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Highlighting JAPAN

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特集世界に広がる日本のサービス

韓国で人気の日本のパン屋さん(仮訳)

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日本人が海外で経営する日本食店は寿司店だけではない。韓国のソウルでは、日本人が経営するパン屋が人気を集めている。日本の味とサービスで成功を収めている 「Tokyo Panya」を紹介する。

ソウルのカロスキルは、お洒落なレストランやブティックが並ぶ、韓国の若者に人気のエリアだ。そこに、パン職人である藤原保真氏が経営する Tokyo Panyaがある。(Panyaは日本語でパン屋の意味)。ここには、平日には200〜300人、週末には300〜400人が来店する。Tokyo Panyaのキャッチフレーズは「日本にいかなくても食べられる日本の味」だ。

日本でパンを食べる文化が広まったのは、西洋文明が流入してきた明治時代(1868-1912)以降だ。それ以来、日本独自のパンが様々な人々によって生み出されてきた。日本式の有名なパンの一つが、1874年に東京のパン屋の木村屋が売り出した「あんパン」だ。日本には明治時代以前にも、饅頭という、小麦粉を練った生地で餡を包む菓子があった。それからヒントを得て、木村屋はあんパンを作ったのだ。

「日本式のパンの特徴の一つは、カレー、焼きそば、餡など、様々な食材と組み合わせていることだと私は思います」と藤原氏は言う。「私のお店で最も人気のあるパンはカレーパンです」

もともと、藤原氏が日本のパンの可能性に気付いたのは、韓国ではなく、2000年から2004年まで留学していたニューヨークだ。ニューヨークには、彼にとって魅力的なパン屋が少なく、バラエティ豊かな日本のパンがアメリカ人に受けるのではないかと思い、海外でパン屋を起業することを決意、そして、日本に帰国し、パン職人になるために、カレーパンと味噌パンで有名な東京のパン屋での修行を始めたのだ。修行を開始してから3年ほどが経った頃、韓国で、日本式のパンを出すカフェの開業を予定していた人が、日本人のパン職人を探しているという話を聞き、韓国で挑戦しようと考え、渡韓を決めたのだ。

そのカフェは1年ほどで閉店してしまったが、藤原は2008年に独力でTokyo Panyaの1号店をオープン、日本人が日本式のパンを作っていることが口コミで所に広がり、現在ではカロスキル店を含め、4店舗を経営するまでになった。

「まず、店員のサービス向上に力に入れています。お客様が入店されたら、『いらっしゃいませ』、お買い上げ頂いたら『ありがとうございます』と言うこと、商品を理解し、お客様にちゃんと説明できるようにすることを、店員には徹底しています」と藤原氏は言う。「また、韓国料理では、多くの小皿でたくさんの種類の食べ物が出されます。こうした小皿が多いほど、サービスが良い店と韓国人は判断するそうなので、私たちも、試食や、たくさん買って頂いたお客様に1,2個のパンをおまけでサービスするといったことをしています」

もちろん、最も大切なのは味だ。藤原氏は「毎日、同じ味を、同じクオリティーで作り続けることが顧客に対する一番のサービスです。そのためにも、韓国でのパン職人の育成が極めて重要です」と言う。

「パン職人の仕事は、生地を練って、分割して、成型して、焼いて陳列して、販売することの繰り返しです。その中で、少しでもスピーディーにかつ精度を上げ、お客様に満足していただけるものを作りつづけられるという職人を育てていきたいです」と藤原氏は言う。「私の夢は世界中の人に、Tokyo Panyaの味を知ってもらうことです。日本のパンと言えば、Tokyo Panyaであると言ってもらえるように、頑張りたいと思います」

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