Home > Highlighting JAPAN > Highlighting JAPAN 2011年5月号 > 新生への道(仮訳)

Highlighting JAPAN

次へ

特集震災復興

新生への道(仮訳)

English

東日本大震災の発生から約2ヶ月が経った被災地は、国内外の様々な支援を受けながら、着実に復興の道を歩みつつある。津波で被害を受けた仙台空港は、自衛隊と米軍が共同で瓦礫の撤去作業にあたった結果、4月13日に旅客便の運行を再開した。東北新幹線も4月29日に東京から新青森までが全線で運転を再開している。仮設住宅の建設も進み、岩手県、宮城県、福島県で5月末までに約3万戸が完成する予定だ。

インフラに加え、企業活動も戻りつつある。今回の震災により、自動車、半導体、液晶パネルなどの工場が被災した。しかし、経済産業省が、全国規模の大手製造企業55社を対象に4月中旬に行った調査によると、被災した生産拠点(55社で計70箇所)の6割以上が既に復旧を済ませており、残りも1〜3ヶ月以内に復旧する見込みだ。4月16日には、生産拠点としての東北の復興を象徴するかのように、被災したある大手自動車企業の工場で、震災後に生産された輸出用の新車が仙台港から出荷されている。

また、津波や地震の被害を受けた観光地も復旧が進み、観光客の受け入れ準備が整っている。その一つ、宮城県の松島は、松島湾に大小260の島々が浮かび、日本を代表する風光明媚な観光地だ。この松島へも津波が押し寄せ、商店街や道路が浸水したが、島々が津波を緩衝した結果、被害は比較的少なかった。すでに4月下旬には、松島湾内を巡る観光船や水族館、お土産店や飲食店、松島湾周辺の歴史的な神社仏閣の拝観も再開されている。

市民の日常生活も戻りつつある。4月21日には、岩手県、宮城県の小中高の273校で始業式が行われた。また、宮城県仙台市にある、プロ野球の楽天ゴールデンイーグルスの本拠地「日本製紙クラリネックススタジアム宮城」と、プロサッカーのベガルタ仙台のホームスタジアム「ユアテックスタジアム仙台」は地震による被害を受けたが、4月29日には、両スタジアムで震災後初めての試合が行われている。楽天の試合には約2万人、ベガルタの試合には約1万8000人の観客が集まり、両スタジアムは満員となった。

そして、政府は「被災地の住民に未来への明るい希望と勇気を与えるとともに、国民全体が共有でき、豊かで活力ある日本の再生につながる復興構想を早期にとりまとめる」ために、有識者から構成される東日本大震災復興構想会議(五百旗頭真防衛大学校長を議長)を設置した。菅総理は4月14日の第一回会議において、「ただ元に戻すという復旧ではなくて、あらためて作り出すという創造的な復興を(この会議で)お示しいただければと思っております」と述べた。

今月号は、復興にむけて進みつつある被災地、そして、それを支える人々の姿を紹介する。

次へ