Home > Highlighting JAPAN > Highlighting Japan April 2018 > 総理動向

Highlighting JAPAN

日・チリ首脳会談

2018年2月23日、安倍晋三内閣総理大臣は、訪日中のミチェル・バチェレ・ヘリア・チリ共和国大統領と首脳会談を行いました。

安倍総理大臣から、昨年の日本・チリ外交関係樹立120周年では、秋篠宮同妃両殿下のチリ御訪問や、チリの日系社会の活動を含め、様々な交流が行われたことに言及し、今般、両国関係を「戦略的パートナーシップ」に引き上げ、二国間関係や国際場裡における諸課題につき協議する「政策対話」等を通じて、二国間や国際場裡での協力を一層深めたい旨述べました。また、安倍総理大臣から、2019年からチリに防衛駐在官を配置予定であり、防衛分野における協力関係の促進を期待する旨述べました。

また、経済分野に関して、両首脳は、2007年に発効した日・チリ経済連携協定(EPA)、2016年に発効した租税条約等の経済枠組み構築を通じ、両国の経済関係が一層発展していることを歓迎しました。

安倍総理大臣から、防災分野の協力である「KIZUNA(キズナ)」プロジェクトiが成功裡に進展していることに言及し、2020年までの人材育成目標を2千人から4千人以上に倍増する旨述べました。また、両首脳は、今般、三角協力に関する覚書(「日本・チリ・パートナーシップ・プログラム(JCPP)ii 2030」)が署名されることを歓迎しました。

これに対し、バチェレ大統領から、両国の外交関係樹立120周年に関連する活動について紹介され、防衛分野及び貿易・投資分野における協力、さらに、防災分野を始めとする日本・チリ間の三角協力を一層進展させたい旨の発言がありました。また、バチェレ大統領から2017年のチリにおける森林火災に際する日本の支援への謝意表明があったことに加え、国連の持続可能な開発のための2030アジェンダの実現に向けて協力したい等述べました。

さらに、両首脳は、ワーキング・ホリデー制度が23日に運用開始されること、スポーツ分野における協力覚書が今般署名されること、及び運転免許に関する協定の実質合意を歓迎し、様々な分野における国民交流を更に発展させていくことで一致しました。

北朝鮮問題を含む地域情勢や安保理改革を含む国際場裡における協力に関し、両首脳は、協力関係を深化させていくことで一致しました。また、両首脳は2019年にチリで開催されるAPECに向けて協力していくことを確認しました。さらに、共に海洋国家として自由で開かれた海洋秩序の重要性について議論しました。また、安倍総理大臣から「自由で開かれたインド太平洋戦略」を説明し、両首脳は、議論を継続していくことで一致しました。

北朝鮮問題に関し、安倍総理大臣から、北朝鮮への圧力を最大限まで高める必要がある、また、拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を期待する旨述べました。これに対して、バチェレ大統領は今回長崎を訪問することに触れつつ、チリは核不拡散と北朝鮮の核開発への反対について確固たる立場を有しており、日本と一貫して協力してきた旨述べ、両首脳は、緊密に連携していくことで一致しました。


(注)
i 正式名称は、技術協力プロジェクト「中南米防災人材育成拠点化支援プロジェクト」(2015年3月~2020年3月)。チリで開催する防災分野の研修に、日本から専門家を派遣する等、三角協力を通じて中南米諸国の防災に資する人材育成を行う。
ii 日本とチリが協働して他の開発途上国に協力するもの(いわゆる三角協力)。1999年6月に合意文書を締結。これまで、防災・環境分野、水産分野、医療分野等に関する第三国研修及び第三国専門家派遣を実施。