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Highlighting JAPAN

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連載 47の物語

宮城

仙台周辺を探索する(仮訳)



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仙台の街は人口100万を超える都市で、東南は太平洋から北西は奥羽山脈まで広がる。これがこの宮城県の都市に地理的な多様性をもたらしている。市のこじんまりした中心街から小一時間ほど車を走らせれば、どちらの方角に行くかによって、丘や山にも、また平地や海にも行くことができる。

この地域の豊かな自然を味わうために、多くの人は仙台からほど近い松島を訪れる。40分ほど仙石線に乗れば、有名な俳人松尾芭蕉がその美しさに言葉を失ったと伝えられる場所、松島海岸の駅に着く。松島はその名の通り松の木の島で、湾には松で覆われた260もの大小の島が点在している。この絶景を楽しむには1時間ほどの遊覧船に乗るのが一番だ。

松島町にはいくつかの博物館や旅館、歴史的建築物もある。ほとんどの歴史的な建造物は、1601年頃に現代の仙台の街の基礎を築いた戦国武将、隻眼の伝説的な大名、伊達政宗に由来している。遊覧船桟橋からさほど遠くなく、ところどころ橋板が抜けている小さな赤い橋を渡ると五大堂だ。この小さな寺は、807年に最初に建てられたが、1604年に政宗によって再建された。湾を見下ろす寺の孤高のたたずまいは、5つの明王像を宿すその厳かな内部とよく調和している。この明王像は33年に一度だけ公開され、前回は2006年だった。

五大堂から北東に半キロ以内の位置にあるのが瑞巌寺だ。東北で最も有名な寺のひとつである。寺は9世紀に建立されたが、その後崩壊し、政宗によって1609年に再建された。「この瑞巌寺につづく参道沿いの木々は400年前に伊達政宗の命によって植えられたものです。」と松島観光協会会長の佐藤久一郎氏は語る。さらに、中には樹齢500年を越える木もあるという。多くの国宝や重要文化財を擁している寺の正門と本堂は2016年初頭まで修復中だが、この間、通常は公開されていないこの寺院の台所と政宗の妻の墓を見ることができ、敷地内にある博物館ではさらに歴史に関する美術品などが展示されている。瑞巌寺の参道の右手にある洞窟は、かつて全国から集まった修行僧たちが長期滞在して修行した場所で、一見の価値がある。

他にも伊達政宗ゆかりの歴史的建造物というと、仙台市の瑞鳳殿もある。偉大な指導者であった政宗とその一族が祀られている。

自然と歴史を満喫したら、地元の料理も味わうことをおすすめする。ずんだ餅(練った枝豆でくるんだお餅)から牛タンまで、地方のさまざまな食べ物も楽しめる。また、松島の牡蠣は10月から3月に訪れる旬に大変人気があり、「牡蠣の食べ放題で多くの人から楽しまれている。」と佐藤氏は付け加えた。

2011年3月11日にこのエリアを襲った大震災と津波の被害を乗り越え復興を遂げた仙台の街や宮城県は、心の休暇と癒を与えてくれる。歴史から自然まで、誰にでも楽しめる何かがある。宮城に来てその魅力に触れ、日本を再発見してはどうだろう。



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