Home > Highlighting JAPAN > Highlighting JAPAN 2012年4月号 > 日本の食(仮訳)

Highlighting JAPAN

次へ

特集日本の食

日本の食(仮訳)

English

日本の食は、美味しいことに加えて、美しく、ヘルシーだ。そんな日本の食・日本の食材に対して世界の注目が集まっている。伝統的なものだけではなく、現代的にアレンジされた料理も次々に登場し、日本を訪れる人々を楽しませ、また世界に輸出されて、各地の人々の舌を楽しませている。政府は、2012年1月のダボス会議の際に開催したサイドイベント「ジャパン・ナイト2012」においても、参加者に日本の料理を紹介した。また、在外公館や世界中の食品イベントで、日本食・日本食材の普及広報を積極的に行っている。今月の特集記事では、世界の人々に愛される日本食の魅力を紹介する。

「包丁を斜めにして、ヒラメを切ってください」

東京の新宿にある東京すしアカデミーでは、この日、ヒラメのさばき方の実習が行われていた。アカデミーの主任講師、川澄健氏が丁寧に見本を見せた後、12名の生徒が各自、30センチあまりのヒラメを、同じくらいの長さがある細長い包丁でさばいていく。

日本では、一人前の寿司職人になるためには、親方の下で10年以上修行を積まなければならないと言われている。しかし、2002年に開校した東京すしアカデミーでは、寿司修行の「高速道路」を用意している。アカデミーは現在、1年制の寿司シェフコース、8週間のディプロマコース、握り寿司の基本を一日で集中的に学ぶ握り寿司体験講座など、様々なコースを用意している。

この日、ヒラメのさばき方を習っていたのは、ディプロマコースの生徒だ。このコースは8週間という短期間で、包丁の使い方、寿司の握り方など、寿司職人としての基本を学べるコースである。筆記や実技の試験に無事に合格すれば、修了証が得られる。

このディプロマコースは観光ビザでも学ぶことができるので、外国人にも人気だ。2010年夏にディプロマコースがスタートし、これまでに27の国と地域の約80名が修了した。その多くは、シェフや日本料理店のオーナーだ。今年1月から始まったコースにも、インドネシア、スペイン、ニュージーランドから計3名の外国人が参加している。

「寿司を学ぶ上で、日本人が有利で外国人が不利ということは、基本的にはありません」と、ディプロマコース外国人担当講師の後藤幸子氏は言う。「ただ、小さい魚の小骨まで丁寧に抜いて調理することに驚く外国人は少なくありません」

ディプロマコースの参加者の一人、ニュージーランド人のベンジャミン・トゥーハカライナさんは、ニュージーランドの食材を使い、様々な国の料理を作ってきたシェフだ。務めていたレストランを辞めて、来日した。

「15年ぐらい前に、初めて寿司を食べました。最初はあまり好きではありませんでしたが、だんだんと好きになったのです。今、ニュージーランドで寿司は、一般的になっていますね」とトゥーハカライナさんは言う。「ニュージーランドでも寿司を作ったことはありましたが、日本の伝統的な方法でどのように寿司を作るのか、どのように魚を準備するのかを勉強したいと思い、来日しました」

また、別の参加者、スペイン人のフランシスコ・エルバスさんは、16年のキャリアを誇るシェフだ。主に地中海料理を専門とする、プライベート・シェフである。

「スペインには非常に豊富な海産物があります。そうした海産物を、日本で学んだ技法と、ヨーロッパの技法を統合した方法で作りたいです」とエルバスさんは言う。「日本料理は非常に幅広いです。この8週間で学べるのは、そのほんの一部です。また日本に来て、日本料理をもっと勉強したいですね」

次へ