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Highlighting JAPAN

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グローバリゼーション

MEJ (メディカル・エクセレンス・ジャパン)

医療の架け橋を築く(仮訳)



English



日本の進んだ医療制度と医療技術は長い間評価されてきた。国内の医療インフラは世界の先進国の中で最低コストの医療を提供し、先進国随一の長寿と最少レベルの乳幼児死亡率を実現してきた。経済協力開発機構 (OECD) によると、医療観光とビジネスチャンスの基盤となる技術と食生活の2つの分野において日本は上位にランク付けされている。

経済産業省 (METI) は、高い精度を誇る技能と技術に加えて、医療観光と貿易セクターにおいて質の高い日本の接客でリーダーシップを誇れる点と考え、2011年にメディカル・エクセレンス・ジャパン (MEJ)という専門的なホスピタリティと紹介サービスを提供する団体の設立を支援した。同団体には2つの役割がある。患者が日本でトップレベルの治療を探すことを支援すること、そして、日本の製造業とサービス業両者の医療関連業者に対して海外での事業立ち上げを助け、日本のノウハウとシステムの輸出促進をすることである。

患者に治療先として日本を選んでもらえるようにするために必要な「馬力」をこの新団体に与えるため、MEJは国内最高レベルの医師であり、著名な救急医療外傷専門家である山本修三医師を理事長として採用した。山本医師は、17年以上済生会神奈川県病院・神奈川交通救急センターで一般外科および救急指導医として務め、引退後は、日本病院会の名誉会長を務めてきたという素晴らしい経歴の持ち主である。MEJの事務局長の朝比奈宏氏が山本医師をサポートする。

現在、MEJは、非居住者への医療サービス提供を望む日本の医療関連業者の主要基盤である。海外からの顧客を支援し、言語やスケジュール設定、宿泊関連の問題に対応し、信頼のおける医療関連業者も紹介する。現時点で、MEJは外国人患者の受け入れが可能、または外国人患者の受け入れが可能な医療関連業者にサービスや技術を供給できる57の病院と21以上の企業の代理を務めている。

それではどのような点で評価されているのか?主に、その外科技術と先進技術における専門知識であり、質の高い総合的医療や侵襲の少ない処置、オーダーメイドの治療、健康診断、検診、歯科、内服薬にスポットが当たっている。この新たな戦略は好調で、MEJはすでに、ロシアや中国、カンボジアなど多くの国々から訪れた300名以上のガン患者の実績を持つ。

MEJの第2に重要な役割は、日本の医療専門知識を海外に広めることである。MEJは経済産業省と共同で、海外進出を望む病院に対して資金を提供し、初期の調査段階から最終段階の建設と導入まで、医療機関の海外での設立支援を行っている。MEJの最新の旗艦プロジェクトは2013年5月28日にオープンしたウラジオストクの北斗画像診断センターである。この新しいセンターは北海道の北斗病院がウラジオストクのストロイチェ医療機関と共同で開設した頭脳の所産である。同センターで患者は、MRIやCTスキャン、超音波検査を受けることができ、そのすべての機器は日本製(日立メディコ提供)のものである。

日本の医療ツーリズムはまだ初期段階ではあるが、MEJの経験を生かせれば、将来的に国家の貿易収益に大きな貢献を果たすセクターになるという経済産業省の計画が現実のものとなる可能性は大きい。最高級の技能と技術の提供は、国家がその技術を基盤とした付加価値を作り出すのに役立つだけでなく、旅行者に対して他の手段では手に入らない高度なソリューションを提供することで、感謝にも繋がるだろう。



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