的としているからであります。日本は、この考え方に基づき、ミレニアム開発目標(MDGs)の貢献に当たって、保健や教育分野の強化に努めてまいります」と述べた。

今月の特集記事は、人間の安全保障を含め、『新しい絆』の創造による、日本の国際協力の姿を紹介する。

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