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Highlighting JAPAN

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観光

外からの視点

国際交流員が語る京都の魅力(仮訳)



JETプログラムとは地方自治体と総務省、外務省、文部科学省及び一般財団法人自治体国際化協会(CLAIR)が共同で実施している日本の地域の国際化を目的とした事業である。海外からの参加者は、日本各地の様々な自治体で生活し、日本と諸外国の相互理解や地域の国際化に取り組んでいる。今回は、JETプログラムの参加者で、京都府に在住しているイギリス出身のマーク・ガラットさんとフランス出身のアリス・ボナミさんに、外国人の視点から京都の魅力について話を伺うことにした。

2人は現在、JETプログラムに国際交流員(主に地方公共団体に配属され、国際交流活動に従事する)として参加している。マークさんは京都府庁の国際課で翻訳と通訳の仕事を中心に行い、アリスさんは京都府国際センターで国際交流や異文化理解のサロンなどといったイベントの企画や通訳、翻訳を中心に担当している。

京都で生活している2人は、その魅力について熱心に語る。マークさんが一番好きな観光地は嵐山の天龍寺だという。職人技で繊細に整えられた庭園に囲まれ、華麗に四季折々の顔をみせる天龍寺について、「外国人観光客の多くが求めるような日本古来の庭園やお寺が楽しめるところが魅力であり、私のように好きになると思います」と語る。

アリスさんは、豊富な自然の中でお寺や田園風景、古い街並み、そして京野菜を用いた美味しい和食まで幅広い体験できる大原など、京都市街地だけではない京都府全体での観光名所にもっと注目して欲しいという。「大原以外にも、豊富な自然の臨場感を川床料理を食べながら間近で楽しめる鞍馬・貴船があります。あるいは、茅葺屋根の家がある美山町のかやぶきの里といった観光地に行けば、ちょっとユニークな体験もできます」と彼女はいう。

また、2人は京都での生活を通じて、より京都を理解できるようになったと話す。「京都のイメージは高層ビルがない、アニメや映画で目にする『祇園』の町並みだった」と話すマークさんは、京都駅周辺のあまりの近代的な光景に驚いたという。しかし、生活している中で「錦市場」のような狭い道に並ぶ小さなお店を知り、ようやく日常に潜む京都を理解することができたという。京都の食材や料理が売り買いされ、地元の人々で賑わう活気溢れる光景に、京都の本質と魅力が感じられたのだろう。

アリスさんは学生時代、日本への旅行のときに初めて京都に来たことがあったという。「しかし、その時はポップカルチャーが大好きで、東京の賑やかな雰囲気を体験した後だったので、京都はお寺がたくさんあり、舞妓さんがいるだけで、少しつまらなく感じた」と話す彼女も、いざ京都に住んでみると、氷山の一角しか見ていなかったことに気がついた。人々が日常的に着物を着ていたり、古い建物が連なっている通りで隠れた職人の店があったり、幅広い京都の文化に感動したという。「京都に長く滞在すればするほど、ここを知ることができる」と彼女はいう。

2人がおすすめする京都の一番の楽しみ方は、京都の街を純粋に、なんのガイドもなく散策し、街並みや人々の生活を存分に体験することだという。「中でも、スーパーマーケットに行って京野菜などを見ることで、京都人の一般的な生活が伺えてとても興味深い」とマークさんは説明する。

マークさんとアリスさんにとっての京都の素晴らしさは、どこよりも日本文化と伝統を体験できるということなのかもしれない。しかし、独特であり、日本文化が根強く残っているからこそ、海外の人には伝わりにくい部分が多いのも事実である。2人はこれからも引き続き、海外の人々に幅広く京都を楽しんでもらえるために、この街をPRしていく。



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