Home > Highlighting JAPAN >Highlighting Japan November 2015>日本の秋

Highlighting JAPAN

previous Next

日本の秋

私にとっての日本の秋(仮訳)

一年を通じてもっとも気候がよく、おいしい食べ物が旬を迎える秋は、日本人にとって特別な季節。人々が活動的になる季節でもあり、「食欲の秋」、「文化の秋」、「スポーツの秋」、「芸術の秋」など様々な言われ方があります。日本で生活する外国人の方々に、もっとも印象に残っている「あなたにとっての日本の秋」について聞いてみました。

日本の秋は湿度が低く気温も穏やかなので、外出にはもってこいの季節です。日本人は秋のスポーツを好み、文化鑑賞にふさわしい時期でもあることから、馬上から矢を射る流鏑馬(やぶさめ)という日本独自の伝統行事が行われます。11月も終わりを迎える頃、私はよく友人たちと風光明媚な神奈川県の逗子海岸で行われる流鏑馬を見にいきます。射手は鎌倉時代の伝統的な装束に身を包み、波打ち際から数メートルの砂浜に馬を走らせ、さまざまな標的に向けて矢を放ち競い合います。(ノーアム・カッツ、アメリカ)

静岡県の伊豆半島南部に住んでいたとき、秋の訪れを最も感じたもののひとつがみかんでした。私が住んでいた場所から1ブロック離れたところに農産物の直売所があり、毎週土曜日と日曜日には十数種類のみかんが箱詰めで並べられていました。それぞれの箱の側には、味見するために割かれたみかんがひとつずつ置かれていました。週末の間に、たいてい12個は買って食べていたものです。現在、私は引っ越して東京に住んでいるのですが、毎年秋になると食料品店にみかんが並ぶのを今でも楽しみにしています。秋晴れに恵まれてのどかな東京郊外の奥多摩地方をぶらついているときなどは、みかんが道端で売られているのを見つけて楽しんでいます。(マイケル・カナート、カナダ)

大抵の人は色づく樹々の葉を日本の秋らしいイメージと思うかもしれません。でも私に取って本当の美しさは、まだ樹々の葉が緑濃い時に、夏から秋への最初の季節の変化が空に感じられるようになる頃から始まります。光が変わり、青の色が濃くなって、台風の過ぎ去った後には目を見張るような形の雲が現れます。2011年の秋、私は東日本大震災の後の3度目のボランティアで岩手県の大船渡を訪れました。日本の秋らしくカラッと穏やかに晴れ渡った空の自然美と、そこに住む人々の暮らしを再建しようと一生懸命にがんばる姿、さらにボランティアの人たちの献身的な協力とが相まって、それは視覚的なものを遥かに越えた美しさでした。今の時期、空を見上げると必ず思い出す風景です。(ナヤラン・ムードリー、南アフリカ)

日本の秋は鮮やかな紅葉とおいしい食べ物の季節ですが、ハロウィンなどのビッグ・イベントのある季節でもあります。東京はどこもかしこもハロウィン・パーティだらけ。人々は皆、コスチュームを作ったり、メイキャップしたりするのに大奮闘して、カメラの前でポーズを取ります。私は東京で一番大きなハロウィン・パーティが行われる渋谷に行きました。皆が日本のアニメやディズニーのキャラクターなどのカラフルなコスチュームを着て歩き回ったり、お互いに話しかけたりしている雰囲気が私は大好きです。それは本当に驚きですよ。私の国ではハロウィンの存在は知られていますが、大きなイベントやパーティはないので、まるで一晩かぎりのアリスの不思議な国のようです。(スパーウィター・チャードチュワニット、タイ

私が最初に日本へ飛び込んで来たのは、東京大学の学生としてでした。9月の末に到着し、しばらくするとキャンパスに落ちた銀杏のにおいが漂い始めました。それはイギリスでは体験したことのないものでした。何も考えずにベタベタした小さな実を踏みながら、今では否応無く私に変化を思い出させるその鼻につくに甘い匂いは、当時あまり好きではありませんでした。無慈悲な夏の暑さはようやく和らぎつつあり、樹々の緑は黄色く色づき始め、これからやってくるクリマス・シーズンの興奮がすぐそこにあるこの季節。この少し年上だけど特に皆より賢いわけではない大学院生にとって、秋は何か新しい、面白いことが起こりそうな気分にさせてくれる季節なのです。(ロバート・ルイス・デイ、イギリス)

秋は日本では本当に素晴らしい季節です。穏やかな気候は12月まで続き、セーターはいるけれども天気のいい、青空の日々です。気温がどんどん冷たくなる代わりに、すばらしい紅葉をもたらします。
私が好きな紅葉スポットのひとつは京都の嵐山です。京都は日本を代表する紅葉の美しい場所ですが、その中でも嵐山は山全体が赤、橙、黄、そして黄金に燃え上がり、忘れることのできない光景が広がっています。特に、そこにあるモンキーパークも私のお気に入りです。猿たちは自由に走り回っていて、一匹の猿は私のところに来て私の靴にタッチすると、いたずらっぽく走り去って行きました。(セリーナ・ホイ、アメリカ)



previous Next