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青年海外協力隊50周年

青年海外協力隊の貢献を歓迎する
UNHCR(仮訳)

国連難民高等弁務事務所駐日代表

マイケル・リンデンバウアー氏

国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR) は、難民保護と難民問題解決に向けた国際的取り組みを指揮し、調整してまとめるために1950年に創設された。UNHCR駐日代表であるリンデンバウアー氏に、日本の青年海外協力隊がUNHCRの世界各地における任務にどのような貢献をしたのかを尋ねた。


青年海外協力隊はUNHCRのプログラムにどのような貢献をしたのでしょうか
長年に渡り、日本人ボランティアたちはUNHCRにとって非常に重要な存在でした。彼らは教師として、また医療の分野や難民の日々のニーズに応える市民レベルの支援などにおいて、私たちが取り組もうとする多くの分野で活躍しています。JICAとUNHCRが非常に緊密に提携して取り組んだ多くのプログラムの一つとして、2014年のブルキナ・ファソのマリ人難民のプログラムです。この活動では、6名の青年海外協力隊が、様々な難民キャンプで女性のための社会活動や子どものためのレクリエーションや教育活動を行いました。

JICAはまた、キャリア支援の一環として、協力隊の任期が完了した後、国連ボランティアとして国連機関で働くことに興味のある人たちをサポートしています。JICAが支援した国連ボランティアのうち20名がUNHCRに加わり、現場レベルでJICAとUNHCRの連携における重要な役割を果たしてきました。

世界的に、難民の状況の多くは、我々が「長期化する難民状況」と呼んでいるものであり、そこには難民の二世や三世が存在します。このような「長期化する難民状況」の場合、人道的対応は実際上問題の核心ではありません。これらの難民の多くと彼らを受け入れているコミュニティはより発展的なニーズがあります。JICAは長期的な発展を目指して難民同士の自給自足を促進し、このような状況を解決する重要なパートナーです。

青年海外協力隊の特徴はどのようなところだと思いますか?
彼らは非常に勤勉で、仕事に極めて熱心に取り組み、とても高いモチベーションを持っています。協力隊員の多くは1、2年だけそれをするために来てその後はビジネスに戻って行くような人たちではなく、国際協力の分野に留まりたいという強いモチベーションがあります。協力隊の活動後、彼らの多くはUNHCRやその他の人道支援組織に残って活動します。いわば、難民と共に残り、自身の持つ人道的理念をもとに深く関与し続けているのです。

協力隊プログラムに今後期待したいことは何ですか?
理想としては、協力隊のプログラムが拡大され、私たちがJICAとともに協力隊の隊員たちにより効果的にアプローチしていける状況が生まれることです。日本の仲間たちが世界にいるUNHCR関係者に大きな貢献をしてくれるものと信じています。私たちの組織は、優れた能力を持つ、善良で献身的な人々を非常に必要としています。協力隊との協調を拡大し、我々のこれまで以上に困難な課題に対するプログラムへの影響力を高めるために、すでに高いレベルにあるものが更に発展してゆくことを心から願っています。

青年海外協力隊50年の歩み

青年海外協力隊とは、「自分の持っている技術や知識、経験を開発途上国の人々のために活かしたい」という意欲を持つ20~39歳の若者が応募できるJICAボランティアのこと。
1965年、戦後の混乱を経て立ち上がった日本から、5人の若者が協力隊としてラオスへと旅立った。それから50年、これまでの派遣国数は96カ国、派遣人数は累計4万6926人に上る。(2014年11月末現在)

<年表>
1954年 日本の政府開発援助(ODA)スタート
1965年 「日本青年海外協力隊」発足/初の協力隊員派遣(ラオス)
1966年 アフリカに協力隊員派遣開始(ケニア)
1968年 中米に協力隊員派遣開始(エルサルバドル)
1972年 大洋州に協力隊員派遣開始(西サモア(現在のサモア))
1974年 国際協力事業団(JICA)設立/「青年海外協力隊」に改称
1978年 南米に協力隊員派遣開始(パラグアイ)
1990年 協力隊派遣数1万人を突破
1992年 東欧に協力隊員派遣開始(ハンガリー)
2000年 協力隊派遣数2万人を突破
2007年 協力隊派遣数3万人を突破
2015年 協力隊派遣数4万人を突破 | 協力隊発足50周年

 

 



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