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Highlighting JAPAN

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総理動向

日中韓サミット(仮訳)

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5月21日、22日に、日中韓サミットが東京で開催された。日中韓サミットは2008年以来毎年開催されており、今年で4回目。日本での開催は第1回に続いて2回目となる。

サミットに先立ち、21日、中国の温家宝総理と韓国の李明博大統領は東日本大震災の被災地を訪問した。両首脳はそれぞれ、津波で被害を受けた宮城県名取市を訪れ献花した後、避難所で被災者を励ました。

その後、両首脳は福島市で菅直人総理と合流し、3首脳はそろって東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて周辺住民が避難をしている福島市内の避難所を訪問。3首脳は福島県産のサクランボや野菜を試食した後、避難所内を回り、被災者を激励した。

翌22日、東京の赤坂迎賓館で3首脳によるサミットが行われた。サミットでは菅総理から、東日本大震災に関する中韓両国の支援及び連帯の表明、特に前日に両首脳がタイトな日程の中、仙台及び福島の被災地,避難所を訪問したことは同地域及び日本全体の安全性を内外にアピールする上で大きな助けになったことに深い感謝の意を表した。その上で、菅総理から、日本の経済は短期的には下押し圧力であるものの、本年後半からは経済も回復基調に入るとの見方を説明し、今回の震災を「危機の中における危機」から復活し、日本を新たな活力ある社会として再生させる機会と捉え,諸外国の活力も取り込みつつ、復興に取り組みたいとの意思を表明した。

会議後、日中韓サミット首脳宣言と「原子力安全協力」、「再生可能エネルギー及びエネルギー効率の推進による持続可能な成長に向けた協力」、「防災協力」の3つの付属文書が発表されている。

日中韓サミット首脳宣言では、3首脳は未来志向で包括的な協力パートナーシップをより一層強化すること、そして、災害や困難に直面した際に互いに助け合うことの重要性を共有したことが記された。

また、防災及び原子力安全について、日本が原子力事故及び地震から得た教訓を、中国、韓国、及び国際社会全般と共有することを約束し、防災や原子力安全分野に関する3国間協力を強化していくことで一致したことが述べられている。

さらに、再生可能エネルギー及びエネルギー効率の推進を通じ、持続可能な成長に向けて3国間協力が重要性であることが述べられている。このほか、経済成長、人的・文化交流、環境と持続可能な開発等の分野でも3国間の協力体制を築いていくことが盛り込まれた。

また、22日には、菅総理は温総理と李大統領と個別に会談を行った。日中首脳会談では、東日本大震災後の復興支援・観光促進に関し,協力を進めることで一致した。具体的には、中国からの観光関係ミッションや復興支援・貿易投資促進のための視察団の派遣、農産物その他の製品の日本からの輸出の拡大、人の交流の強化等につき合意した。

日韓首脳会談では、原子力安全に関する国際場裡における協力、通常時の情報交換強化などが盛り込まれた「日韓原子力安全イニシアティブ」の推進に合意し、東北の復興支援や、観光の再活性化に向けた協力などが含まれた「東北地方復興・観光のための日韓パートナーシップ」を発表した。

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